ブログリレー 2019 #3
みなさんこんばんは!第三弾は特に留学を考えている新入生に向けてのブログです!そのため、現在交換留学中のKDS4年のしばももさんに、KDSが留学するにあたってどのような利点があったかについて書いていただきました!✈️💨
それではどうぞ!!👇👇
こんにちは!現在オランダにあるライデン大学に交換留学中の柴田桃佳です。KDSは4年目になります、あっという間すぎてびっくり。。今回は留学を目指す新入生に向けての記事ということで、留学をするにあたりKDSに入っていてよかったと思える点を紹介したいと思います!
入学の段階で留学を考えている新入生の皆さんは、もうすでに周囲より一歩先をいっていると思います。私もなんとなーく留学したいなと考えていましたが、交換留学の門は狭そうだし、就活とかどうなるかわからないし、海外に住みたいぐらいの意志で行けるのかな…と思っていました。そんな私でも交換留学に応募し、ライデンで充実した日々を送れているのは8割がたKDSのおかげだと思っています。決して新歓用に盛っているわけではありません(真顔)私の場合そうだったという一例ですが、参考になれば幸いです。
目次
-
留学の出願・留学先での生活に欠かせない英語力の向上
-
書類選考・面接を乗り越えるための思考力の定着
-
留学先のコミュニティーへの順応力
-
留学の動機にもつながる経験をする機会
-
留学の出願・留学先での生活に欠かせない英語力の向上
慶應から交換留学に応募する際に英語力はかなり重視される点です。ある程度の成績に加えて、TOEFL iBT総合70点以上もしくはIELTS総合5.5以上が出願資格となっています。(http://www.ic.keio.ac.jp/keio_student/exchange/qualifications.html )また、留学先での使用言語が英語である大学はさらに高い点数を課している場合が多いです。私は4歳から9歳までイギリスに住んでいたので、世間的には「帰国子女」というカテゴリーに分類されるのかもしれません。しかし、発音はいいけど語彙力は小学生止まり、という状態でなかなか自信が持てませんでした。慶應に入学してから、高校まで海外で過ごしていた強者も多く、さすが大都市トーキョー。。って思っていました。しかし、ディベートのスピーチという、限られた時間内で準備しわかりやすく英語で考えを伝達する練習を通して、確実に以前より語彙力が向上しました。受験の長文などでわからない単語に出会っても、文脈からなんとなく意味を予想したりできるので、実際にその単語を使って会話できるレベルにはなりませんよね。ですが、ディベートのスピーチをする際はその場で調べてメモだけとって数分後には自分が喋っていなければならない状況です。最初は絶対に無理、一生できないと思っていても練習すれば人間意外とできるようになるものです。何度も使う単語は自然に覚えていくし、色々な論題に触れることで様々な分野の単語に出くわします。スピーチ中に思い出せなくて言えなかった単語は、悔しくなって後からしっかり調べざるをえません。もっとかっこいい描写ができるようになりたい!と思って、英語の本や文章を読む際も「この表現使えそうだから覚えておこう」という能動的な姿勢で読めます。さらに試合中は相手の議論を正確に汲み取ってから反論しなければならないので、リスニング力も向上します。国際大会に出ると様々なアクセントに対応することになります。スピーチの参考にするためにyoutubeで有名なディベーターのかっこいいスピーチを見るようにもなるでしょう。このように、気づけば英語を聞く機会があっという間に増えているのです。私は面倒くさがりやな性格で楽しくないと頑張れないので、参考書や単語帳を買って自分で勉強する方法より圧倒的に効率的な方法だと思っています。実際に留学出願前に過去問を一回だけ解いてTOEFLを受験しましたが、総合点が高校の時より20点以上上がり、110点台に達することができました。Legitimate, disproportionate, efficacy, retribution, atheist……小学生語彙力だった私ですら使いこなせているのは成長が感じられて感動です。:’)
