[留学] オンラインオーストラル、オーストラリアから出てみた

みなさん、こんにちは!今回は20期の馬場さんにMonash Australs 2020についてのブログを書いてもらいました!馬場さんは現在、オーストラリアに留学中で、留学先のメルボルン大学からの出場でした。なので、留学先でのディベート生活についても書かれてあり、いつものブログとは少し違ったブログとなっています☺️ 留学を考えている人も、そうでない人も楽しめるブログですので、是非読んでください!!

それでは、どうぞ〜👇👇👇


Table of Contents

1.初めに

2.留学

3.トライアウト

4.閑話休題~KDS練~

5.プレオーストラル3連戦

6.閑話休題~期末試験~

7.オーストラル本番

8.今後の課題

9.オーストラリア特性の発見

10.ディベートトレンド

11.最後に


  1. 初めに

ブログに登場するのはマジで2年ぶりくらいで、どんな感じで書く物か忘れてしまいました。オーストラリアのディベートってどうなん?てブログとかの需要は結構ありそう?だし、個人的にも書いておきたいこと結構あるので、なかなかな長文・駄文になると思います。

↑77.3%のために書きます。22.7%の人は絶対に読まないでください

2.留学

2-0:出発

横浜のクルーズ船がコロナのホットスポットとなり、日本やばくね?という空気感が漂い始めたまさにその日、俺は日本を脱出した。コロナってあだ名でいじめられるんじゃないかと、イギリスでコロナの風評被害によりぼこぼこにされた人のFBポストを見ながらプルプル震えていたが、コロナのそこまで流行っていない地に逃げられた利己的な安堵も噛みしめていた。もちろん、友人や家族と離れて過ごすことになることに対する不安はあったがもともと一人暮らしだったのでこちらの憂鬱はほとんどなかったような気がする。

まぁ、留学体験記はまた別のところで書こうかなぁって思ったりするがとりあえず本ブログのメインの読者がディベーターなことを考えると、留学経験記を書いてもしゃあない気もするので今回は省きますね。

↑空港へ向かうバスからの景色

2-1:入部

メルボルンに到着して1週間、学校が始まり、寮のみんなとサークルの勧誘ブースが多数立ち並ぶ新入生歓迎イベントに向かった。俺は入るサークルは決めていた。どうせ勉強で忙しくなるしいっぱい入ってもしょうがない気がしたから一つだけ。Melbourne University Debating Society。通称MUDSだ。日本人クラブみたいなのにも誘われたが、オーストラリアまで行って日本人と定期的に戯れるのはよくわからなかったから部費を節約したい気持ちが勝ってしまった。後から考えたら入っておいてもよかったかもなぁって(天邪鬼)。

↑左が寮の写真で右が寮の近くの街並み

2-2:モデルディベート
初めての練習、視聴覚室(めっちゃ古そうな建物のシアターっぽいところ)に集まるように言われていた。ただ、、、地図が読めない+授業終わって結構すぐだったため、校内でクソ迷子になってちょっとだけ遅刻した。モデルディベートのメンバーは今考えたらそこそこ豪華だったよね。論題はTHR the rise of reality show。木村花さんの件もその後にあったし先見の明を感じた。クソディベートだったけど。ピザくれたり一年の予定をちゃんと説明してくれたり、日本の新歓とはまた違った感じがしたな。パワーポイントあるの大事。あと、エクイティオフィサー、POCオフィサーとかいろいろあって、そういうの気を使ってますよ~~~感が想像以上にあって、安心して入部できる感もあって、いいね👍って思った。ディベートおもろい!!!も大事だけど、いいsocietyだよってのも大事だね。多分。

(ちなみに新入生はオンライン化のあおりを受けてほぼ壊滅状態らしいので、どこも結局一緒ですね)

2-3:普段の練習
この辺から学校が完全オンラインに移行し始めて、練習もそれに伴いZOOMになった。ただ、そのせいでMUDSの強い人ほっとんど練習来なくなった。練習担当っぽいMichaelが毎回いるだけで、クオリティ自体は日本の練習より多少いいかな、、、程度になってしまった。(オンラインなのはオーストラルの参加にも実は結構大きな影響及ぼしてきているらしい)まぁしゃあないよね、、オンラインのディベートってディベート単体で好きな人じゃないときついもんね。。

