Reach for the Stars

みなさん、こんにちは!今回は多くの国際大会にジャッジとして参加した21期の俊哉さんにジャッジについてのブログを書いていただきました!俊哉さんがジャッジとして参加した大会についてだけではなく、ジャッジのコツ、ACについてなどなど様々な内容がてんこ盛りです!

ジャッジをする人は絶対に読んで下さい!

それでは、どうぞ〜👇👇👇


0.導入

☆前置き

・KDS 21期、経済学部3年の小澤俊哉です。英語パーラメンタリー・ディベートは大学から始め、現時点で2年8か月です。現在は国際大会を中心に参加しています。ちなみにブログを書くのは6回目です。

・今回は特定の大会というより、国際大会にジャッジで多数出場しているということでブログの依頼を11月頃にいただきました。特定の一つの大会やテーマを一つに絞らずに隙間時間を使ってつらつらと書いた結果、また書いている途中で大きな大会に参加した結果、非常に長くなり、KDSブログ史上多分過去最長です。ごめんなさい。読んでくれる方がもしいらっしゃったら、3, 4大会分のブログを書かれたもの(笑)と捉えて分けて読んでみてください。

・過去にブログを読んでかなり役立ったことがたくさんあったので、また書くことで自分の考えを整理できるので、自分なりに書いてみました。

・この時期にジャッジで出た大会も一応触れておきます。まずMalaysian National Intervarsity Debating Championship(以下、Malaysian BP Nationals)はマレーシア版秋Tっていう感じでBP(British Parliamentary)という2 vs 2 vs 2 vs 2形式の学生のインステ縛りのある全国大会です。KIDAは韓国版JPDU的な感じで、KIDA Openは韓国版Japan BPっていう感じの韓国の国際大会です。NEADC (North East Asian Debating Championship)はインステ縛りのあるBP形式の北東アジア大会で、中国、韓国、日本、香港、台湾、マカオ等のインステが参加します。UADC (United Asian Debating Championship)はAsian Parliamentary (以下、AP)という3 vs 3形式のアジア大会で、東南アジア、南アジア、北東アジアなどアジア中の強豪が集います。

・ここに書いたことは僕一個人の見解に過ぎないので、全てを鵜呑みにしないでください。またKDS全体の見解ではありません。僕自身も学んでいる途中なので、まだ力不足でしっかりと実践できていないことも多くあるし、今後、考え方も変わると思います。また人によって様々なアプローチ、自分のスタイルがあると思います。

・文体バラバラになってしまいましたが、ご了承ください。

・僕のジャッジ・ディベート・AC観の体系化に大きく貢献してくださった方々、過去にジャッジ・ディベートしていただいた方々、コメントしていただいた方々、一緒にACを務めさせていただいた方々、参考とした様々な資料を作っていただいたディベーターの方々、ディベートできる環境を整いていただいた執行部や各大会の運営の方々にこの場を借りて感謝申し上げます。

☆ターゲット

1.ジャッジを学びたいと思っている人

2.国際大会でのジャッジに興味ある人

3.ACに興味ある人


Table of Contents

1.ジャッジ編

メモの方法・試合中の動き、OAの形式、OAのちょっとしたコツ、その他テクニック(主にAP形式)、ディスカッション、練習方法、資料、ネットワーク、メンタル・マインドセット、知識系の論題、ハイレベルの試合・接戦

2.国際大会ジャッジ編

国際大会の招待ジャッジでの参加について、その他の大会の雑感、国際大会・メジャー大会に向けての準備、最近の傾向/よくいるジャッジ、国際大会に出ているきっかけ・理由など、今後の長期的目標

3.国際大会AC

NEADCの感想、モーション作成、モーション作成以外の業務、ACになる方法

4.参考資料

注意点、最近のメジャー大会のBriefing、Oral Adjudications、レクチャー日本語の資料ACに関して、国際大会関係のブログ・エッセイ、NEADCのモーション

・長いと思うので、もしよかったら、上に列挙したサブタイトルを検索して気になるところだけ読んでみてください。

※サイト内検索すると、これらのキーワードで探している部分に簡単に移動できます。例えば、Windowsの場合:〔Ctrl〕キーと〔F〕キーを同時に押すと、Macの場合:〔command〕キーと〔F〕キーを同時に押すと、iPhoneの場合、画面の下にある「↑」をタップして「ページを検索」をタップすると、検索ウィンドウが出てきます。そこにキーワードを入力すると検索してくれます。

・こっちの方が見やすいかもしれないので、Google Docsのリンクも添付しておきます。いつか削除するかもしれないので、ご了承ください。

https://docs.google.com/document/d/1brgW_TEH8fMaptz6wN82odtS77C-Jv_-5xWGLcO2Z-0/edit

☆詳しく触れていない内容

・BP自体の具体的なジャッジの方法:既存の資料が充実しているため、また僕自身も現状BPジャッジを学んでいる途中(BPの2日間以上の大会でのジャッジ×3回)であり、まだ満足できる新しい内容を書けなさそうと思ったので、今回、BPは詳しく執筆していないです。もう少し経験を得てから、書くかもしれません。

・既存の日本語の資料で既に言及されている内容:難しいですが、可能な範囲で被りを少なくしました。また既存と同じラベルでも、違う内容を書いたものもあります。例えば、ARP (Average Reasonable Person)とは、具体的にどう分析するか、どうディシジョンを出すか何かなど具体的評価方法は何かなどは今回触れていません。


1.ジャッジについて

・基礎的なAPジャッジの個人的見解に関してはもう書きました。

http://keiodebate.org/blog/taiwan-debate-open-2019/

・基礎的なことは1年半前の自分が書いていたので、エクステンションを頑張って考えました。また日本語だとあんま見かけない内容や英語でも見たことのない内容を頑張って考えたり、無意識にやっていることを言語化したりしました。今までの個人的経験と考察と自己研鑽の積み重ね、また上手いジャッジのOral Adjudication (以下、OA)の分析・観察の積み重ねから書いたものです。ジャッジに関しては、練習で自分のOAやディスカッションのフィードバックを誰かにもらうといった機会があまりなかったので、自己流かもしれないです。

・他にも書ける材料やアイディア、視点があるので、いつか書きます。

☆メモの方法・試合中の動き

ノートの取り方

・Taiwan Debate Open 2019(以下、TDO)のブログでメモについて大体触れましたが、補足します。自分がジャッジしやすいノートの取り方を編み出すのは大事です。あと変化を恐れないのもの大事です。いろいろ試してみましょう。

→TDO 2019(2019年5月)時点:B5ルーズリーフ二等分×4(フロー×3+OA用×1)

→アジ橋 2020(2020年2月)時点:A4白紙(横にして1:2:2:1の比率で折る。2はフロー、1はコメント)×3+B5ルーズリーフ1枚 ※これはYarn (WUDC 2022 DCA)の真似をしました。

→UADC 2020(2020年12月)時点:B5ルーズリーフ8等分(縦2×横4)×2〜4枚(試合の物量に応じて変更)×B5ルーズリーフ二等分(左側にガバの立論/反論、それに対応する右側にオポの立論/反論)×1〜2枚。

・今の形にしたい理由は(1)細かくメモするタイプにとって細かく分けた方が見やすくてよかった・不要なスペースを減らせる、(2)メモが必要ない試合で紙の枚数を相対的に減らせる(一番少なくて三枚、両面使えば1.5枚)、(3)ルーズリーフの方がファイルに保存しやすい(マターを見るため、また反省用に保存したいと最近思ったため)などです。

・何を証明したのか/試みたのかという一つの帰結に対する固まり/サブクエスションごとに線引いてまとめて探しやすくしています。

・よく出てくる言葉、モーションのキーワードは頭文字などを使って省略します。

・UADCなどほとんどのメジャー大会ではIA(以下、招待ジャッジ)もジャッジテスト必須なのですが、今回PCで、Excelを使ってメモ取ってみました。タイピングが遅すぎて本番ではしばらく使えないですが、読みやすいし、訂正できるし、太字や下線などの印もつけられるし、コピペできるし、便利だと思いました。PC派の人も一定数います。

・ペンは青系3色と赤色を使っています。消せるようにフリクションを使っています。太さは0.5mmから0.4mmに変えました。青には気持ちを落ち着かせたり、集中させたりする力があるということなので、1年の5月からなんとなく使っています(笑)プラセボ効果やルーティンによって落ち着く効果もあると思い込んでいます(笑)

 

◎ノートを取る際、意識していること

・聞きながら、理解しながら、考えながら、頭の中で全体の整理をすることも大事です。自分にとってそれをしやすいメモの取り方や頭の動かし方をできるといいと思います。頭の中で、これはどの程度本当か?理由や説明は十分か?これはどの程度exclusiveか?これはどの程度comparativeか?これはどの程度Impactまで落ちているか?これはどちらが相対的に証明できていうか?バイアスが入っていないか?聞いたことがあった分析だとしても説明しているか?この説明の方法や言葉遣いだと度のニュアンスまで取っていいか?これは試合の展開において、どういう意味を持ち、どのくらい重要か?などを自問自答しながら、何かあったら簡潔にメモしています。

・またPotentialがあるものに関しては十分か、何が足りないのかを注意しています。同時並行で全部考えるのはさすがに無理なので、論題や議論、分析によってどのような注意が必要か優先順位をつけながら、自問自答しています。特にディベーターは自分に都合よいことを言うことが多いので、十分ロジックがあるか、矛盾がないかを注意する必要があります。

・僕の場合は何か思ったら、線を引いたり、印をつけたり、コメントを別の色で書いたりしています。添削するイメージで聞いています。レベルの高い試合や物量の多い試合になればなるほど、この力、マルチタスクする力も大事だと感じています。

・試合や練習で繰り返す中で定着させていくといいと思います。

 

☆OAの形式

◎BP OAの型(比較の順番のみ)

・例は僕がOAを聞いたことあるジャッジ、かつその時点でやっていたOAの形式なので、その時々によって変えているかもしれません。有名ジャッジでも色々ありますし、人それぞれのスタイルがあると思います。試行錯誤を重ね、自分に合ったものを選ぶのがいいと思います。

・僕は個人的に試合の展開によって(1)~(3)を使い分けたり、組み合わせたりしています。

・比較の中身、BPの評価方法をどうすればいいかに関しては僕も研究中・考察中なので、今回は割愛します。

(1) Bottom to Top. 4 vs 3, 3 vs 2, 2 vs 1+必要に応じてプラスα

⇒一番ベーシックの型。+:ディベーター的にわかりやすい。時間内に収まりやすい。クリアな試合だと有効。-:ディベーターが直接比較されていなかったチームとクロースだと思っている場合、不満を招く恐れがある。特定のチームとの比較や反論などが省かれてしまう場合がある。

