エレガントそうなねこちゃん(?)の大会に出ました。

みなさん、こんにちは!今回はAoyama Women’s cupについて紗菜ちゃんに書いてもらいました!ブログではウマンズだけではなく、大学入ってからの約1年間を通して経験したことなどについても言及してくれています!詳細までしっかり書いてくれていて、とても興味深いので、是非読んでみて下さい!

それでは、どうぞ〜👇👇👇


はじめまして。KDS23期の太田紗菜です。今回はAoyama Women’s cup(以下ウマンズ)という大会に出たのがきっかけで書かせていただくのですが、内容はなんでもいいよと言っていただいたので、KDSに入ってからいままでをざっくり振り返りながら、ためになった練習や発見などについて書かせていただきます。先輩たちのように、読者が没頭できるような面白いものが書ければなぁとあれこれ考えていたのですが、そんなに自分自身が面白い人間ではないことに気が付いたので諦めます。自分がこの一年で学んだことを自分の目線でびーっと書いてしまったので、公益という観点から見るとあまり有意義でない気がします。ですので、こういう人もいるんだな~くらいに適当に読んでいただけると幸いです。


Table of Contents

1)わたくしは誰か。

2)一年間を振り返って(ためになった練習など)

3)ウマンズを経験して

4)ディベートを続けるか、いつも考えてしまいます。

5)謝辞等


1)わたくしは誰か。

短く言うと、高校から英語ディベートを始めたがEFLで未経験者の枠に入る者です。留学に行ったことはありません。もう少し詳しく、KDSに入る前にどうディベートをしていたか簡単に述べさせてください。

私は高校生の時に英語ディベートなるものに出会いました。高校に入り、適当に英語ディベートの体験入部に行ったのですが、そこで同じサイドについてくれた先輩が、スピーチ中に何を言っているのか全く分からないという大ピンチに陥りました。え、さっき一緒にプレパして共有したはずなのに…(泣)渡されたフローシートには何も書くことが出来ず、ただただ呆然としていましたが、英語をペラペラと話す学生を見たのが初めての経験だったので、とても感動して「かっこいい!!!!自分もこうなれたらなぁ…」と思いました。実は当時、陸上をやっていたのですが、あまり長くない(つまり短いけど相対的にはそんなことないはずの)足とやる気とその他もろもろのせいで、専門のハードルも、高校では勝てないことに気づき、諦めたので、時間も出来たし、英語ディベートをしよう!という流れでちゃんと始めました。週3回あまりさぼらず練習していたのですが、先輩には毎回ぼこぼこにされる(だって英語話せないからしょうがない!!)し、お恥ずかしながらディベート用語の中で知っていた言葉はTHW, THBT, SQ, APくらいです(もうちょっとくらいあるんじゃないのかな、と思って必死に探しましたが、これが限界でした)。しかもKDSに入るまではbelieve thatとwouldの違いもよくわかっていませんでした。つまり自分というのは、高校の時からやっていたけど、全然ディベートを理解しないまま大学生になった人間、というわけです(やっと最近、インポータンスがどういうものかを理解できて喜んでいます)。

 

2)一年間を振り返って(ためになった練習など)

 某ウイルスのおかげで友達を作ることは疎か、キャンパスには一度も足を踏み入れたことが無いままKDS練が始まりました。(この時私は自宅から日吉への行き方すら知りませんでした。)

 自分の雑な記録によると、4月から5月にかけては基本的にスピーチ練、5月下旬から少しずつラウンド練を始めた、という感じでした。まだ入って間もないころは、スピーチもまともに出来ていなかった(今出来ているという意味ではない)ので、最初にやったスピーチ練、というのがとてもとても勉強になりました。具体的に説明します。

  1. 一年生一、二人に対して上級生が一人ついてくださり、
  2. 制限時間などは設けない状態で、
  3. 先輩とどんなことが言えるか一緒に考え、教えてもらいながら、
  4. その内容をもとにスピーチを作り、
  5. 完成したら1stだけやる
  6. 先輩にスピーチの感想をもらって
  7. 修正して、再スピーチ!(もちろんいい感じだったら6でおわり)

こんな感じです。そもそもディベートのために、誰かからスピーチの作り方を直接丁寧に教わった経験なんてなかったので、毎回この練習をさせてもらえたことが本当に本当に貴重で、ありがたかったです。