 

3.トライアウト

3-1トライアウトの仕組み

これが結構おもろいシステムだった。基本的には自分のやりたいポジションを事前に提出して試合をしてランキングを決めるらしい。そして、上から指名していくのだが、ランキングが本来高かった人をスキップして指名する場合はスキップされた人は拒否権を発動することが出来て、指名者よりも上の順位に繰り上がることが出来る。

3-2実際のトライアウト

さーて、そんなこんなでトライアウトまではMUDSで1回、KDSで2回3回ほどスピーチをして臨んだわけだが、結果から言うと結構危なかった。まず、モーションがTHW ban political contribution で俺ネガだった。おう、、、できなくはないけど、やりたかねぇなぁ、、、ほら、、AFF貧困者の話めっちゃするやん、、、、おわた、、、、、、。が一つ。そして、え?なんでお前スピーチ15分も話してんの?ルール知ってる???て感じの奴がセカンドにいてジャッジ引いてた。が二つ目。おう、、これは、、やばいか?

まぁ結果としてはGOVのモデルをOWでぼこぼこに殴ることで何とか活躍して浮上することに成功した。

結果、3位。危ない危ない。4位の彼はWUDCで平均78点くらいだったし、平均75だった僕とは本来ならえげつない差があるはずだったが、もう一つの部屋でなんかバグが起きたらしい。草である。

↑トライアウトの結果

4.閑話休題~KDS練習~

MUDSの練習があまり使い物にならないことが発覚した瞬間、練習環境が普通にやばいことに気が付いた。そこで古巣のKDSの門をたたいてみた。そしたら淳さんがめっちゃ日本中の強い人集めてめっちゃ練習していたので混ぜてもらって結構いい感じの練習できました。練習に参加してた人、運営してくれた淳さん、ありがとうございました。

ちなみに、オーストラル出ようぜ~~ってからかってたらオーストラルにほんとに出ました。おかげで大会期間の楽しさが5倍くらいになりました。ありがとうございます。というか、普通にオーストラルチームがいてくれたおかげでオーストラルスタイルの練習もできましたし、めちゃんこ助かりました。

 

5.プレオーストラル3連戦

さて、KDS練習も充実していたが、オーストラルの本大会に向けて当然メルボルンチームとの練習が必要になる。俺たちのチームはそれを1.メルボルンプレオーストラル2.UNSWプレオーストラル3.ANUプレオーストラルに出ることでカバーした。それぞれ予選5試合。合計15試合、内11勝。ブレイクはなし。タブの上位には結構毎回いたものの本番どうなるかは結構運だし怖かった。

ちなみに、この時はまだメルボルン二度目のロックダウンに入っていなかったので、Jamesのおうちで集まって試合してました。やっぱりディベートは対面でプレパしてご飯食べたり散歩したりするのが楽しいですね。試合間にご飯買いに行ったり、試合中にtimtamを食べたり、いい思い出です。

↑ロックダウン前に集まってプレオーストラル一緒の部屋でやったときの写真

6.閑話休題~試験期間~

実はプレオーストラル直前に期末試験でした。オンラインだったので知識問題は事前にまとめたノートをCtrl+Fするだけだったんですが、記述問題が結構大変で、3時間で3000wordくらい。毎回腕釣りそうになってた。試験期間が1か月くらいと長く、自室にほぼ引きこもっていたので、足がめちゃめちゃ痩せて、試験終わった日にバスケしたら生またての小鹿みたいなプルプルの足になった。歩くだけで太もも攣りそうになった。草である。

 

7.オーストラル本番

さぁて、本ブログのメインデッシュですね。二郎系ラーメンで言うところの麺です。天地ガエシする人にとっては野菜ですね。ちなみに、ANUプレオーストラルの直後にメルボルンが再びロックダウンに入ったため初めて3人オンラインの状態で大会を迎えました。結構きつかったが、google docとかを使うことでいい感じに乗り切ったと思います。