  1. ex) Dominic Guinane (Doxbridge Worlds 2021 DCA), Ameera Moore (WUDC 2019 CA), Sher May Nar (ABP 2020 DCA)

(2) Opening Half, CG (VS OG, OO), CO (VS OG, OO, CG)

⇒OpeningをAsianのようにクラッシュで整理してジャッジ・評価し、その後CGとCOを持ってくるパターン。+:エクステンションのメタ的な評価が伝わりやすい。オープニングの評価が丁寧になりやすい。クロージングのオープニングに対する入り方が上手い試合だと有効。-:使い方を間違えると、クロージングを過大評価してしまう場合があるので、注意が必要。時間はかかりやすい。

  1. ex) Connor O’Brien (WUDC 2021 DCA), とうた (Doxbridge Worlds 2021 DCA)

(3) 全比較(6つの比較全部に言及)

⇒+:丁寧にすべての比較がカバーされるので、満足度が高くなりやすい。全体的にクロースな試合の場合は有効な気がする。―:説明や整理に時間がかかる。重複する部分、繰り返しとなる部分が出る。

  1. ex) Parth Maniktala (ABP 2019 DCA), Enting Lee (WUDC 2022 CA), Khalis Khalid (ABP 2020 CA), 田村さん(UADC 2020 DCA)

(4)クラッシュベース

⇒+:自分の話が試合において、どういう意味を持ったのか?他のチームの話とかかわりを持ったのか?わかりやすい。-:長くなりやすいい。ディベーター視点だと、行ったり来たりするため、ずっと集中して聞いていないといけなくて大変。チーム間の比較、順位の付き方がわかりにくい。

  1. ex) Reed (WUDC Breaking Adj.), Andrei Brunei (NDC 2018 AC)

(4)その他

Patrick Cheang (ABP 2019 DCA) (重視したクラッシュを明示してから、全比較)

BPの比較をする際にチームが言ったことの言及方法

(1)先に細かく言ってから評価や他のチームの比較をいうパターン。

(2)先に簡潔に言ってから評価や他のチームとの比較の中で細かくというパターン。

(3)最初から他のチームとの比較に入るパターン。それぞれのラベルの中で詳しく言うパターン。

※具体的なBPのOAの構成は田村さんの資料(説得的なRFD(p.25-29))が参考になります。ジャッジの仕方、BPのジャッジの仕方、練習方法も大変参考になります。https://drive.google.com/file/d/11mvRphGr2t4dGt_QEcoDAjcZMhZzHsZA/view

 

◎AP OAの型(全体)

・ダブりを避けるために必要に応じて省略する。特にUADCのように時間制限が厳しい場合や試合の物量が多い場合は効率よく、ダブりを最小限にする必要がある。ディベーターが言っていたことに時間をかけすぎないように注意する。

・以下は僕が基本的に取っている形なので、他にもあると思います。

・ネット上に公開されている3 VS 3のOAだと、MDGのもの(例:https://www.youtube.com/watch?v=SpqAeIcp6YA)が参考になると思います。試合の音源がないのが残念ですが…

 

1.導入

(1) General Comment. ジャッジにとって難しくなった理由やDecisionにおいて重要になったポイントに関して主に触れます。(UADCでは時間の関係で省略し、試合後個人フィードバックで対応。)TDOのブログで意識していることを書きました。

(2)Decisionを言う。Marginにも言及する。そうなった理由を軽く言う。

(3)見たIssueのサインポストを言う。ディベートと一緒で粒度の高いクラッシュにする。ただ違いとしては中立的な響きのものにする。Issueはディベートの展開によって適切なものや正当なものを選ぶ。

(4)それぞれの簡単な帰結やDecisionにおける重要性に言及。また簡潔なJustificationの概要に言及。例)I would like to justify this verdict based on the following N issues. Number 1: Whether A? This was taken by GOV and became the most decisive issue given that A. Number 2: Which side better B? This issue didn’t become a decisive issue given that GOV was effectively able to respond to OPP…; Although this was taken by OPP, this issue didn’t become a decisive issue given that the impact of A were unclear in comparison to B…など

2.Issue

・Issue内の構成はその状況によって使い分ける、構成する、省略する。実際はこれ全てをやっていない。

・多くの場合、試合で使われたものを参考にしつつ、テーマやクラッシュ、アクターごとによって整理する。

・立論と反論の区別がつかない場合が多いので、立論を反論やCounter-analyses捉えてまとめて触れるときもある。

・反論は分析ごとに整理する。分析①に対する反論① i, ii, iii…とそれぞれの評価、分析②に対する反論② i, ii, iii…とそれぞれの評価など。

・ディベーターが追いやすいようにナンバリングをする。

・Why true? (Plausibility)とWhy important? (Importance) などを評価したり、ARPを意識したりして評価する。具体的ジャッジ方法はあまり今回触れていないですが、他の資料に書いてあるようなことを意識して評価していくといいです。

・以下のパターンは単純化したものです。状況によって変えます。

〇Issue内パターン①

(1)Issueの掲示

(2)そのIssueを見た理由を簡潔に言及

(3)勝ったチームのArgumentを簡潔に言及。What were the responses (counter-analyses) coming from B? And why were they insufficient to override the analyses from A?

(4) 負けたチームの反論/立論① (a)反論の中身、何に対してかに言及(b)それに対する評価(立論の評価も交えつつ)、 (c)(あれば)再反論/再々々反論に言及・評価、 (d)結論・このInteractionの結果・そのディベートにおける意味

(5)反論/立論②、③、④…、(a)-(d)同様

(6)(あれば)反論が来ていないかった立論/Analysesに対する評価・結論・そのディベートにおける意味:強いもの

(7)このIssueの結論

(8)Decisionへの影響、このIssueやMetricの重要性

〇Issue内パターン②

(1)Issueの掲示

(2)そのIssueを見た理由、重要な理由、重要ではなかった理由を簡潔に言及

(3)負けたチームのArgumentを簡潔に言及。

What were the responses and counter-analyses coming from A? And how did they override the analyses?

(4)反論/立論① (a)反論の中身、何に対してかに言及(b)それに対する評価(立論の評価も交えつつ)、 (c)(あれば)再反論/再々々反論に言及・評価、 (d)結論・このInteractionの結果・そのディベートにおける意味

(5)反論/立論②、③、④…、(a)-(f)同様

(6)(あれば)反論が来ていないかった立論/Analysesに対する評価・結論・そのディベートにおける意味:なぜ不十分だったのか?

(7)このIssueの結論

(8)Decisionへの影響、このIssueやMetricの重要性

〇Issue内パターン③

(1)Issueの掲示

(2)そのIssueを見た理由、重要な理由、重要ではなかった理由を簡潔に言及

(3)パターン①と②の(3)-(5)をそれぞれのIssue内の立論に関して行う

(4)それぞれの立論やInteractionの「最終形」の相対的な評価を示す。また最終的にどう見たのか(比較、反論、メタ的視点、最終的な完成度のレベルなど)を説明する。

(5)このIssueの結論

(6)Decisionへの影響、このIssueやMetricの重要性

 

3.結論

(1)(必要な場合、)Issue間の優劣を述べる。最終的にどう見たのか(比較、反論、メタ的視点、最終的な完成度のレベルなど)を説明する。

(2)(時間あったら、)簡潔なJustificationの概要に言及。

☆OAのちょっとしたコ

・イントロで舐められないように慣れている感を出すことは地味に大事です。“Thank you for a good debate. My name is A from B. I am invited adjudicator of this tournament and I was chairing this round.”といった感じで、私は招待ジャッジだって言うのも戦略としてはありです。UADCなど最近のオンライン大会はIA率かなり高いし、あまり関係ないかもしれません。有名人になれれば、これも必要なくなるのかもしれません。

・褒める部分があったら褒める。スコアとか気にしている人多いから、割と有効ではある。Nicolas Lozano(Australs 2020 Best Adjudicator, UADC 2021 CA) はAustrals にジャッジしてもらった際、Above averageだと思った理由みたいなのものを最後に三つくらい言っていて印象的でした。適当に褒めると胡散臭いけれど、こうしてSpecificに褒めればいいかもしれないです。あとはスコアにも反映したアピールはありだと思います。(Thank you for an excellent debate. I thought this was an above average debate in terms of A. The score will obviously reflect that.)

・ジャッジしにくい試合だったら正直に言う。その理由をジェネコメに反映する。どのレイヤーの議論が重要であったか、この試合で足りなかったかを明らかにしておくといいかも。

・RFD (Reasons for decisions)っていう略はあまり日本以外で聞かないので、海外では避けたほうがいいかもしれない。代わりはJustification, Why I reached the decisionsなど。

・勝手に解釈していると思われないように、なるべくディベーターの使った言葉を使う。

・聞きやすいように多少抑揚をつけたり、論理的展開に重要な単語を強調したりするのは意外と大事です。例えば、「この分析に対してこういう反論がありました。“BUT”, “HOWEVER,”これに対してはこういう問題、再反論がありました。」別の例だと、「結論を言うときに“Given this, IN COLUSION,”こういう結論になりました。」

・“Given this, the important question became whether A?”, “Why did this point become important in this round?” など質問で流れを作るのも一つの手です。

・反論や立論などを引用するときの柔らかい言い方は “It was fair for OPP to claim that A”, “It was reasonable for GOV to suggest that A”などはあります。

・個人的にマナー面に関しては、レトリックやプレゼン力、発音のきれいさといった意味の英語力でOAをきれいにできるタイプではないので、構造的・論理的わかりやすさを追求しています。

☆その他テクニック(主にAP形式)

・議論の「最終形」、あるいはその試合で出てきた通りの議論に評価の結論までの「プロセス」に基づき、PlausibilityやImportanceの評価を下すことが大事です。反論されたArgumentを追い続け、ディベートの進展を追っていくのが重要です。反論はどの程度効果的だったか?あるいはどの程度効果的でなかったか?再反論はどうだったか?進展が少なかったけど、残っている部分はどうだったか?どの程度まで取られているか?をメタも意識しながら、一つ一つ検証していき、それぞれなぜそう見たのかを整理していくイメージです。OAではこの流れを解説できれば、そのディシジョンに至ったプロセスが明快になり、自分の見方を相手に最低限理解してもらえる、上手くいけば納得してもらえると思います。

・こういう評価をするときは0か100か、取れるか取れないかだけでなく、「グラデ―ション」で評価するのが大事だと思います。AP形式だと拮抗する接戦が多いので、よりその意識が大事です。どの程度、どのExtentまでかの言語化ができると理解が深まると思います。

・コンテクストやセットアップ、バーデンの認識で両チームにずれが生じた際は(1)まずどちらの方がこれを正当化できていたかに着目するといいです。細かく見ると完全なるtieとなっていない時はよくあります。(2)また大きく優劣をつけるのが難しい場合は、場合分けして話す、あるいは両方が成立する前提で話すというのが確実だと思います。