誰にとっても役立つ練習だとは思いますが、自分のようにディベート自体はやっていたけど、スピーチの作り方とかわかりません!というような人にとって特におすすめです。とにかくラウンド練をやるのが大事、みたいな話はあり、確かに英語で話すのに慣れるためには、とりあえず喋るのも大事だと思います。しかし、例えばサッカーの試合にでてとりあえずボールを蹴って走るのを繰り返すだけでは、上手になりません。ちゃんとドリブルやパス、シュートの練習も積み重ねた方が、ゲームでいいパフォーマンスをすることにつながるはずです。そういう意味でスピーチ練は、とても大事な練習だと思いました。完璧なスピーチの方法は決まってはいないけれど、でもうまいスピーチは絶対抑えるべき基礎を必ず土台にしています。これは、その基礎的な技術を磨く練習ともいうべきでしょうか。

 モーションを見たとき、(難しいやつを除けば)なんとなく言いたいことは誰にでもあると思います。しかし、SQに当てはまれば何でも話してよいのだ!!と、色々話してしまっては、聞いている人には、この人色んなことしゃべっているな、何が言いたいんだろう、と、人にとってわかりづらいだけになってしまいます。実際自分は今まで話すのに精一杯で、思いついたことを何でも話して時間を稼ごうとしていたので、論外ではあります。ですがこの練習を始めてから、一番重要そうな現状のissueを選び、その原因を細かく分析して、きちんと掘り下げて説明する方が、断然聞きやすいし、なにより説得力がUPするということを学びました。

 また、私は今までGOVの時、APの話を全然してきませんでした。

 なぜならAP=GOVの描く理想の世界そのものだと思ってばかりいたからです。例えば、女性議員を増やせば、APで女性の声がもっと反映される=女性にとっていい社会になる!みたいな感じです。でも、そもそもどうしてAPで議員となるような女性が社会一般の女性が抱えるような問題に向き合おうとするのか等、そういう話をしない限り、自分の描く、理想の世界が達成可能か不明じゃないか、と練習の中で指摘され、確かにそうだなぁと思いました。そういった結論を導くためのプロセスの一つ一つを、一緒に考え、教えていただくのを何回も繰り返していただけたのがとても勉強になりました。また、自分が思いつきもしないような話を色々してもらえるので、そういうところから知識や考え方を頂くことも非常に有意義でした。そんな感じで最初は始まりました。

6月以降は徐々にラウンド練に入っていきました。8月に初めての大会に出て、そのあとは練習、大会の繰り返しでした! どんな大会(対象・スタイル)にでたか、ここに記しておきます。

8月   Linkbate Debate Championship (Rookie・BP)・Elizabeth cup(先輩と出るNA大会)

9月   Gemini Cup(2年生・ASIAN)←2年生の大会と知らずに出てしまいました(泣)

10月 銀杏(学年大会・NA)←今年はじめて参加した学年大会でした

11月 Evergreen cup(先輩と出るBP大会)・梅子(コワかった学年大会・NA)

12月 紅葉(学年大会・BP)・Aoyama Women’s cup(BP)←後で説明します!

 これらの大会全部については、話さなくてもすごい成績を残した方々が書いてくれているので必要ないかと思います。なので、特に自分の中でのターニングポイントとなった梅子杯の前での練習と、その周辺における自分の変化について書こうかと思います。

 梅子までの大会はとりあえず、目先にある大会のチームを組んでくれた人とのラウンド練を頑張ることしかしていませんでした。毎回の練習の後にペアの人と反省をして、次にどう生かすか、というようなことは話していました。ですが、次のラウンド練では絶対違うモーションを練習することになるので、ちゃんとその反省を活かせていたのか、今思うと良くわからないです。

 こんな感じでラウンドをこなすだけの時間を過ごしつつも、練習には毎週出るようにしていました(大会後はちょっと休んだ時もありました)。ただでさえついていけてないのに、鈍ってしまうのが一番怖かったからです。梅子に出るまで、改善点は数え切れないほどあったのですが、特に問題だったのは、コンストにインポータンスが ‘必ず’ 無い(もはや悲しい)ことと、勝ち筋が見せられていないということでした。このブログを書くにあたり、今までの各ラウンドの記録をチラッと見ましたが、どれを見ても、なんでそれが大事なのかが分からないとか、どこで勝とうとしているかわからない、と言われていたので本当です。それもそのはず、私はインポータンスってそもそも何!!とか、勝ち筋…(とは?)みたいな感じだったので、改善しようにも出来なかったのです。なので、それまでの大会と練習はひたすらモーションをみて、自分の知識の中で「言える」ことに執着したディベートをしていました。そのラウンドの全体を客観的に見ることが少しも出来ていなかったということですね。