7-0 MUDS練習

プレトーナメントとは別に練習試合を二度しました。一度はMUDS2と、もう一度はモナッシュと。MUDS2のほうはTotaにジャッジしてもらいました。日メル交流いいね👍。結構ボロカスFBくれて燃えました。モナッシュのほうは大会前日土曜日の朝に某O’物のBrein family感あふれるメルボルン練習でした(モナッシュもメルボルンにあるから仲間感が強い)。FBめっちゃ濃密で、メカニズムのニュアンスが大事だってこととか、コンテクストがどうとか、細かいトリックとか、さすが前年度チャンプってなった。詳しく知りたい人は羨ましがっててください。

無事両方勝ち星を挙げることができ、チームの調子は結構良かったような気がします。

↑近所にいた鳥&大会の日のごはん

 

7-1 予選

タイムゾーンの関係で試合開始が大体朝11:30とかからでした。なので10:00に起きてシャワー浴びてコーヒー飲んでちょうどいいっていう快適な感じでした。楽しさとかvibeとかを犠牲にする代わりに快適さを得ました。これも悪くない。

R1 VS UT Mara 1
1回戦の他のドローと見比べても多分一番競ってそうなラウンドでした。個人的にはちょいちょい倒されたことあるメンツいて、緊張してたけど、Michaelが“これに負けてたらブレイクできないから頑張ろう”的なこと言ってて、そりゃOPEN目指してるんだからここで負けるわけ行かないよなってもっと緊張しました。ありがとうMichael。

勝ち。

R2 VS BRAC 2

よく覚えてないけど、相手が結構かわいそうだったのは覚えてる。

勝ち。

R3 VS Monash Australia 1

でた、、、、モナッシュ。。。ここで当たるのはマジで草だぜベイベー。
モーションは三日前にカイトと話したNBAの制度について。あれ?おれもしかしてこの場のだれよりもこれについて詳しくね?草。
無事勝ちました。

R4 VS ANU2

はい、ライブストリーミングされて恥さらしたやつです。負けましたね。普通にいまパレスチナ問題来ると思わなくて3人でバグりました。勉強頑張ります。言い訳くらいはさせて。
負け。

ちなみに裏で慶應がモナッシュ倒しててガチでびっくりしました。ブレイク落ちの崖に追い落とされた盟友のモナッシュに対する同情と、慶應が勝ったことの喜びと、結構複雑でした。まぁ慶應の勝利のほうが嬉しかったけどね。負ける方がわるい。へへん。

R5 VS NTU1

負けてどんよりした雰囲気のまま、オンライン大学を永久に続けるべきかどうかの論題だった。ネガが直観的過ぎてほいほいみんなでアーギュメント作ってたら七つ位出てきて、え?俺これ全部言うの?てなりました。そんでもって何がやばいって、相手の超うまかったこと。PM聞いて普通に死んだと思った。ちゃんと大事な話めっちゃ大事そうに立ててすごい、冷や汗かいた。だって手元にあるの、大事か分からんメカニズムマシマシの7つの何かだもんなぁ。。Michaelが神whipをしてくれたおかげで命拾いしたらしい。俺はマジで負けたと思ってた。
勝ち。

ちなみに、オンライン大学では友達出来ないよって俺らの話に対してリプライでtinderで出会えるんだから余裕だろ!って言ってて草でした。面白いけどそれはねぇだろと思いました。本当の友達に出会える出会い系アプリなんて果たしてあるのでしょうか。

R6 VS 慶應1

Keio ってあれじゃん、たしか日本のなんか頭いいかようわからん大学だよね。Tokyo のほうが多分頭いいっしょ?多分。知らんけど。
俺がメルボルンにいなかったらこういう会話が繰り広げられてんのかなぁ、、知らんけど。まぁ俺がいるから試合前の会話はそんなフワフワ世間話ではなくお世話になった先輩と可愛い後輩の弱点の暴露大会だよね。心が痛かった。勝てば裏切り者、負けたら振り落とされたコバンザメ。必死にプレパで頭使って相手が何言うか予測して道をふさいだPMスピーチ。