・リプライで触れていた内容は必ずOAで触れるというのが割と有効です。もちろんNewだったら正直に言って反映しないか、Even if を付けて説明します。わざわざリプライで言うということはチームとして押したい分析や見方であるため、またリプライをやっている人はチームの中心の人、即ちジャッジの点数を付ける人であることが多いため、触れるのは点数を伸ばす上で重要。もちろんリプライ以外で重要な内容にも触れる。

・負けた側のチームが思っているだろう反論、負けた側のチームを投票する場合にあり得る見方、基準を棄却できるといいと思います。I do credit that GOV/OPP was able to prove A but B, I do concede that GOV/OPP was not able to A but B, Even if I assume A,というフレームで自分の見方を正当化できるとより説得力が増すと思います。

・気を付けた方がいい言葉や評価基準は“Realistic/Unrealistic”, “Relevant/Irrelevant”です。前者は主観的になってしまい説得的な正当化が難しいし、何がRealisticかはその人の経験やバックグラウンド、価値観で大きく変わってしまうからです。“Relevant/Irrelevant”は言いたいことを抽象化すると、そう表現できる状況があるかもしれませんが、この表現だと正確に伝わらなかったり、主観的に聞こえたりする恐れがあるので、この単語単体で説明するのは危険です。なぜそう思ったかは公平な理由で正当化する必要があります。

☆ディスカッション

・パネルの経験のサンプルがあんまり多くないので、チェア視点で書きます。パネルに関してはこの資料が参考になります。

⇒How to be a good / useful wing judge (BP format)

https://docs.google.com/document/d/17ayx1E7ycLXRxZeeOnrePy7bKgS8w9NXEYpO7gKzn5s/edit?fbclid=IwAR37r2vDRmHVF8xUTfhU61dsFWBighSw5MtZziiiSg0lVLvwraCgtgPX9S0

・チェアとパネルで共通して大事なのは、簡潔に意見を言うこと、どこ指しているかわかるようにすること、ディベーターが言ったこととジャッジとしての評価を分けること、持ち時間を守ることが大事。また意見順番に言う時に、自分の用意したことを言って終わるのではなく、自分より前の人の見方にコメントをつけたり、違いを言ったり、自分の見方の方が正しいと思う理由を言ったり、被っているところを省略したりしてなるべくディスカッションを発展させる意識は大事。

・時間を測って予定を立てる。時間を守る。大会運営もあるし、過度に時間を超えるのは不公平である。

・どのパネルにもしっかりとフェアに時間を与え、正当な評価をできるようにする。またパネルを「競争相手」じゃなくてベストな結果を導くための「仲間」だという認識を持った方がいい。自信がないところや迷っているところ、わからないところをお互いに協力し、補完し合えるのがベストである。もちろん全く意見が合わない時もあるが、そういう時はお互いにリスペクトを持って傾聴する。合意できなかったら、投票する。

・どういうシナリオにしたいか想定した上で戦略的にディスカッションの順番を決める。正解はないけれど、時間内に収めつつ、納得のいく結果で同意するためには、戦略的に意図をもって進めるのが大事。

例)チェア:CO>OG>OO>CG、パネル①:CO>CG>OO>OG、パネル②:CO>OO>OG>CGの時、何から始めるかとなった時、チェアの視点では例えば以下のようなディスカッションの方向性があり得る。

⇒選択肢①:OG VS OOの話し合いから始めて、オープニングハーフの評価を確認する。オープニングハーフのダイナミックス、OGの評価に基づいてCGの評価は変わってくるので、結果的にCGの見方が変わるかもという意図もあり得る。

⇒選択肢②:CGの話し合いから始めて、CGの認識や評価を改めて確認し、できればCG4位のコンセンサスを得る。パネル①のCGの見方で大事な部分の見落としがある恐れがあるときとかあり。また一人のパネルということでOG VS OOよりスムーズに住む可能性が高いという意図もあり得る。その後、OG VS OOに進む。

・ディスカッションが発展するようにマネジメントを行う。試合や時間の状況によって、どのくらい丁寧にやるかは変わる。ここを自由にやってしまうと時間をオーバーする可能性が高いし、不満を持つジャッジも多くなる。

例)比較①(OG VS OO):マイノリティーの意見→マジョリティーの意見→マイノリティーのそれに対するコメント/意見変えるかの確認など、比較②(CG VS OG)などなど

・どれがベストか試合の細かい状況や自分の好みによって変わってくるが、意図をもって話し合いをリードし、効率的で皆が納得でき、時間内に終わるような話し合いを導くのはチェアとして理想だし、重要な仕事である。

☆練習方法

・理論を学びつつ、実践をしっかりと重ねることが大切です。実際適用することで合う・合わない部分や気づきなどあります。

・ディベート同様、考えて練習することが大事。基本は(1)現状分析、(2)短期的・長期的目標・具体的に直したいこと、(3)改善方法・意識することを定期的に整理するといいと思います。

・ジャッジが上手い、BPが上手いディベーターにフィードバックをもらうのはとてもためになる。またディベーターの時も、試合後にジャッジ視点で考えて、他のジャッジがフィードバックされているのを聞いてメモっておくと役に立つ。

・反省点や各チームからもらったフィードバックや点数をスプレッドシートに記録しておくと、自分の傾向、よくあるミスが見返すことできます。あとから見た方が響いたり、意味が分かったり、全体的課題や傾向が見えたりすることもよくあります。

・僕は個人的に試合に出て練習する方が好みです。緊張感あって競争があったり、自分のことを全く知らない相手をジャッジして素直な評価を受けられたり、自分と違うサーキットの出身の人とジャッジできたりするのに意味を感じたので、試合に出てジャッジしていました。あと単純に平日は時間なかったり、ディベートの方の大会に向けた練習をやる必要があったりというのもありました。

・低い点数をつけていたチームの納得していなかったポイントを踏まえ、どうジャッジや説明方法や言葉遣いを改善できるかを考える。

・ジャッジやOAが上手い人のOAを聴いて分析する。OAの構成や立論/反論の評価方法/評価基準、説明の加減、言葉遣いを研究し、真似できそうなのは真似する。

・自分のOAを録音し、よかった部分と悪かった部分を批判的に評価する。癖やわかりにくいところを分析する。意識していた課題やテーマが達成できているかを確認する。

・また比較的上手くいった時のOAを聞いて、何がよかったのかを分析する。無意識にできていることを意識的にできるようになるのはパフォーマンスの安定化につながる。僕の場合、Maxx(Taylor’sのコーチ)に褒めてもらったTDO 2019 R3の自分のOAを時々聞きます。今の方が上手くなったと思うが、原点回帰にはなる。

 

☆資料

・国内外の資料15個以上読んだり、見たり、メモしたりしました。似たようなこと言っていますが、新しい発見もあります。特にオンライン化になってから、ディベートもジャッジも海外の資料はより充実しています。最近、僕はかなりこれらを通じて勉強しています。後ろにジャッジに関する参考資料リストを添付しておきます。

・特にWUDCやEUDCなどのBriefingを読むのも本当に大事です。結構詳しく載っています。Contradiction, Knifing, POI, Rebuttal, Definition Challenge, Facts/Knowledgeの扱い方などなどなんとなく聞いたことある言葉でも、公式のルールを知っていますか。わからない部分や不安な部分を確認できたり、読んでいて勉強になったりします。気分転換のために違うのを時々読んでいます。後ろにいくつか載せておきます。

例)“Contradictions within the same speech or within the same team

Teams cannot be credited for two mutually exclusive claims. They may only be credited for the first claim they have advanced. Subsequent claims which contradict or cannot coexist alongside the first claim should not be credited by the judges and opposing teams. This is due to the fact that internally inconsistent teams cannot simultaneously get credit for two areas of mutually exclusive argument.

Direct contradictions also reduce the overall persuasiveness of a team’s case. In addition to not crediting contradictory claims, judges may also consider the extent to which the contradiction has undermined the strength of the team’s arguments when determining the team’s contribution to the debate.” (WUDC 2020 Judging/Debating Manual)

 

☆ネットワーク

・海外の人とのコネクションを作ることは大事です。しっかりと名前を知ってもらい、できれば、うまい、いい人、信頼できる人、守りたい人と認識してもらうことが大事です。

・ディベーターが知り合いの場合は気にかけてくれたり、信用して聞いてくれたりで点数が変わることもあると思います。(個人的に反例もあり。でも、仕方ない。)あと落ち着いてジャッジできるので、パフォーマンスも少し上がると思います。僕も今回の予選でジャッジした半分くらいは前から知り合いでした。

・単純に知り合いいると、個人的に大会が楽しいです。メッセージでやり取りし、祝福できて嬉しいです。よく一緒に練習しているUTDSの三人の快挙もとても嬉しかったです。あとNTUの友達が初のメジャー大会のオープンブレイクを達成していて嬉しかったです。

・ACが知り合いの場合は、Tab上で気にかけてくれることもあります。また重要な部屋で使ってもらえる可能性も高まります。

☆メンタル・マインドセット

・自分なりのフィロソフィーを持つ。ディベーターが自分のスタイルがあるように、ジャッジも自分なりのフィロソフィー、スタイル、OAのスタイルを持てると楽しいし、やりがいあるかなと思います。例えば、僕の場合は細かく立論・反論を精査しつつ、全体を俯瞰するというのが自分のスタイルだと感じています。細かくInteractionを分析するのが自分の持ち味だという軸ができてから、前より安定してきたと思いますし、ジャッジが前より楽しくなりました。

・自分がしてもらってうれしいことをするという考え方やあるジャッジから丁寧なフィードバックがもらえて嬉しかった経験から、聞かれた時はフィードバックをなるべく丁寧に送るというのを最近は心掛けています。毎回、これを貫くのは時間の都合上難しいこともありますが、自分の実力やキャパの範囲で質は保とうというのを心掛けています。UADCではワードでいうと30ページ以上相当のフィードバックを書きました。主に意識したのは続けるべきことと改善点の両方を書くこと、一般化した改善方法(Impactingの仕方やPrincipleの立て方、チームの特徴など)と試合における具体的改善方法の両方を書くことです。

・一年生の時から非常に緊張しやすい性格で、スピーチのパフォーマンスにかなり響いていました(スピーチが数秒止まったり、手や声が震えたり、思考停止したり、バブルラウンドで頻繁に負けたりなど)。最近は本気に取り組んでいたり、練習を頑張っていたりするからこその緊張感だと考えるようにしています。難しいですが、自分なりのマインドセットやメンタルリセットの方法を試行錯誤していくといいと思います。例えば、決まったペンやメモの取り方を使ったり、プレパやスピーチ中のルーティンを作ったりするのもありだと思います。またオンライン化のおかげで落ち着きやすくなったと感じます。まだ弱い部分がありますが、最近は前よりはメンタル面がよくなり、力を発揮しやすくなったと思います。