もちろん、出願に限らず留学先での生活にも英語力は欠かせません。現地の学生や他国の留学生と交流したり、行政手続きをしたり、身の安全を確保する上で実用的な英語が必要となってきます。思うにここで一番大事なのは、怖がらずに思ったことをちゃんと発言することです。私はKDSを通して英語を話していて当たり前な環境にいられたことで、英語を話すことへの精神的ハードルが下がったと思います。文法の正しさなど以前に「伝える」という目的に重きを置いたディベートの練習をしてきたからこそ、ビビらずに話せているのかなと思います。国際大会で海外のディベーターと関わる機会があったことも大きいと思います。授業やレポート、ディスカッションも全部英語だとついていけなさそうでストレス…と思いきや、意外といい点数が貰えたり、むしろスムーズな表現だと褒められることもあって、ディベートをやっていてよかったなと思いました。宿題で論文を読むことも多いですが、英語のニュース記事などに目を通すようにしていたからこそ対応できていると思います。英語アレルギーにならなかったのは、会話中ルー大柴化しても非常に寛容なコミュニティにいたおかげです。
2. 書類選考・面接を乗り越えるための思考力の定着
出願資格である英語力を身に付けた次に待ち受けているのは、書類選考と面接です。慶應の交換留学の選抜では、学生の志望理由と提携校の特性を照らし合わせるマッチング作業が行われています。就活なども全部そうだと思いますが、「慶應大学は自分を志望校の交換留学生として選ぶべきである」という論題の肯定側の議論を作成する作業に過ぎないのです。例えば「政府はタバコを禁止するべき」という論題があったとき、タバコにはどんな特徴があり、現状にどんな問題を与えているのか?なぜ規制や課税といった形でなく禁止するべきなのか?なぜ政府が行うべきなのか?禁止することでどんな価値が生まれるか?等の疑問を解消していくことが議論の基盤になります。結果的に「タバコが認められている世界」と「タバコが禁止されている世界」の比較をすることで勝敗が決まります。留学の選抜においても、「自分が交換留学生として選ばれた世界」と「自分以外の他の人が交換留学生として選ばれた世界」の比較が行われているので、同じ構造が成立するのではないでしょうか。つまり、慶應・自分・志望校という登場人物を軸に、自分の過去の分析・現状の自分の課題の把握・未来の自分への展望を伝えることが求められます。そこで考えることは、自分はどんなバックグラウンドのもと育ってきて、なぜ留学を考えるに至ったか?その志望校でしか得られない学びは何か?そこでの経験がなぜ現在の自分に必要なのか?留学で得たものを将来の自分にどう活かすか?といったように、ディベートの論題を見たときとほとんど同じ工程をたどるのです。
色々偉そうに言ってきましたが、ここでぶっちゃけますと、今私がいるライデンは第二希望の大学でした。第一希望の大学は蓋を開けたら倍率15倍(基本的に倍率が二桁になることはほとんどないのでご安心を。笑)で、ライデンを第一希望に選んでいる人が他にいたのになぜか私が選ばれました(?)。自分の経験則でしかないのですが、志望理由の整合性や面接でのパフォーマンスが基準になっているのかなと思います。面接は自分の志望理由へのPOI(point of information, ディベート中に相手から突っ込まれる質問)を受ける時間に過ぎません。面接官によって質問は異なるようですが、志望理由の掘り下げが中心になると思います。その際、普段からディベートでPOIを受けることに慣れていれば想定外の質問が飛んできてもある程度落ち着いて対応できるし、POIをする側を経験することで質問を想定しやすくもなると思います。議論に矛盾はなく一貫性があるか、どれだけ排他的な価値があるか等を注意するようになるので、書類の段階から面接に強い志望理由を作成できるようになるのではないでしょうか。
3. 留学先のコミュニティーへの順応力
順応力とは、共通の話題を通して仲良くなりやすいという面と、異なる文化に生まれ育った人ともスムーズに関係を構築し維持しやすいという面があると思います(両者が相互に影響し合っている部分もありますが)。ディベートでは、政治・経済・ジェンダー・セクシュアリティ・教育・国際関係など、様々なテーマを扱います。論題で直面したからこそどのような制度や状況が問題なのか、どんな人々が苦しんでいるのかなど、現在の日本社会や世界で起きていることを考えるきっかけになりました。留学経験者がよく話すことですが、私もヨーロッパの学生の方が社会問題に対して敏感だなあという印象を受けました。安倍政権についてどう思うか、ヨーロッパと日本社会における女性の立場の比較、LGBTQに対する認識、環境破壊とveganismについてなど、日本では「お堅い」と思われる話題を普通にカフェやパブで話します。