無事?一票もぎ取られたものの辛勝

練習の500倍くらい強かったです。

勝ち。

R7 Vsシドニー2

ファイナンスの古典モーションが出る。水を得た魚、アブラを乗せたヤサイ、夏休みのある8月。KDS練で経済モーションで死んだ俺はファイナンスをちゃんとおさらいしてたので知識ばっちり頭の回転ばっちりでした。。。が、インターネット回線と仲間の調子が悪かったみたいで、いまいち何を言ってるかよくわかなんかった相手に負けました。すごい悔しかったけど、シドニーの何言ってても勝ってそうに聞こえるあの感じ、見習いたい。

負け。

ちなみにスコアはこのときPM79いただけました。負けたけどちょっとうれしい

R8 VS NTU2

Social media のサブスクを肯定するサイドでした。めっちゃお国柄が出てて、マジで関係なさそうなプラをいっぱい立てて殴りました。けどなんだろう、、メカニズム遠いけど通ってるなぁっていう感じの試合。なんだかんだ予選8試合の中で一番クリアに勝ちを確信してました。

勝ち。

7-2 本選以降

PDO VS Ibadu2

art論題だったので、art生徒二人のうちのチームは笑うくらい無双してたと思います。Art論題×ソーシャルムーブメント万歳

勝ち。

Octo VS ANU 1

ANUが二回プルアップでTaylorに凹された影響でシードを失い、ここで当たることになりました。残念。NEG引けたらワンチャンかなぁって思ってNEG引けて、これは。。。!って思ってたけど気のせいでした。アムリットうまかったです。修行します。LOやらかしたなぁって思ったらNEGで一番スコア高かったから多少はメンヘラを抑える事には成功しました。
負け。(だからなんだってわけではないが、その後ANUは優勝しました。だからなんだってわけじゃないけど)

というわけで遂に敗退してしまい、僕たちのオーストラルジャーニーは終わってしまったとさ。。。めでたしめでたし

7-3:結果

チームはオープンOct-Finalist, 私個人はEFL2ndベストスピーカーを頂けました。MUDS公式FBでも祝福されて、帰国してからもこっそり日本の大会で(出るかは別として)MUDSのロゴ使っても許されそうな感じがしました。ちなみに、多分オーストラルオープンブレイクは日本新だろうということで念願のタイトルホルダーになりました。嬉しい!ワールズのオープンブレイクが出てくるまでは日本のオープンブレイク界隈ではでかい顔できそう。

ん?裏でコバンザメとか言ってるそこのお前、、、うるせぇ!!!!!トライアウトで3位だからそれも実力だし、ファイナンスやスポーツモーションなど自分が中心になってマターを出す場面もないわけじゃなかったし、スコアも勝つ場面あったから!!どっちかっていうとガルーラの子供だから!!!(違う)。まぁ、そういう人とは対戦するのが早いと思うので対戦しましょう。大会には多分定期的に出ると思うので。

とーたもESLのGFジャッジしてたし、KDSのスピーカーも活躍してて、日本つえええええてなりました。日本のディベ界まだまだ明るいで。。。!!!

↑表彰式&MUDSのFB切り抜き。自慢に聞こえるだろうけど、自慢です。こうやって認めてもらえるのが楽しくてディベートやってます。めっちゃうれしいです。

 

8.今後の課題

たくさん見つけました以下その一部

1)詰める、強いコンスト力を身に着ける。

アイディア勝負!フレーミング!だけで勝ちにしてくれるぬるい時代はそろそろ終わりを迎えようとしているような気がする。全体のレベルがどんどん上がるにつれてアカデ化が発生し、高いレベルで相手の話もごつごつに詰まってくるので自分もそれができないと今後活躍するのは難しいだろうなと思った。勉強も当然たくさんしないとダメです。

2)争点を見抜く能力を上げないといけない

コンストを今回担当させられたが、サインポストがいきなり比較である場合が多かった。プレパの中である程度何が比較か目星をつけて戦うスタイルが、BPでは非常に有効な戦略になると思った。

3)ニュアンスが欲しい

クッキーカッターはもちろんディベート始めたての頃はいいが、だんだん陳腐に聞こえてくる。事実、オーストラリアのディベーター(少なくとも俺のパートナーは)クッキーカッター的なコンスト反論はあんまりしていないような気がする。むしろクッキーカッターがない分析やクッキーカッターの一歩先を行ったニュアンスの効いた議論をできていて、そこまでできないとネイティブには勝てる日は来ないだろうなぁって気がしました。具体的には、政策導入後メディアの報道の仕方、人々の認識、政府の宣伝の仕方、政府の思惑、とか証明に段階を踏まないといけないソフトなメカニズムの時にこれができるようになるといいなぁって思いました。