・ディベートと一緒でショックな出来事(点数がとても低い、ディベーターが怒ってそうなど)は定期的にありますが、そういう時は、そういう時もある、仕方ない、貴重な経験、成長の過程・チャンスなどと捉えるようにしています。また人生かかっていないし、趣味の一種ではあるし、深刻に見すぎないようにしています。

☆知識系の論題

・国際関係や国際政治、特定の国の政治などの知識のウェイトが高い論題の試合

・日頃から主要メディアサイトをチェックし、リサーチを重ねたり、最近の大会で出ているトピックやモーションをチェックしたりするといいです。今回のUADCではアメリカ政治や中東政治などが出ましたが、ほとんどの論題に関して、関連モーションを見たことがあり、前提知識をわかっていて余裕を持って焦らずにジャッジができました。知識の扱い方には注意が必要ですが(これも是非WUDC Briefing参照してください)、知らないと固有名詞や議論についていくのに混乱するし、あった方がジャッジの質を高めるために確実にいいと思います。知らないと、OAとかでも発音で困ったり、言い間違えが起きたりしまう可能性があります。特にメジャー大会だとそれなりに出るので、知識はあった方がいいです。

・何も知らない、やばい、ピンチってなったら、プレパの時間でググってその国の政治的権力者や制度など最低限のことは把握しておくと少し助かるかと思います(ジャッジなら大丈夫のはず)。今はオンラインなので難しいですが、周りの知り合いのジャッジに聞くのもいいと思います。もちろんそれに捉えられるのではなく、しっかりその試合の議論そのままをバイアスなしでジャッジするのは大事です。

・こういう論題では、ディベーターには丁寧に説明してほしいし、固有名詞を挙げているだけで終わっているもので経緯や内容などが説明不足なものは、(詳しい知識が持っていたおかげで仮にくみ取れたとしても、)取らないようにしています。マレーシア政治の論題をMalaysian BP Nationals GFでやったのですが、そこであるチームの評価が割れた際、知識に左右されているのではないかと指摘しつつ、なぜ取れなかったのか、どう説明不足なのかを説明したら、某WUDC Breaking Adjudicator兼その大会のACは納得してくれました。一方で、ちゃんと具体例を使いつつ、その中身やimplication、logicを説明したチームが個人的に優勝していました(4-3スプリット)。

・個人的にはファクトの中身やimplicationさえを十分に説明してもらえれば十分だと捉えることが多いですが、ロジックも徹底的に要求するジャッジも最近増えていると感じていますので、ディベートする際は注意しましょう。僕も時々それで負けています(笑)

☆ハイレベルの試合・接戦

・最近だと、Malaysian BP Nationals 2020 R3 トップラウンド, NEADC 2020 SF/GF, UADC 2020 R4/R7(上から2番目のラウンド)/OF(予選20位 VS 4位)/QF(予選5位 VS 4位)/SF(予選1位 VS 5位)/GF(予選1位 VS 3位)あたりがそういう試合でした。

・中にはディシジョンが比較的クリアに出るラウンドもありましたが、UADCのOF, QF, SF, GFどれも接戦でしたね。一年半前にジャッジでの大会参加がまだ二回目だったTDO のR3や SF、GFの時は余裕が正直なかったですが、UADCの時点では前よりこのような試合への対応力が上がったと思います。TDO の時は想定外でその場でどうにかしましたが、こういう試合に対する現在の対応方法やマインドセットに触れておきます。

・このような試合以外でも大事ですが、マインドセットとしては適度に緊張感を持ちつつ、怯えないようにするのがいいと思います。強いチームでも意外と大事な部分の話が薄くなったり、大事な話をドロップしたり、ミスをしていたりしている時、思っていたよりレベルが高くならない時があるので、焦らず、それを冷静に説明すると納得してくる人が多いです。また負けをつけることができるってことは説得しきれていない部分、至らない部分があったということで、そこはディベーターにも責任があります。

・練習を重ねたり、場数を踏んで慣れたりすることは大事です。上手いチームの場合は火力があるし、新しいニュアンスやフレーム、反論、分析が出続けてディベートが発展し続けるので、試合中の思考プロセスや自問自答(※メモの方法を参考)をより頭の回転を上げたり、メモをよりたくさん取ったり、あるいはキーワードだけメモするなど効率よくとったりしないといけないです。こういった処理能力を高めるには実際場数を踏む中でコツに気づいたり、慣れたりしていくのが大事です。ブレイクラウンドを観戦しつつジャッジしてみたり、音源でジャッジしてみたり、もし機会があったら大会でそういう試合ジャッジしてみたりしていくと徐々に見えてきます。

・特に今のトレンドだと、一つの帰結やサブクエスチョンに対しての分析量が多いことが多いので、目の前ことに必死になって終わるのではなく、どういう帰結なのかを意識するのが特に物量が多い試合だとより大事です。本当に強いチームはそれをわかりやすくしてくれることが多いです。またディベートの展開やクラッシュ、相手の話に対してどういう意味を持つかのメタを見失わないように意識することが大事なポイントです。

・上手いチームはウィップやリプライが見てほしいクラッシュやメトリックをきれいに整理してくれたり、相手の主な話を整理しながら反論したりすることが多いので、それを批判的に聞きつつ、妥当な整理方法は参考にするといいです。また自分が何かドロップしていないか、勘違いしていないかを確認もできます。

・こういう試合はChallengingですが、ジャッジが面白いと感じました。また説得できると嬉しいです。

 

2.国際大会ジャッジ編

☆国際大会の招待ジャッジでの参加について

・多分日本サーキットの中でも、国際大会でのジャッジ経験が多めだと思うので、書いてみます。

◎選ばれる方法

・招待ジャッジ(以下、IA)は募集されることが多く、過去のジャッジとディベーターのCVを提出して、それに基づいて選ばれます。またACがその人を知っている場合、その人の知っている情報に基づいて決まる場合もあります。

◎探す方法

・各国のサーキットのグループ(Asia Debating, Singapore Debaters, Malaysian Debaters, Australia Debating, Europe and IONA Debating, British Parliamentary Debate in North America – Organizing Forumなど)に入る。大会を探してイベントページに「いいね」や「興味あり」を押して、情報を集める。

◎選ぶ基準

・ACのメンバー(知り合いになりたい、ジャッジを一緒にしたいなど)、大会参加者(スピーチを見たい、知り合いになりたい)知りたいサーキットの文化・価値観(ディベートに生かすために各国の傾向や最近の傾向を掴みたい、各国のスピーチを見てみたい)、報酬の金額(ない場合、平均は2日で4000~5000円、一番いい大会だと1試合1900円or1日5000円くらい)、IAの通りやすさ(競争ありそうか?報酬高い方がやっぱ通りにくいことが多い笑)、大会のレベル(ローカル大会やUADC・ABP等のメジャー大会、強豪国の大会など)、参加する目的、運営の信頼度(過去の開催実績、遅延の状況)など

 

◎目標/計画

・どういう順序で出るか、どういう目的で出るか、どういうステップで出るかを考えてみるといいと思います。例えば、僕の場合はNEADCを除いて国際大会のジャッジでの出場に関してどういうプロセスだったのか、どういう意図だったのかを書きます。全体的な傾向としては徐々にレベルアップしたり、時期によってテーマを盛ったりするように心がけています。

(1) 1年生3月:ICUT 個人ジャッジ

⇒例年1年生がブレイクしている。先輩の勧め。APの大会から始めて、細かく丁寧にコンストのバーデンや反論を見る意識をつける。結果:Break, 10th Best, Pre-QF。

(2) 2年生5月:Taiwan Debate Open 提供ジャッジ

⇒レベルは上がるが、ここ数年日本人ジャッジが2人前後ブレイクしている。海外で実力を試したい。結果:Break, AC含めてOverall Best, GF Judge。詳細はKDSブログに書きました。(http://keiodebate.org/blog/taiwan-debate-open-2019/

(3) 3年生8月:MIDP Youth Debate Open・11月:Malaysian BP Nationals IA

⇒東南アジアの大会でのジャッジを経験してみたい。BPの大会でのGF Judgeを目指しつつ、BPの理解を深めてディベートに生かす。結果:両方Break, AC含めて6th Best, GF Judge。

(4) 3年生11月:KIDA Open IA

⇒NEADCに向けての練習。比較的苦手な意識やトラウマのある韓国サーキットにあえて挑戦。BPのOAの方法の試行錯誤。結果:Break, 途中噛みつかれてあまり点数が取れなかったけれど、NEADCにこの経験を生かせたと思います。

(5) 3年生12月:UADC IA

⇒メジャー大会への初のジャッジでの挑戦。4年間の目標であるメジャー大会ACに向けてのステップ。結果:Break, 11th Best(10位までのジャッジプライズにぎりぎり届かず), Judge Test 7.5点/4th tie(3位までのShadow ACにぎりぎり届かず), GF Judge

(6)今後:

⇒BPのメジャー大会のジャッジやあまり触れたことがないサーキットでジャッジをしようかなと思っています。

⇒AC意外とあまりやっていないので、もしお誘いがあったら、国際大会のACを務めて経験を積んでいきたいです。と書いた後にいくつかオファーがあったので、頑張りたいと思います。

◎その他

・提供ジャッジや補助なしのIndependent Adjudicatorで実績をまず何か得る必要あります。ディベーターの実績で通る場合もあります。

・ジャッジテストがある大会ではその成績で実績なくてもチェアスタートできる場合があります。僕の場合、ICUT 2019に出た際、ジャッジテストが7点だった関係で初めての試合でのジャッジだったのに、単チェアスタートでした。

☆その他の大会の雑感

◎MIDP Youth Debate Open 2020

・初めてのBPの二日間大会のジャッジですし、まだコツを掴んでいなくて大してよくなかったかなと感じています。課題の把握として意義ある大会になったと思います。見つかった課題は(1)チェアの際のファシリテーション能力、(2)BPのOAの整理方法などです。

・Sourodip Paul (ABP 2020 CA)とOpen SFをジャッジしましたが、Contextを非常に重視していると感じました。モーションの要求するContextの文脈で話すのは重要ですが、よりそれを重視していると感じました。バングラデッシュチームはContextを重視して戦っているイメージがあったので、やはりディベートの文化の違いもあるのかなと感じました。

・GFもジャッジしましたが、Ateneo(両者ともにUADC優勝経験のあるDavidとJaime)の圧勝で、イニシャルから全票集めていました。Argumentもしっかりと詰まっているし、切り口やサインポスト、sub questionもわかりやすいし、見習おうと思いました。

◎Malaysian BP Nationals 2020 (Malaysian National Intervarsity Debating Championship 2020)