受けてきた教育、メディアの報道、協調性を重んじる文化など様々な要素が影響し合った結果だと思いますが、日本の若者は一般的にこのような話題に触れる機会が少ないと思います。そんな中、ディベートを通して一度はフェミニズムについて話したり、色々なテロ組織の存在を知ったりと、ヨーロッパの学生が話す話題にある程度ついていけて、知的好奇心を持てる土壌を日本にいる頃に固められてよかったなと思います。もちろん、そういうお堅い話ばかりしているわけではありません。恋人や友人関係について、好きなアニメやドラマ、愛や幸せとは何か…お互いを知る上で大事なことは「自分がどう思っているか」話すことだと思います。たとえ意見が異なっても人間関係が終了するわけではない、と思えるようになったのもディベートの影響が大きかったです。議論することは喧嘩とは異なり、相手を尊重しつつお互いの認識を理解し、より深く考える機会を与えてくれるものだと思えば、発想の幅が広がって自分の意見を言うことの恐怖感は減るのではないでしょうか。
そんな自由かつ活発なディベートコミュニティーに身を置いたことで人間的に成長できたと私は思います。多様な個性を持ち、自分と違うバックグラウンドの人と協力して大会を運営したり切磋琢磨できたことで、色々な考え方を受け入れる柔軟性が身につきました。これは、留学先で異なる文化に生まれ育った人ともうまくやっていく上で役立っていると思います。例えばオランダはダイレクトであることがオブラートに包みがちな日本と文化的に異なる点だと思います。嫌なことや無理なことはそうはっきりと伝えます。また、幼い頃から性教育が行われており、男女とも性に対してかなりオープンです。そして日本では理解が遅れている、LGBTQといった性的指向をカミングアウトしている人、veganである人と関わることも多いです。そういった違いを受け入れるのって結構時間がかかるし戸惑うことだと思います。どうしても自分の経験やそれまで接してきた周囲の人々の意見に影響されて考えが偏ってしまうものでしょう。その時にオープンなマインドで居られるのは、ディベートをやっていたおかげでもあるのかな、と思います。
4. 留学の動機にもつながる経験をする機会
皆さんが現時点で留学をしたいと考えているのはなぜでしょうか?個人的には、ディベートを通して留学を決意する思いがさらに強まりました。私は国際政治に興味があったのですが、国際大会でアジア各国のチームと対戦して、実際に国によって異なる道義を優先することを知り、外交の難しさを感じました。そして、日本に対する批判的な視点を培ったことで海外の視点から学ぶ価値が見出せました。また、ディベートでは自分の意思に関わらず肯定側と否定側に分けられて議論をするので、自分の価値観に照らし合わせて考える時間の必要性を感じ、日本より主体的に学ぶ体系が整っている海外の大学で勉強したいと思うようになりました。このような抽象的で主観的なことほど、身を持って実感する他にないと思います。さらに、具体的なイメージがつきにくい留学生活の話を聞く機会があったのも、留学に行かれた先輩がKDSに比較的たくさんいたおかげでした。色々な悩みを聞いてくれ、サポートをしていただけて、感謝が尽きません。しかしもちろん、KDSを留学に行くための予備校と捉えてしまうと得られる経験も変わってくると思います。おそらく大学時代に全力で頑張ったことがあってこそ面接官もいい印象を受けるのではないかなと思います。(私は面接でひたすらディベートについて聞かれて語っていたらあっという間に終わってしまいました笑)
交換留学に応募するにあたり、上述した英語力や明確な志望動機の他に、成績は高ければ高い方が相対的に優位であり、第二外国語の語学力を磨いておくことで志望校の選択肢は広がります。そして出願期間や面接日程はしっかり調べておきましょう!!私は面接の日程を知らずにディベートの大会に申し込んでしまい、行きたかった国の選択肢を一つ失いました笑 しかし今となってはそれも縁だったんだなと思えるぐらい、ライデンでの生活は楽しいです。長くなってしまいましたが、どんな形であれ、KDSは留学をする上でポジティブな影響を与えてくれる場所です!少しでも留学が気になっているのであれば、ぜひ新歓に足を運んでみてください✨
いかがでしたか?
KDSは留学前・留学中・そして留学後の実力維持の場としても大いに役立てる環境です!留学している先輩も多く、参考になる話もいっぱい聞けると思います!このブログが新入生のみなさんの参考になれば嬉しいです😊
それではまた明日18:00にお会いしましょう👋