 梅子杯という大会に出ると決まった後、プレパ練をしようと先輩に言っていただいて、ペアとプレパしている様子を見てもらいました。(この日、夜0時を過ぎる時間までやっていただきました。感謝です…)その際、プレパ時間を有効に活用しきれていないことを指摘されました。特に自分が得意としていない分野では、「○○って言えると思う」だけしか言えず、思考が停止してしまって時間が経ってしまうことがよくありました。こう考えると、コンストを作ることそのものに問題があったとも言えますね。でも、特にどういう人(事象)が自分のサイドで良くなるの?とか、それってどういう状況で起きるの?など、一つ一つ聞かれる中で、自分に足りなかった視点を少しずつ補っていくことができました。それを繰り返し様々なモーションでやることで、自分のサイドで守りたいものを明らかにしていくことに繋げました。同時にこの視点で相手サイドが何を言うかを考え、このディベートがどういうクラッシュにつながるのか(同じものを守りたいのか、違うものを守ろうとしているのか)見当がつくようになり、勝ち筋を見せることにつながったと思います。

 もう一つの課題は、インポータンスでした。例えば、ジェンダーギャップがヤバくなってしまいます、みたいな流れになった時、それがどう大事なの?インポータンスは?とか聞かれることがよくあったのですが、ジェンダーギャップがヤバくなったらヤバいじゃん!これ以上何を話すことが出来るんだろう、と思ってばかりいて、インポータンスのインポータンスがいまいち分かっていませんでした。でも、これをインパクト、という言葉に置き換えると、なぜかすんなり理解できました。どういうことかと言うと、その「ヤバい事象や現象」が、何に、どういう影響をもたらすのか、という話につなげるということです。この説明が正しいのかわからないし、既に誰かに聞きたいんですが…。急に自信がなくなってきました。いずれにせよ先輩が、これさえできれば学年大会の勝率がぐんと上がる!とおっしゃっていたので、その言葉を信じて必死に理解しようとしました。分かってよかったです。

 こういう練習をしていたら、プレパ時間ってすごく大事だし、これがうまくいくかどうかで結果も大きく変わっちゃう…今まで超無駄に過ごしてきた!ということに気が付きました。そしてこの時から「プレパ練」という新たな練習法を身に付けました。これすごいです。

 他にも色んな課題があったのですが、多すぎる上、説明しても誰得って感じなのでしません。あとちょっとずれますが、先輩(又は経験のある人)と組むことがとてもいい勉強になりました。経験がある人と組むと、どういう目線でディベートを見ればよいのかとか、ちゃんと聞くべきところとかを抑えることが出来るので、「わー…(興奮)」となります。まさにディベートを俯瞰している気分、という表現がぴったりな気がします。あくまでも自分の経験ですが、自分より上手な方に組んでもらうのはとても素敵な経験となるのでおすすめです。(後程先輩と組んで勉強になった話をします)

 そんな感じで徐々にディベートに慣れていきました。コワかった梅子杯も無事に終わり、ちょっと休んだ後に紅葉があったのでそれに向けて適当に練習していました。また適当に練習したのか!!って誰かに怒られそうですね。でも梅子の後では、前よりディベートで勝つことが増えたし、何より今自分がやっているディベートが他のチームとどうぶつかっているのか、前よりわかるようになったので、ラウンド練が怖いものから面白いものに変化しました。あと、この時くらいから仲良くなった部員が増えました。大学生になってからディベート以外の学生コミュニティに属していなかったので、結構嬉しかったです。

3)ウマンズを経験して

 やっとウマンズの話をするに至りました。ここまで長々と個人的な問題を話してしまいましたすみません。

 ウマンズの正式名称はAoyama Women’s Cupです。エレガントな感じのするねこちゃん(?)が目印です。詳細は冒頭の写真をご覧ください。この大会には、性自認がシス男性(自分の心も体も男性である人)以外のすべてのディベータ―が参加できます。ディベート会はどうしても男性が多いので、マイノリティになりがちの人が参加しやすいように!と作られた機会のようです。今年は12月の二週目の日曜日にありました。3ラウンドやって、上位4チームがGFに進みます。レベル感は一概には説明できませんが、ルーキーからすごい人まで、様々な方がいた印象です。怖い大会ではないので、とりあえず誰にでもおすすめです。

 この大会には尊敬するゆりこ先輩と出ました。実はElizabeth cupの時にも組んでいただいたので、チームを組むのは今回が二回目ということになります。言っていいのかわからないですけど、高校時代にゆりこ先輩のことをYoutubeで見たことがあったので、組む(しかも二回!!)となったときはすんごいすんごい驚きました。とてもうれしかったです。