・R3で直前までACがアロケされていたトップラウンドになぜかアロケされましたが、結構点数良くて(マレーシア基準)、フィードバックの内容も良くて自信になりました。今大会、立論/反論の評価が納得されることが多くてUADCに向けて自信になりました。

・GFが4(OG)-3(OO)で割れて熱い展開でした。僕はOGでした。時間が足りなくなって(チェアの時間配分のミスで)議論しきれていない部分がありますが、割れた理由は(1)問題解決時にGovの分かりやすい解決できたかという説明責任を重視するかの違い、(2)一般的ロジックのみのArgumentの評価の違い、(3)マレーシア政治の背景知識から生じるArgumentの評価の違い、(4)プリンシンプルの取り方などかなって考えています。一部それ以外が理由(になっていそうな人もいました。

◎KIDA Open 2020

・ブレイクはしたものの、過去最低の結果でした。おそらく超低い点数をR2かR3あたりに誰かからつけられてしまったと思います。BPのOAの整理方法の質にまだ問題があると感じていたので、ぐちゃぐちゃにならないようにNEADCまで反省を生かせるように意識しました。韓国サーキットのディベート観と相性が前から悪かったので、価値観が違う中でも、どう伝えればいいかを考えるようにしました。うまくいかない経験もなければ成長はできないですし、NEADCに生かせたと思うので、いい成長の機会となりました。

・R2でHyewon Rho (WUDC 2017 DCA)をジャッジしましたが、クロージングからのエクステンションを試合のメタにおける重要性をフレーミングして説明するのがうまいと感じました。SF, GFもクロージングで最終的に優勝していました。ジャッジはしてなくて、なんとなくしか聞いていなかったので、はっきりとはわかりませんが、クロースな試合でもそういうのがあるとジャッジもディスカッションで使いやすいし、有効なのかなと感じました。

◎UADC 2020

・目標はジャッジブレイク、Open GF Judge、Judgeプライズ(ACを除いてトップ10)、Shadow AC(ジャッジテストTop3くらい)と設定していました。結果はジャッジブレイクと GF Judge は達成できた一方で、11th Best Judge(10位までのジャッジプライズに平均0.1点差で、8試合あと1点弱足りず、ぎりぎり届かず), Judge Test 7.5点/4th tie(3位までのShadow ACにぎりぎり届かず)他の二つはぎりぎり達成できませんでした。素直に嬉しい結果である反面、ぎりぎりだったこともあり、悔しい部分もありました。今回見つかった課題を今後に生かしていきたいです。

・予選8試合、ブレイクラウンド5試合(Open Pre-OF~GF、ほぼフル回転でした。EFL GFもチェアの予定だったので、もう少しで完全制覇でしたが(笑)、諸事情によりアロケが変わりました。UADC 2020 R4/R7(ともに上から2番目のラウンド)/QF(予選4位Ateneo 3 VS5位Taylor’s A)/SF(予選5位Taylor’s A VS1位IBA DU 1)/GF(予選3位Ateneo 1 VS Taylor’s A)などハイレベルな部屋見ました。

・常にバブルラウンドにアロケされたり、ブレイクラウンドでも接戦になりそうなマッチアップにアロケされたり、ACの所属/元所属、つまりACがプロテクトするだろうチームにもTaylors4回、Ateneo3回、NUS1回などにもアロケされたり、多少は信用していただけていることを感じました。メジャー大会でこの段階までたどり着けたのはうれしいことではあります。田村さんは1/2年時に非常にお世話になった先輩、AdiはNEADCで一緒にACをやった間柄、Uphieは過去に何度もジャッジしてもらったことある、話したことある間柄だったということで、直接の知り合いがAC陣にいたのもおそらく大きかったです。

・他の国際大会やメジャー大会より、競争が激しい大会だったので、ここでそれなりの結果を残せたのは個人的に意味あることでした。今までジャッジした試合はそこまでジャッジプールのレベルは高くなかったので、今回のUADCで上の部屋や重要な部屋もたくさんジャッジした上で好成績を残せたのは自信になりました。また表面的成績だけでなく、OF, QF, SF, GFなどの超接戦(試合後の様子やBallotを見た感じ、ジャッジが上手くて有名な人でも迷っていた)、R2, R7など物量の多い試合などで、二年生のTDOの時は余裕が正直なかったのが、UADCの時点では余裕を持って対処でき、自信をもってジャッジできたので、成長を感じることができました。明らかに昔よりハイレベルな試合や接戦の処理能力が上がったので、継続的にそういった部屋を見て、意図を持ってジャッジを練習するのは鍛えるのは大事だと思いました。

・UADC前は忙しすぎてIAも含めて全員に義務付けられていたJudge Testを提出したり、OAをいくつか分析してAP形式の構成や感覚を思い出すことを試みたりしかできませんでした。直接英語ディベートの試合に触れるのもJBP以来でした。練習不足が大きくて、序盤より後半(R7以降くらい)やブレイクラウンドの方が、明らかに調子が良かったですが、毎回、反省したり、注意することを意識したり、考えて改善していったのが大きかったと思います。

・今後、一番伸び代があると感じたのは、英語力の中でも話す側面です。OA用のメモを多めに見ていてアイコンタクトが取れていなかったり、途中で表現や発音がわからなくて詰まったり、抑揚のある話し方ができなかったりといった場面がありました。ここがトップとの差の一つだと感じています。単純に英語を話すのがJBP以来2週間ぶりくらいだったからというのもありますが、色々落ち着いたら、英語を勉強する時間を作りたいと思います。

・UADCはシビアだなぁと感じました。WUDC等でジャッジブレイクしている人や来年のUADCのACの人、個人的に見ていいジャッジだと思っている人(10人弱)がブレイク落ちだったり、Reserveだったりしました。僕自身もR5で4.5点/10点(トレイニーも含めて下から2番目タイ)というかなり衝撃的な点数をいただきました。幸い他の予選7試合の点数(9, 7.5, 8, 8.5, 8, 9, 9)が良くてカバーできましたが、上記のようにジャッジプライズまであとほんの少しだったので、よりショックでした。よかったラウンドと比べると、たしかにOAあまりよくなかったり、難しい単語があって神気味だったり、ジャッジがかなりむずかしい試合だと思っていたりしたので、今後このような状況で対応できるように精進します。

・一方で、メジャー大会だからこそ負けた時に自動的に採点が厳しいディベーター、様々なバイアスに影響されて採点しているディベーターは現実問題いるということは感じました。点数の付け方やNCM (Non Cis Male)やEFLに対するバイアスに気を付けるようにACが途中から何度も呼びかけていましたが、タブを見た感じ、その傾向がたしかにありそうだと感じました。ディベーターからのフィードバックの点数のみでランキングに基づき、決まった数のジャッジがブレイクする制度は問題もあると感じました。今年もこの問題に対応するために追加の規定ができたみたいですが、今後も議論していくこと、一人一人が注意していくことが必要だと思います。僕自身も日々気を付けたり、AC等を務める際に注意を促したりするように心がけたいです。

・UADC予選8試合ジャッジ→アイスホッケー練習→ゼミ→就活面接→UADCカウンセル→バイト→UADC本選5試合ジャッジ→アイスホッケーの今季最終試合という怒涛の1週間で終わった時の達成感がすごかったです(笑)

☆国際大会・メジャー大会に向けての準備

◎英語のリスニング

・様々な英語の発音やアクセントをリスニングできるようにすることは極めて重要です。ディベーターはもちろん重要ですが、ジャッジだとより重要です。不安があると正確にジャッジできなかったり、勘違いやミスレプすると点数を落とされたりするので、対策しておくことをおすすめです。

・特にオンライン大会では参加者層もより一層多様化しています。特定の地域の国際大会出たとしても、その地域以外の人が参加していることもよくある。僕の場合、30か国以上の相手とディベートしたことありますが、英語は多様だと感じる。

・定期的に色々な地域の人の音源や出る大会の音源を聞き続けたり、再生速度を上げたりして聞いたりした結果、基本対応できるようになった。ただ最近だとABPのR6のバブルラウンドで直前のMOが自分もパートナーもしっかり聞き取れなくて本当に焦った。そういうことを減らせるように地道な対策が必要。

・浅井さんのブログの記事で似たようなことに触れており、参考音源を載せているものがあったので、載せておきます。

https://youjin2237.hatenablog.com/entry/2019/09/24/223218

◎サーキットの違いの理解

・その地域の大会、各国が集まるメジャー大会の音源を聞く中で各サーキットのディベートスタイル、スピーチスタイル、規範の傾向、スピーカーロールの認識などを把握する。国際大会の経験豊富な知り合いやサーキット出身の知り合いに見解を聞く。

・独自の用語、新しい用語がある場合もある。Counterfactual, Mutually Exclusivityなどの新しい用語や概念も時々出てくる。例えば、最近だとイスラエルやヨーロッパのサーキットを中心に、“Delta”という言葉が使われていたりする。意味は“Marginal Benefit/Harm”、「少なくとも自分の世界や相手の世界で確実に生じる僅かな差、Benefit/Harm」を意味すると僕は捉えている。この用語に関してはこのFacebook Postで色々と議論されている。

https://m.facebook.com/groups/284702441616866?view=permalink&id=3512164415537303&anchor_composer=false

・可能な場合、メジャー大会の前に前哨戦に出て実際試合をジャッジする中で、違いやズレ、自分の改善点を把握する。

◎UADCに関して

・僕は上記のようにあまりUADC対策できていなかったですが、実際参加して思ったこと、対策すればよかったことを軽く書いておきます。

・チェア、パネル、トレイニー全員OAをやるので、OAを練習しておくといい。7分の時間制限があるため、短い時間でまとめる練習がより必要。実際どのくらい守られているかわからないが、パネルが二人いるとより時間制限が厳密になってより必要そうだと感じた。パネルやトレイニーの場合、最初の方にOAしないといけないため、短時間でOAを準備する練習やメモ方法が必要。

・最後のR8のバブルラウンドもOAしないといけない。部屋によってはブレイクできるかが決まる試合なので、どうしてもディベーターは厳しくなりやすい。普段から大事だが、顧客満足度を高めたり、負けた方が押していたことに丁寧に言及したり、なるべく全ての分析に触れたりすることが大事。厳しいディベーターを引いてしまうことはどうしようもないし、読めないので、落ち着いてできるとベスト。

 

☆最近の傾向/よくいるジャッジ

・僕の主観的感想なので、正確かわかりませんが、分かる範囲で書いておきます。

・ジャッジは究極的には個人個人によって異なり、一般化には限界があるので、あくまで一つの見方として捉えてください。

◎全体的傾向

・ロジックゲーム化の加速。ファクト、例、自明なインパクトやメカニズムも明示的にロジックで説明すること、証明責任をAnalysesで丁寧に詰めて、果たし切ることが必要である。また詰めることの要求度が上がっており、バーデンの把握が難しい。