みんな、英語頑張ろう、そして想像力豊かになりましょう。

 

9.オーストラリアの特性の発見

―BOP把握が甘い

これはうちのチームだけかもしれないけど、「モーションから派生する」最低限のバーデンの共有とか、バーデンって概念があんまりなかったし、相手もそういうチーム多かった気がするから、日本よりはこれを徹底していない印象。ロジックの殴り合い主体の層が多いからであって、トップ層はもちろん気をつけてると思う。

―プラ強い

文字通り、プラ強い。圧倒的火力とプレパの20分をPMの議論詰めるのに使っているだけあって、普通に俺がPMで吐き出せる限界量を毎回超える分析でついていくのめちゃくちゃ大変でした。(一方でBOP把握が甘い結果、言う必要のなかった議論が結構あったりするので対処するにはちゃんと聞くことが大事)

―マクロトレンドとしてのプリンシプルの軽視

これはチームメイトと勝ち筋の話をしているときに、プリンシプルって何?ってなったときに、すでに共通理解って感じで功利主義がなんだかんだde facto 感あるよねって感じになっていました。正しいかどうかは置いておいて、こういう認識の人がサーキットとして多いことの証左でしょうし、そうであるなら、彼らにジャッジされたときにはより一層プリンシプルのニュアンスを気をつけないといけないよねって話になってくると思います。

以上三つに加え、議論の好みも違うと思いました。

例えば、THW mandate votingのAFFで

日本:

なぜ、義務なのか、税金とかの三大義務などと比較しながら、うまく公益、harm to others とかを使って強制力の正当性を描こうとする。

 

オーストラリア:

現在投票に最も現れない層が貧困層であり、最も困っているのも彼らだ。貧困者救えるから強制したほうがいい。投票にアクセスできてない人へのアクセスを担保するためにも強制したほうがいい。(相手が投票しない権利を主に主張してくる層が大体時間が惜しかったり貧困者だったり社会的弱者であるとの先読みに基づく立論)

みたいな議論のベクトルの差があるような気がします(過度な一般化は避けたいので、傾向としての話と捉えてください)

なので、我々としてどうこれを上回るか、いかに議論の幹をずらすか、若しくは最初に思いついた相手の話を全て飲んだ上でどう戦うかを先にコンストに織り込んでおくと、むしろ相手は対応できなくなる可能性が高いような気がします。また、デフォルト功利主義のトレンドではあるもののプリンシプルは非常に苦手な印象があったので、ちゃんと説明した上で積極的に敢えてプリンシプルで戦うのも一つの手だと思います。

―直観的な議論よりもロジック重視のロジックゲームとしての色が強くなってきている。

超上級者層には関係ないです。HWSラウンドロビンとか、WUDCとかで上位にいる人は、説得力のないロジックの説得力のない理由をちゃんと見抜いてぼこぼこに反論できるので結局立論も説得力のないものが初めから出てこないです。ただ、中流から下流にかけて結構ロジックゲーム化が進んできていると思います。明らかに説得的でないと感じている主張でもロジックが通っていれば取られるし、反論をしないといけません。(まぁロジックを認識して反論立論するのは教育的にも別に悪いことじゃないと思うのですが、日本の教育ディベートの目指す姿との若干の乖離はあるのかも?)結論、反論をきめ細かに。コンストをちゃんと一般化してロジックに落とし込んだ上で印象操作ゲームをしないと足元をすくわれる場合があるので注意したほうがいいと思います。

―上記のトレンドの差の発生理由とまではいかないが、ディベート始めた初期of初期で30分プレパ8分POIなしのオーストラルスタイルをやることはコンストを詰める意識に始まり、反論の粒の強さなどを意識させたり、ディベート的な土台を育てるには非常にいい方法だと思いました。すぐにBPに飛びつくより飛び道具が効果少ないのでいいと思います。(8分話すの大変だよ!て指摘はごもっともなんですが、それで言うなら7分もきついはずなので、無理ってことはないと思います)

 