 この大会の直前、お互いに別の大会があったので、あまりラウンド練はできませんでした。でもその代わりにプレパ練はやりました。ウマンズはフェミニズム系のモーションが多く出るという傾向があったようなので、過去の大会の中でもフェミ分野のモーションを重点的にプレパ練をしました。フェミニズムの知識があまりないので、先輩に色々教わりながらプレパ練をしていました。学年大会とはちょっと違った、難しめのものもあり、自分の知識の中では全然わからないことが多かったです。ですが、先輩は経験もあるし知識もあるし、どんなのモーションを通しても、新しいことを教えてもらいました。各1.5~2時間のプレパ練を計3回くらいと、ラウンド練をこちらも3回しました。

 Elizabeth Cupの時はほぼダンプ(言う内容を先輩に全部教えてもらうこと)状態だったので、ウマンズではちょっとくらいその状態を改善したい!と思っていましたが、当日も結局ダンプ状態でした(笑)。余談ですが私たちのチームネームはKana Ishikawa Fanclubでした。お気づきの方もいらっしゃったかもしれませんが、体験入部でペラペラと英語をしゃべり、私をディベートへと導いてくださった先輩とは、UTの長、かな先輩です。R1はいきなりその本人とKDSの先輩が組むチームの、しかもクロージングになってしまいました。もうオーラだけで負けた、、、という気分でしたが、それは良くない!一位狙っていこう!!と二人で意気込んでやりました。

 大会結果は割愛させていただきたいのですが、反省としては確実に自分の力不足のせいで時間を無駄にしてしまっている部分が沢山ありました。ダンプに頼っているため、ペアの先輩がスピーチを考える時間が無くなってしまったりすることが多く、全然だめだなぁと痛感しました。ここでちょっとだけ言い訳をさせてください。今回のウマンズでは予想が外れて全然フェミのモーションが出ませんでした(笑)。でもモーションが事前に分かる大会なんて無いので、これもまた反省です。知識がまだまだなのもそうですが、それとは別に、英語力もヤバいと思いました。今まではごまかせているかなぁと思っていたのですが、モーションのレベルが高くなるにつれて話すことが高度になる上みんなが何を言っているのかあまりわからないし、したがって反論とかもちゃんと出来ない(というか議論を踏まえられない)ので、結構限界を感じました。一年生の大会で結果を残せてうれしい!と思う反面、まだまだ課題が沢山あるということを痛感した今年最後の大会でありました。とても良い戒めになりました。

 

4)ディベートを続けるか、いつも考えてしまいます。

 ディベートをやっていると、何かと理由をつけてやめようと思いたくなる時があります。そもそも自分はそんなに頭良くないし、ストレスは発散するどころかたまっている気もするし、何よりいつか本当に周囲についていけなくなってしまうときが来るんだろうな、と思ってしまい、それがちょっと怖いのです。でもなんとなく、辞めることが出来ません。多分ですが、練習をするたびに自分の無知を思い知るからです。今この問題の核となっていることは何か、どういう人の何が捻じ曲げられているのか。数えればきりがないけれど、そういった細かいことの一つ一つに、自分自身の想像や知識が及ばないことが本当にたくさんです。そしてそれは頭いいとかそれ以前に、自分が知らないということが原因なので、辞める理由にはならないのかなと思います。知らないのと理解できないのは別問題だと思うので、せめて知る努力はせねば…と思います。とはいってもこのブログを読んでわかる通り、自分は呑み込みがほーーーんとに遅い人なので、時間はえらくかかると思いますが、それでも自分自身の新たな知見と思考を広げられる限り、続けたいなと思っています。

 

5)謝辞等

 最後に、KDSの先輩・同期をはじめ練習でお世話になっている他大学の方々、いつもありがとうございます。ラウンド練でとんでもないことしてもいつも優しいし、沢山フィードバックをくださるし、本当にうれしいです。また、普段の練習外でも快くスピーチ練やプレパ練を見てくださったり、ラウンド練もしてくださる方々には特に、ありがたい気持ちでいっぱいです。このような環境で練習できることを幸せに思います。

 それから、今回を含め二度チームを組んでくださった先輩、誘って下さって本当に本当にありがとうございました。自分の能力不足でダンプされた内容を理解できないことがあり、だいぶご迷惑をおかけしました。自分にとっては、先輩と一緒に練習したことが新しい視点を得ることにつながったりしたので、ウマンズに誘っていただけて本当に良かったと思っています。

 まだまだ入学したばっかりの気分なのに、来年は自分が先輩になると思うと、夜も眠れないくらい不安です。今後も皆様のお世話になることが多くあると思いますが、どうぞよろしくお願い致します。


Results of Aoyama Women’s Cup 2020

Grand Finalist: KY (Yukina Hashimoto joint)

Best Speaker:

4th: Yukina Hashimoto

Trainee Best Adjudicator:

2nd: So Ushiroda


紗菜ちゃん、ありがとうござました!