・正直、Dubiousな分析でも、論理的に通れば取るジャッジが増えている。

・意外と詰まっていないけど、フレーム重視で戦っているチームもいた。ただ両方フレームが強い中で、結局しっかり詰めているチームが勝つことが多い。

・サインポストやストラクチャーやクエスチョンの切り口の良さなど「見せ方」がいいチームはジャッジの評価が安定しやすい。

・GOVに対しては論題を取る世界観でどうよくなるか?を強く求めるジャッジが多い気がする。わかりやすい部分っていうこともあって、OPPの反証の具合が弱くても、結構penalizeされることが多い。もちろん中にはオポに対するAlternativeなどのバーデンをかける人もいたり、バランスがいい人もいたりする。

◎地域別

・オーストラリア、ニュージーランド:ロジックやPremiseの丁寧さを重視する。ArgumentのPracticalの側面を重視。

・バングラデッシュ:Contextやニュアンス、ロジックを重視する。一般的な分析よりContextのニュアンスがより大事。

・フィリピン:PictureやIllustration、ArgumentのPrincipleの側面、言葉自体のニュアンス、世界観の変化を重視する人が多い。

・マレーシアやシンガポール:上記のバランスがあるイメージ。ArgumentのPrincipleの側面とPracticalの側面はバランスがある。比較的ロジックを重視する。

・他の地域はまだ把握できていない。また地域内で異なる場合ある。

 

◎対処方法(僕の場合)

・中心となる自分の軸は持つ。別の見方のジャッジにも傾聴する。違いを把握した上でこの試合の場合、どちらで見るのがより公平か、正当化できそうかを考える。相手の見方に納得した場合、納得した理由を言いつつ、相手に合わせる。納得しなかった場合、そう思う背景・理由を示す。

・僕のジャッジスタイルは前述のようにロジックやBOP (Burden of Proof、証明責任)重視で、比較的細かく見るスタイルです。この場合は結果的に丁寧に説明する過程で、自分がなぜこう見たのかの経緯が伝わりやすいので、(納得してもらえるかはその時によりますが、)少なくとも理解してもらえることが多いです。ただ評価をミスったり、伝えられなかったり、かなり響くという問題があります。

・個人的に北東アジアの一部の層と少し相性悪いかもしれないと感じています。BOPを厳しく見る文化が他の地域と比べると強くないため、その指摘が反論と勘違いされて点数が落ちるというパターンはあります。BOPを常に偏らないようにすること、フェアにBOPを見ているように安定して説明できるようになることが今後の課題です。

 

☆国際大会に出ているきっかけ・理由など

・出るきっかけは、周りの雰囲気がまずありました。KDSの先輩や大岡山練で一緒に練習していた先輩の経験談を聞き、自分も目指してみようかなって思い始めました。

・またロールモデルの存在も大きかったです。中には直接会ったことがない人もいますが、日本人や慶應の先輩方の中で、メジャー大会でACを務めたり、結果を残したりしている先輩、よく練習している仲間を見て自分も頑張ろうという勇気が出ました。またレベルが高い中で、自分を試したいというモチベーションが大きいです。

・三年生がブランクの期間になってしまうことが多いということを某先輩から一年生の時に聞いたので、就活など他の要素とどう両立するか考えていました。コロナ流行によるディベートのオンライン化が結果的に両立を可能にしました。4年間という限られた時間、大学から始めたという遅れをカバーするためには積極的に国際大会に挑戦することが必要だと考え、一年生から出ました。

・1年 (D:2/3+J:1/1):Debater: ADI, NEAO, BDO, Judge: ICUT

・2年 (D:1/4+J:1/1):Debater: ABP, NEAO, SMU BP IV, WUDC, Judge: TDO

・3年 (D:6/12+J:5/5):Debater: AEDC, APAD, TODO, POD, RMO, ANU Pre-Australs, Australs, TAYDO, IBA Nations League, MIDP Pre-ABP, ABP, JBP, Judge: YDO, MNIDC, KIDA Open, NEADC, UADC

・これ見ると、メジャー大会など大きな国際大会でいわゆる「結果」が出るようになってきたのは最近です。ディベーターに関しては半分ブレイク落ちしているし、壁にぶつかったことや悔しいこと、挫折は何度もありました。ただレベルの高い環境に諦めずに何度も挑戦したり、様々な方々に教えてもらったりという「過程」があったからこそ、成長できたと思います。シドニー大学やモナッシュ大学などの強豪校に勝ったり、メジャー大会でブレイクできたりできるとは出始めた当時は思いもしませんでしたし、過去の大会や出来事を振り返っていると感慨深いです。

☆今後の長期的目標

・メジャー大会でのジャッジブレイク、メジャー大会でのACも書いてあったのですが、ブログを書いている途中で達成したので、新たに設定し直しました。

 

◎Judge

・BPのメジャー大会でのジャッジブレイク

・メジャー大会でのジャッジプライズ

・メジャー大会での日本人記録

 

◎Debate

・Doxbridge Worldsオープンブレイク

・日本チーム初のAustralsオープンブレイク

※今年は最終日に三連敗してなければオープンブレイクいけていたのになぁって感じで悔しさが残っているので、日程が合ったら、リベンジしたいです。

・WUDCオープンブレイク

※一番の夢です。Korea WUDCに出られるか怪しいですが、出られなかった場合はBelgrade WUDCで挑戦したいです。

・メジャー大会での日本人記録

 

3.国際大会AC編

・意外とこの内容に関して書いてある文章が少なかったので、書くことにしました。僕もまだACというものを学んでいる途中で未熟ですが、現時点での見解や学んだことを書いておきます。

☆NEADCの感想

・実は初めての国際大会ACどころか、初めての2日間以上のオープン大会のACでした。(ACをやったことがあったのは一日大会と学年大会だったので、またCAを務めさせていただく予定だったKeio Debate Open 2020はキャンセルになったので、実質初でした。)

・今年の正月の時点でNEADCのDCAに申し込むことを考えていて、秋の募集がかかった時点でABP オープンブレイクできたら申し込もうと決めました。Formは時間をかけて丁寧に書きました。Community Feedbackも色々な方々にお願いしました。ご協力してくださった方、ありがとうございました。

・AC内で一番経歴浅くて年齢も若かったですが、たくさん学びつつ、自分なりに貢献できるように頑張ろうと思いました。

・ディスカッションのスピード感や意見の質の高さに圧巻されました。自分が何か思いついて整理している間に、言おうと思っていたことを誰かが既に発言しているということが多かったです。ディベート歴もAC経験も自分より上の方々なので、やっぱ強いなぁと感じました。自分の出したモーションですら瞬時に思いついていたこと以上の議論が展開されて面白かったです。即興で考える力や英語力の差を感じたので、追いつけるように頑張りたいと思いました。

・意見を反映する力はまだ不十分かなと思いました。自分の意見や考えを説得的な形で整理し、少しでも変えることができるようになりたいです。

・僕が作った論題はR3の“THW anonymize the process of funding, display, and sale of art.”, EFL GFの“THO Shibal-Biyong Culture.”です。R6のPandemic時のTechnocratsモーション、Open SFのUAE-Israel Peace Dealのモーションは似たようなのが自分のMotion Bankにあったのですが、先に出ていました。また選ばれる論題もACのカラーが出るのかなと感じました。今回はシンプルでわかりやすいものや古典系を好む人が多かった印象です。

・Briefing等は過去のストックがあまりなかったので、AC経験が自分より豊富な人に任せました。モーションやジャッジテスト採点のスプレッドシートの設定、フォームの作成、東南アジアのIAのコメントなど自分ができることをやるように心がけました。フィードバックも読みつつ、アロケも自分なりにコメントするようにしました。

・NEADCレベルの規模でジャッジするのは初めてだったし、BPジャッジの経験不足を感じていたので、上記のようにNEADCに向けて二つ大会出ました。6試合中5試合チェアでACなので必ずしもあてになりませんが、一定の点数は保つことができていて安心しました。GFに進んだ某チームから「最初は思っていたランキングと違ったけれど、説明を聞いて納得した」というポジティブなフィードバックもいただけたので、いいステップになりました。ブレイクラウンドもコンフリクトがほぼない、かつclosing ceremony以外ずっと参加できるという状況だったので、全試合ジャッジしました。

・一年生に初めてジャッジした大会で、某サーキットで知名度がある人に切れられて1点をつけられたという出来事があったのですが、その一人をACチェックすることになって不思議な縁だと思いました。またあの頃に国際大会でのジャッジを諦めなくてよかったなぁと思いました。(念のために言っておくと、関係性はもう大丈夫です。そもそも先方は多分覚えていないです(笑))

・DCAの一人のBunny (Banun Sabri)がいくつかのモーションスライドを日本のデザインにしてくれて嬉しかったです(笑)

 

☆モーション作成

・モーション作成に当たっては次のようなことを意識しています。理論上では分かっていても、実際すべてを実現するのは難しいですが、ACをやっていき、失敗を含めて経験を重ねていく中で、また他の経験豊富なACにお話を聞かせていただいたり、教えていただいたりする中で、こういうことができるといいのかなと思ったものを挙げておきます。正直僕もまだ経験が浅く、モーション作成を学んでいる途中で未熟なので、これからも自己研鑽を重ねていきたいです。

・批評にも耳を傾け、反省を重ねることの大事だと思います。僕も過去に至らなかった点がいくつかありましたが、いただいたコメントを真摯に受け止め、自分でも改善点を考え、次に生かすようにしています。

・後ろにリンク挙げた参考資料も勉強になるので、是非読んでみてください。

 

◎Accessibility

・知識がそこまでなくても、出る議論であるか。知識ヘビーのモーションでも、主流のメディアを読んでいる人の知識のレベルで対応できるか。リサーチをして詳しすぎるからこそ、導けるだけではないか。

・自分の頭の中だけで考えすぎているものだと、机上の空論になってしまい、Accessibilityの低いものになってしまうので、気をつける。一般的な見解であるかどうかを確認する。

・概念や政治情勢に対する見方にACのバイアスが入っていないか。

・大半の部屋で、幅広いレベルの層で(特に予選)、フェアになり、アクセスしやすいか。

・その大会のContextにおける、Equity面でのAccessibilityにも配慮する。

 

◎内容

・オリジナルのものを作る。もちろん古典を出すこともいいことだが、イノベーションとのバランスを考える。難しめの論題から古典の発展みたいの論題も考える。

・面白いか。ディベートする価値があるか。社会的に議論する意義があるか。

・Debatableなものがあったら、時事問題を取り入れる。いい論題を思いつかない場合、無理に作る必要はない。

・ご当地モーションを作ってみる。メジャー大会によってはそういうノームがある。例えば、NEADCで言うと、韓国や北東アジア地域関係のものをいくつか考えた。

 