10.ディベートトレンド

 ―コンテクスト比較ディベート

アジア系の強いチームはこれがうまい印象。バングラデシュコンテクスト出されたら大体反論しにくいし、自分のコンテクストを取りきることが可能。ただし、相手のコンテクストを取り切れないことも多々ある。腕の見せ所は自分のコンテクストが強いっていうのを推す“比較”の見せ方。

 –一般化ディベート

シドニーとか英語力高い人がこれ得意そう。カードゲーム的な“出たロジックは反論されない限り成立”的なディベート概念の持ち主にはよく刺さる。コンテクストに対する拘りよりは普遍的なロジックで戦う派閥。ただしネックはこのコンテクストが結構リベラルデモクラシーの先進国を前提としていること。本来ディベートってそこで発生するはずなんだけど、途上国参加者が増えるにつれてその常識がなくなってきているため、先進国チームはここで足元をすくわれることが多いようです。ただし、これはこれで、特定のジャッジ層、特にノートきっちりとるジャッジにとってはコンテクスト偏重の印象型ディベートよりはロジックベースで勝ち負けをはっきりつけやすいので、いいジャッジをしてもらえるかもしれない。

みたいな二派に分かれるんかなぁって思った。知らんけど。何か参考になれば幸いです。

 ―後半スピーカーは新しいことを言うな
まぁディベートのルールとして、新しいコンストをwhipがしちゃいけないのは当然として(普通にジャッジは取らないし、そんなことしてたら議論が深まらないし、マナーでもある)結構DLOからのコンストもグレーっぽくて、そこは意外だった。なので、勝ちたければジャッジがちゃんとすべて取ってくれる位置でアーギュメント言いましょう。

 ―フレーミング大事

試合のFBとかアドバイスを求めると結構“自分ならこうフレームするかも”って話をもらえることから重要性を再認識しました。南アジアとかのチームとかは結構これうまいです。ゴリゴリにロジック詰めて戦うのはもちろん大前提として大事ですが、フレーミングは自分より上手のチームと戦うにはなくてはならないスキルだし、あるとスコアも伸びます。フレーミングは別に中級者初心者がやったらダメな技術じゃないです。というか、上級者しかやったらダメな技術なんてあるのでしょうか。メルボルンでも新入生に教えてたし、俺自身もディベート始めて結構すぐに師匠に教わったし。というか、全く新しい切り口のアーギュメント思いついたりするよりは簡単だと思います。フレーミングが何かって話はhow to win debates without really making arguments とかWUDC Mexico MDG framingってyoutubeで検索してください。レクチャー動画が出てきます。

何のフレームもないアーギュメントは評価方法をジャッジに丸投げすることになるし、そもそもインパクトも盛りにくいしで結構危ういと思います。

 

11.最後に

所謂お礼をいうコーナーです。

どうせ見てないと思うのでパートナーやMUDSへの御礼は割愛します。FBでもお礼言ったし。

いつもいろいろ無茶ぶりに答えてくれるカイト。あざす。めちゃくちゃ助かってます。話は振り続けるので、暇だったら答えてやってくれ。

また、とーた君には大会前、中に練習見てくれたりFBくれたりKDSの観戦一緒にしてくれて感謝してます。めっちゃ楽しかったし学びました。これからも頑張りましょう。あと、ジャッジブレイクおめでとう。もはや一流のオーソリですね。

KEIO1の3人。いつも練習相手になってくださってありがとうございます。R6で当たっちゃったとき最初は結構後ろめたかったんですが、今では一番思い出深いラウンドです。ESLブレイク並びに各々スピーカープライズおめでとうございます。

その他、馬場をジャッジしてくださったりアドバイスくださった溝さん世永さんをはじめ、その他大勢の方々も、全員メンションできずに申し訳ないのですが、感謝しております。これからもよろしくお願いいたします。


Results of Monash Australs 2020

Open Oct Finalist: Melbourne1 (Takua Baba joint)

ESL Oct Finalist: Keio1 (Atsushi Sumida, Jayne Yu, Toshiya Ozawa)

EFL Best Speakers:

1st: Atsushi Sumida

2nd: Takua Baba

6th: Toshiya Ozawa


馬場さん、ありがとうございました🌟