◎ワーディング

・意味は明確か。曖昧な部分はないか。肯定や否定の範囲が明確か。EFLやESLにも伝わる表現か。

・議論やクラッシュ、対立軸が読みやすいワーディングか。

・解釈のズレは起きないか。起きた場合、そのズレはディベートの一部であってほしいものか。定義を広めにする場合は理由を持つ。それに関して議論してほしいなど。

・どのモーションタイプ、どのワーディング(主体、動詞、程度、表現など)が一番ACの導きたい議論になるか。タイプや単語の意味やニュアンスを考える。

 

◎準備

・日頃からメモする。ACの予定がなくても、モーションのアイディアをノートに取っておく。直前はなく、前もってモーションを作っていく。

・最新の時事問題や社会問題、議論に触れる。主要メディアでの議論を確認する。場合によって学術的な論文や本等も確認する。ディベートの枠にとらわれず、社会問題について議論する、考える。

・世界中のモーションをスプレッドシートにストックし、モーションの傾向やホットなトピックを把握する。

・自分のモーションバンクをスプレッドシートで作り、コメントや想定される議論をメモしておく。何度も見直してワーディングなどの改良を重ねていく。

・たくさん作る中で実際出すのは特に良かったもののみ。例えば、NEADCの場合は自分の中の候補は30個くらいあり、その中から選んで実際にNEADC ACのスプレッドシートに載せたのは10個くらいであり、最終的に通ったのは2個だった。

・多様なトピックやテーマ、モーションタイプ等の論題を考える。モーション作成の過程が勉強になるし、またモーションのダイバーシティの調整の関係で必要な場合があるため。

 

◎議論

・話が脱線しすぎないようにリードする人がいるといい。(雑談を通じて仲良くなったり、話しやすい雰囲気は生まれたりするので、多少の脱線はあり。)

・知識や知見があるACがいると、自分の思いついていたアイディアがモーションになることもあるので、いくつかアイディアの種を蒔いてみるのもあり。過去に実際そういうこともあった。

・自分が話し合いをリードする立場の場合、話を振るようにする。

・何かある場合は具体的な懸念や質問、軸を挙げて議論するようにする。

 

◎モーションのテスト

・自分の中で、またAC内でプレパ無制限でディベートして、上手く行くか、公平になるかを試す。その論題で出しうる話を網羅する。全体的な大枠、クラッシュを押さえる。具体的な事象を押さえる。返せる反論が必ずあるか。しっかりディベートが拮抗するか。圧倒的に強い議論はないか。

・ディベートの展開に配慮する。BPの場合は両サイド5つくらい議論が思いつけるか。オープニングが時間的に展開できる議論を考慮した時にクロージングでも勝てるエクステンションがあるか。

・ディベート上のリスクを考慮する。正当化が可能なカウンターモデルや定義によって、ディベートが崩壊しないか。

・現実的に想定しているディベートがそのサーキット、大会の参加層で展開されるか。

 

◎その他

・モーションのジャンルやタイプ、クラッシュなどダイバーシティは意識する。

・ラウンドごとに選んだ意図を考える。例えば、バブルラウンドは特にセーフなもの、フェアなものにするなど。

・予備モーションはスライドも含めて用意しておく。

 

☆モーション作成以外の業務

・ACも「運営」の一員である意識が経験上大事だと思います。他のコミとも上手く調整しながら、動くように心がけています。特にCAの場合は重要だと思います。

・細かく言うと、他にもあると思いますが、主なものに関して意識していることを書いてみました。マニュアルではないので、細かいこと全ては書いていないです。実際、これらすべてを実現するのは難しいので、可能な範囲で努めています。

 

◎アロケーション

・誰がReliable チェア(重要な部屋のジャッジやボーダーラインのジャッジのチェックなどを任せられる)、Potentialチェア(チェアを任せられると思われる、ただチェックしたいなど)、Reliableパネル、Potentialパネル、トレイニーなど想定する。大会が進行していく中でも、ACチェックやフィードバックを通し、アップデートしていく。

・どのような考え方でアロケするかを明確にしておく。例えば、上の部屋にいいジャッジを集中させるか、ブレイクが確定している部屋よりブレイクがかかっている部屋を優先させるか、余裕がある場合に教育目的で分散させるか、ACチェックをするかなど。

・強いチームやフィードバックを見て低い点数をつけているチームはマークしておき、アロケに配慮する。

・何か(地域など)のrepresentationでACに入っている場合、他とのバランスも考慮しつつ、プロテクションをなるべくするようにする。

 

◎ジャッジテスト

・アロケの参考にするために実施する。フィードバックとの比率は徐々に下げていくことが多い。

・教育を意識するか。ジャッジテストのQuestionの導入など。

・受験者層のレベルはどのくらいか。ジャッジテストの難度をどのくらいにするか。超基礎的なもの中心か、シナリオ別の少し複雑なものも入れるか。

・どういう意図で音源を選ぶか、録音するか。接戦の際のJustificationを確認する、言語面のバイアスやNon Cis Maleに対するバイアス、有名人に対するバイアス、功利主義バイアスなどのバイアスを確認するなど。

・試合のACの見解を話し合い、まとめる。その上でいくつかピックアップし、全体で点数の基準を確認する。匿名で採点した上で、全体的な傾向や改善点、よくあるミスをまとめ、Briefingで強調する。

 

◎IA探し

・ジャッジプールの質の確保はディベートの大会的に重要だが、特にオンライン大会では今まで通り集まらなかったり、多く必要だったり、他と競合しやすくなったりするので、力を入れるのはより重要。

・IA募集も含めて大会自体を複数のサーキットのグループや練習チャット、SNSで積極的に宣伝したり、知り合いに直接連絡したりする。

・Diversityの確保も可能な範囲で努める。特にメジャー大会。

・選出の際、他のACに申し込んできたジャッジに関して情報提供をする。僕の場合は自分のディベートやジャッジ記録とともに、実際見たジャッジのコメントもスプレッドシートにメモしてあるので、それを参照している。

・コミと連携して予算管理やIAの連絡を行う。

 

☆ACになる方法

・まず僕が経験したことのあるACの選出のパターンからいくつか書いておきます。

・TDや運営側がCAやDCAを選出したり、選出されたCAがDCAを選出したりするパターン。これは人脈やジャッジ実績、知名度などが影響することが多い。

・Bidで選ばれるパターン。これは経験ないので、わからない。

・立候補を通して決まるパターン。

・WUDCやAustrals、NEADCなどの場合はFormを記入して立候補した後、CAがCommunity Feedbackを募集し、これらやConstitutionの規則に基づいてCAが選出する。Formの内容はディベートやジャッジのCV、大会に適していると考えるモーションのリストと選んだ理由、大会にどのように貢献できるか、なぜACを志望するのか、モーションをどうテストするか、アロケーションをどうするかなどの質問が聞かれる。

・メジャー大会以外でも時々DCAを募集していることがあるので、IAの募集を探す方法と同じ感じで随時チェックしておくといい。今年5つくらい見かけたけれど、時差がきつそうだったので、やめておきました(笑)

・UADCやABPなどは予選とブレイクラウンドの間に開催されるCouncilで立候補し本人や代わりの代表者が2分くらいのスピーチをした後(動画でもOK)、上位5人から7人に入り、なおかつ参加しているInstitutionの代表からの投票の過半数を得るとACに選出される。Constitutionの規則で各国1人まで。

・スピーチは意外と重要なので、志望理由は自分らしさや自分の強みは何か、自分が答えられる需要は何かを意識し、わかりやすく要点を伝えることが大事です。参考として、僕がUADCやNEADCのACに立候補した際、Experience as a Judge in International Tournament(APのCVを強調), Professionalism as CAP, Representation of North East Asia, Experience in Major Tournaments as an EFL/ESL Debater, Special Feelings toward NEADCなどを内容として用意しました。

・UADCの際はCouncilが想像以上に長引いた結果、用事と被ってしまってスピーチができる状況ではなかった(午後10時ごろだった)ので、馬場さんにスピーチしていただきました。(馬場さん、突然のお願い、ありがとうございました。) 結果的には7人立候補して全員通りました。周りのCVが強くて、また北東アジアのインステが1,2個しかいなくてやばいと思いましたが、結構票が集まって余裕をもって通りました。ジャッジしたことのある人や立候補理由に納得してくれた人が投票してくれたと思います。7人中5番目に多く、2番目タイの2人とも2票差しかなかったので、しっかりとした準備が大事です。

・前提としてジャッジ経験は積んでおくといいです。ジャッジ実績がACに呼ぶかの基準になることが多いし、知り合いも増えるからです。またACやる上でモーションを作ったり、接戦の部屋やレベルの高い部屋をジャッジしたり、ジャッジのチェックをしたりする上でジャッジできる必要であるからです。ただジャッジ実績を得てもACになれるまでタイムラグはあります。

 

4.参考資料

☆注意点

・上記のように、実践も大事ですが、理論も大事なので、自分の状況に応じてバランスよく取り組むのがいいと思います。僕は理論を構築するのが好きなので、色々読んだり、見たり、聞いたりしました。その中からいくつか紹介します。なるべくいろいろな形態や内容のものを選ぶようにしました。英語の資料の方が多めです。また僕が読んだことあるものなので、他にもいいものがもっとあると思います。その辺、ご了承ください。

・これらの資料に既に書いてあったことは、ものによっては今回のブログあるいはTDOのブログであえて触れていない内容もあるので、是非読んでみてください。

・紹介しているのはごく一部で公開されている物で、他にもあります。(他にもおすすめのものがあったら、是非教えてください。)どれもおすすめですけれど、数が多い、かつ資料同士で被りもあるので、特におすすめのものは「〇」としました。全部見る必要はあまりないので、いくつかに絞って勉強するところから始めるのがいいかと思います。

・時々消えるときあるので、好みのものはファイルやメモを保存しておくことをおすすめします。

・直接ジャッジが上手い人やレクチャラーに具体的な質問を聞いたり、一緒にジャッジしたりするのも勉強になります。是非積極的に連絡してみましょう。

・これ以外も資料が欲しい、ジャッジに関して相談したい、質問したい方がもしいましたら、気軽にご連絡ください。可能な範囲で対応します!返信はその時の忙しさによって遅いかもしれませんが、ご了承ください。(返事なかったらリマインドしてくれると嬉しいです。)

☆最近のメジャー大会のBriefing

・動画を見たい、読みたい、このACがいい、質問形式がいいなどいくつかのニーズを間挙げて複数載せておきました。好きなものを見てみてください。

〇EUDC 2020 Judge Test Review (Tom Manor(EUDC 2020 DCA)):問題を通してBPジャッジに基礎を学べる。IAの間でも超割れたってことで話題になっていたジャッジテスト(音源:https://www.youtube.com/watch?v=zaQ2_abT9_k&t=1159s)の解説もあり。元々昔のWUDCのジャッジテスト。スピーカースコアの見解も触れている。

https://www.youtube.com/watch?v=9X8FF4Rr-8I

〇EUDC 2019 Briefing & Scaling:かなり詳しく書いてある。スケールなどの確認もできる。

https://drive.google.com/drive/folders/12Yy1PaNugaOxypLi5-ZFSAHnThTXZ1Mj

〇WUDC 2020 Judging/Debating Manual:これもかなり詳しく書いてある。個人的にわからない時はこれを参照している。なぜかFBページ消えていたけれど、リンクを取ってあったので、載せておきます。

https://docs.google.com/document/d/1ihcOHMQiPYuTc2wvvqeA6mn7iJL3lrpy/edit

・Thailand WUDC 2020 Adjudicators and Debaters Briefing:動画。ジャッジテストの解説もあり。問題を通してBPの基礎の確認ができる。

https://www.youtube.com/watch?v=TO2Bspz4WC0

・WUDC 2019 Debating & Judging Briefing Slides:要点が簡潔にまとまっているスライド。

https://docs.google.com/presentation/d/1cJDqiXHrD-Hyq6W6sX02yTWsJPDaw_CTt69lXHvc8Ck/edit#slide=id.g4ad89c7b54_0_105

・上記のWUDC 2019 Debating & Judging Briefingの動画

https://www.facebook.com/capetown2019/videos/2518904711669379

・UADC 2020 Judge Briefing Video:40分くらいの動画。ジャッジテスト(今回の対象の音源:https://www.youtube.com/watch?v=XCFtYbUFq6A&t=2784s)に関しての内容もあり。ジャッジテストの音源の音質が正直あまりよくないですが…(笑)

https://www.facebook.com/karthik.bansa2610l/videos/5013461068671761

☆Oral Adjudications

・自分で聞いてOAを作ってから、実践もしつつ、上手いジャッジの見方と比べることができ、練習になります。また実際のOA聞くと、色々なスタイルがあったり、参考なったりするものがあります。公開されているものをいくつかをピックアップしました。

・上記のメジャー大会のbriefingでジャッジテストがついているもの。ACで話し合っているし、意図をもって選んでいるし、参考になる。

・あとは実際いいジャッジにあたったと時にできれば許可を取って個人使用のために録音しておくのもいいと思います。

〇EUDC Challenge IV – Round 2 OA: Enting Lee (WUDC 2022 CAなど)

https://www.youtube.com/watch?v=exWhoTZt-lw&t=3582s

・The Natolin European Round Robin Debating Championships R1, R2 OA: Harish Natarajan (WUDC 2014 CA)

https://www.youtube.com/watch?v=m-fMM_4Lw2U&t=14825s

・EUDC 2020: 予選や練習試合に有名ジャッジのOAが載っているものがあります。OAの音源も上げる慣習が広まっていくといいなぁって思います。

https://www.youtube.com/playlist?list=PLCIv-UcTiBzjGetlYvXj1EPW-yw0ocsoQ

〇BDC’s Digital Discourse (WSDC Format) Oral Adjudications by Michael Dunn Goekjian (WUDC 2020 CA):3 on 3のです。残念ながら試合はなくてOAだけです。

https://www.youtube.com/channel/UC73DU41Tplk-GpbGMhsG9Og

 

☆レクチャー

・ごく一部です。もっとあります。気になる方やメモが欲しい方は是非ご連絡ください。

〇Korea WUDC Module 2 Top Half Comparison:

-試合(トップハーフのみ)の音源

https://www.youtube.com/watch?v=wFM8BzWclwM

-Milos Marjanovic (WUDC 2022 CA)を中心としたPanel Discussion

https://www.youtube.com/watch?v=nAl2J8Cwjb4&t=7s

-MilosのOA

https://www.youtube.com/watch?v=vj5vWyghJv4

〇Korea WUDC Training Program:Note Taking, Top Half Comparisons, Motion Typesなどの特定のテーマに関して複数のトップジャッジの見解を詳しく聞くことができて面白い。まだアップしている途中みたいなので、随時チェックするといい。

https://www.youtube.com/channel/UCl6nwZf3k9eOlml6cCtmQIg/featured

〇NTU ODO BP Adjudication Workshop 2020 Module 2: Advanced (Dissecting a debate), with Enting Lee:実際のディベートを聞きながら、スピーカーごとに気を付けることに言及しつつ、そのスピーチやComparisonの見方、評価方法を詳しく解説している。またよく気になるポイントにも言及している。

https://www.youtube.com/watch?v=3bD6Gf8UTuQ

※NTU ODOのACを中心に開かれたこのレクチャーはステップ別になっていて、チャンネルに他のModulesもあるので、そちらもおすすめ。

・NTU ODO BP Adjudication Workshop 2020 Module 1: Beginners by Amrit Agastia (ABP 2019 DCA)

https://www.youtube.com/watch?v=7p7dso40FQs&t=2032s

・NTU ODO BP Adjudication Workshop 2020 Module 3: Panel Dynamics & Oral Adjudications by Viha Gopakumar (Australs 2018 DCA)

https://www.youtube.com/watch?v=_vRdlvLCYv0&t=1078s

〇How to be a good / useful wing judge (BP format):パネルでの貢献の仕方、意識するべきことに特化したもの。

https://docs.google.com/document/d/17ayx1E7ycLXRxZeeOnrePy7bKgS8w9NXEYpO7gKzn5s/edit?fbclid=IwAR37r2vDRmHVF8xUTfhU61dsFWBighSw5MtZziiiSg0lVLvwraCgtgPX9S0

・Improving as a BP Adjudicator by Nicolas Lozano (UADC 2021 CA):ジャッジの仕方だけでなく、ジャッジとしてどう成長するかに関しても言及している。

https://www.youtube.com/watch?v=qrGVLCzpVbE

・BDC Digital Academy – EP #09 – How to Judge a BP Debate by Sourodip Paul (ABP 2020 CA):幅広い内容が解説されている。

https://www.youtube.com/watch?v=8ug0X7nnK-8&t=27s

・EUDC Debate Training Platform:多岐にわたるテーマがある。ジャッジに関しても三つある。Judging (https://www.youtube.com/watch?v=B3gLCTOxFDY), OA (https://www.youtube.com/watch?v=Txmy9Jzg2qc), Panel Discussions (https://www.youtube.com/watch?v=4Mvn6m2YPd0&t=7s),

☆日本語の資料

〇田村さんの資料:BPのジャッジについて包括的に詳しく学べて勉強になる。

https://verflucht.hatenablog.com/entry/2019/11/15/002522

〇加藤さんのブログ:ジャッジも含めて、勉強になる記事がたくさんある。

http://debatejiyucho.blogspot.com/search/label/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%83%E3%82%B8

例)ジャッジの基準について

http://debatejiyucho.blogspot.com/2018/01/blog-post_2.html

・TiTech Cupに際して① 〜藤田さんからの寄稿文〜:途中にジャッジについてのスライドがある。

http://blogjpdu.blogspot.com/2019/01/best-adjudicator-jpdu-0.html

☆ACに関して

〇Sharmila Parmanand (EUDC 2019 CA, WUDC 2013 CA): How to CA major competition?

https://medium.com/@debate.astana/sharmila-parmanand-how-to-ca-major-competition-680ead163537

〇Advice for new CAs setting motions by Shengwu Li

https://trolleyproblem.blogspot.com/2012/01/advice-for-new-cas-setting-motions.html?fbclid=IwAR18BDYnxN6197bz1Ju5nPss5Pr6CdvS_0BX-VukmQbhrXfurwH3O7xoid8

・Question to people that CA a lot – What are the ways you thoroughly stress-test a motion? (Debate Seriousposting)

https://www.facebook.com/groups/communistcasefile/permalink/3632600280160382/

〇加藤さんのブログ

http://debatejiyucho.blogspot.com/search/label/%E5%A4%A7%E4%BC%9A%E9%81%8B%E5%96%B6%28AC%29

・Japan BP 2017 大会結果報告とCAによる寄稿文

http://blogjpdu.blogspot.com/2017/12/japan-bp-2017-ca.html

☆国際大会関係のブログ・エッセイ

・加藤さんのブログ

http://debatejiyucho.blogspot.com/search/label/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E5%A4%A7%E4%BC%9A

・有元さんのWUDCのブログ

http://utdskomaba.blogspot.com/2019/03/wudc2019by.html

・Japan Debate Essay Project

https://www.facebook.com/Japan-Debate-Essay-Project-1547921068770928

 

☆NEADCのモーション

・タブが消えていたので、記録としてモーション一応貼っておきます。

R1: As a marginalized immigrant community in the West, THW not cooperate with the police

R2: In response to a lack of employment in a high skilled industry, TH supports decreasing existing academic and employment requirements.

R3: THW anonymize the process of funding, display, and sale of art.

R4: TH, as a wom*n, would place a greater emphasis on sexual compatibility rather than emotional compatibility in relationships

R5: THBT the state should cap the amount of investment a single individual can make.

R6: THBT technocrats should be given the authority to override state decisions during pandemics

Open Pre QF: In newly post-colonial states, THS authoritarian reformers

Open QF: THR the glorification of humility as a virtue

Open SF: The UAE/Israel Peace agreement or the Abraham Accord promises to establish normal diplomatic, security and economic relations between the two countries in exchange for Israel agreeing to hold off on annexing the West Bank.

TH, as UAE, regrets the UAE Israel peace deal

Open GF: “You are a closeted gay teen in a fairly conservative neighbourhood. The local religious leader in your community is one of the most respected and admired members of your community. His sermons are traditional but not extreme. One day you find indisputable evidence that the religious leader is gay and has been in a relationship for X amount of years.

THW out the religious leader

EFL PSF : To “fight the good fight” is a phrase/expression generally used to encourage someone (typically but not necessarily, from a marginalised community), to join the cause of fighting against a system that is either oppressive or discriminatory or both. This could include but is not limited to; joining a social movement, taking a difficult job or task in the interest of the community, putting community interest over personal interest etc.   THBT minority communities have an obligation to fight the good fight

EFL SF: THW ban pharma industry from advertising medicine and medical equipments

EFL GF: A Shibal-Biyong is a frivolous expense such as expensive sushi or cab rides made by an individual under significant stress, as opposed to financial prudence (eg. Saving for the future) It is increasingly popular among millennials in South Korea as a coping mechanism for the rising stresses of day-to-day living and future anxiety.

THO Shibal-Biyong Culture

 

写真① UADC Open GFのメモ。

写真② ブレイク発表。見た瞬間安心しました。

 

写真③ Open GFのアロケ。目標を達成できて嬉しかったです!

 

写真④ スコアのグラフ。やっぱ切ないなぁ(笑)次、頑張ります!

 

写真➄ 試合間の糖分摂取。13試合長かった(笑)


俊哉さん、ありがとうございました!