雨上がりの台北、空はラムネ色。2017 Taiwan Debate Open

今回は19期のわだのんこと和田野澪が、5月20日から22日まで行われたTDO (Taiwan Debate Open)の感想を書いてくれました!:)残念ながらブレイクは出来ませんでしたが、彼女の台湾紀行文に溢れる文才に注目です! Bitte!!!


やなぎ:「台湾の暖かい気候とおいしいご飯で、わだのみおのネガティブを治そう( ◠‿◠ )幸せになろうよ( ◠‿◠ )」

わだの:(いや別にわたし不幸ではないんだけど…)

 

浅野皓太郎ファンクラブ(注1)台湾遠征計画は、ICUTのブレイクナイトでの、やなぎももかの意味不明な勧誘から始まったのでした。

 

というわけで、どうもお久しぶりです。未だにひっそりと生存していました、KDS2年のわだのみおです。かなり昔ですが、私・ふくだみおこ・やなぎももか+提供ジャッジのきよの4人で参加した、5/20-22台湾の国立政治大学で行われたTaiwan Debate Openに書きたいと思います。

1.大会参加の経緯
2.大会の振り返り
3.思ったこと
 a)大会について
 b)台湾について
 c)得たものについて

国外での大会、というせっかくのイレギュラーな経験ですので、今回は「シャカリキディベーター日記」的な趣向ではなく、滞在全般に関してラウンド以外で自分が感じたことに重きを置こうと思います。「お前の個人的旅行記なんか興味ねーよ」みたいな方は、ぜひ次回くらいのジェミニブログにご期待願います。すみません。

 

注1)当ファンクラブは、1月のAsian Bridgeの際に、筆者・ふくだみおこ・やなぎももかをその構成員に発足。浅野皓太郎氏とは、他ならぬ18期のキャプテン(現・練習担当)を指す。彼の名をチーム名に冠することになった経緯は不明。

1.大会参加の経緯

既にこのチームはジェミニでの再結成が決まっていましたが、「(おそらく国内でしか練習しないであろう)ジェミニの他チームに対して、圧倒的にadvantageousな練習環境を得られる」という理由から、ジェミニの前哨戦として台湾に行こう、という話になりました。

8チームブレイクとハードルは高かったものの、出場するからには妥協しない、ということで、意識高めの私たちは最初からブレイクを目指しました。

そしてチーム名はもちろんKotaro Asano Fan Club。ロールコールのたびにACの海外オーソリたちに”Kotaro Asano”の名を言わしめたので、愛すべき我らが皓太郎さんの効果的なPRができて大変喜ばしかったです。そういえばこれ略したらKFCなのね🐔。今気づいた。

驚愕の70円ご飯の、あまりのしょぼさに全身でがっかりを表現するやなぎももか

驚愕の70円ご飯の、あまりのしょぼさに全身でがっかりを表現するやなぎももか

ホテルの部屋

ホテルが快適すぎてビビった

2.大会の振り返り

予選ラウンド

2日間の予選ラウンドでは、身構えてた割にはオーソドックスなmotionが多かった一方、「Taiwanese identityて何ぞや(;゚ Д゚)」のように、プレパの最初の10分で方向性が思いつかないこともありました。

大会直前は強気を維持できず「ブレイクに固執せず、楽しもうや」みたいになっていたものの、4winsで何とかバブルまで行けました。しかし結局ブレイクには及ばず。でもまあ12位という非常に惜しいところまでは行けたので、結果に落ち込み過ぎることもなくジェミニに向けて直すべき欠点を冷静に洗い出せました。

対戦相手は、なんと中学生…!?

対戦相手は、なんと中学生…!?

ブレイクラウンド

前日の疲れと課題があったので、私はちょうどEFLグラファイが始まる頃に行きました。

EFL GFのMotionは「THBT the public education system should not teach morality to children」。Govが「何がmorally rightかはその時々のspecific situationによって異なる。」という前提をしっかり埋めていたため、Govベンチを通してその議論の綺麗さに感嘆しました。

OpenのGFも、スピーチの覇気からしておおおーとなるもので、これを観れただけでも台湾まで来た甲斐があったと思います。この感動は私の欠陥だらけの日本語力では到底表しきれないので、あえてこれ以上は書きません。

3.思ったこと

a)大会について

顔ぶれも同じでどの大会での体験も若干マンネリ化してきた今日この頃、国際大会では国内大会とは違う楽しみがあると思います。

私が今回感じた違いは、例えばラウンド後の積極的なソーシャライズですかね。今回は、対戦した全てのチームが必ずと言っていいほど向こうから私たちに話しかけてくれました。

あと言うまでもないですが、有名な海外ディベーターに会えるというのも新鮮味の一つでしょう。音源でしかお目にかかったことのないAshish(今回AC陣として参加)が同じバスにいる光景は、これぞ国際大会って感じでした。

b)台湾(台北)について

1日目の夜は、みんなで夜市に行きました。私は、好物の明太子・チーズが更なる好物の卵で包まれた玉子焼きを買い、QOLダダ上がりです。でも、これとIce Monsterのかき氷以外は台湾グルメを満喫できずじまいでした。

「金蛋爆漿玉子焼」というお店の卵焼きです。フルーツ入りのとかもありました。

「金蛋爆漿玉子焼」というお店の卵焼きです。フルーツ入りのとかもありました。

 

夜市の入り口の門。

夜市の入り口の門。

 

左からみおこ,筆者,背後のきよ,まりえ(ICU),そしてその後崩壊したパンダの小銭入れ

左からみおこ,筆者,背後のきよ,まりえ(ICU),そしてその後崩壊したパンダの小銭入れ

最終日に帰った私ときよ以外は、翌日も観光したみたいです。

話はややそれますが、このTDOの練習・滞在を通して、WADのこもさや、ICUのまりえとその保護者の教授さんこと黒木健さんと仲良くなりました。

あと何と言っても、台湾は会う人みんなが優しい。フードコートで席を譲ってくれたphotographerの男性は、翌日までの大学の課題があるにもかかわらず初対面の私たちに夜の台北の街案内をしてくれました。
閉塞した毎日で何事にも疑り深くなりがちだからこそ、異国の地での人間の暖かさが心にしみました。(ちなみにSIDOの時上海でぼったくり被害にあった気の毒なきよは、最後まで彼を疑ってましたが。)

夜市の雰囲気でてるいい感じの写真。

夜市の雰囲気でてるいい感じの写真。

Photographerなだけあって、セルフィーが上手い例の親切な彼(右下)。この人数がちゃんと収まるとか凄すぎません?

Photographerなだけあって、セルフィーが上手い例の親切な彼(右下)。この人数がちゃんと収まるとか凄すぎません?

Ice Monster 期間限定のあずきピーナッツなんちゃら味。多分日本にはない😚

Ice Monster 期間限定のあずきピーナッツなんちゃら味。多分日本にはない😚

火鍋エンジョイするみんなと、一足早い帰国のために行けず悔しがる筆者の生霊((((;゚Д゚))))

火鍋エンジョイするみんなと、一足早い帰国のために行けず悔しがる筆者の生霊((((;゚Д゚))))

c)得たものについて

①Kotaro Asano Fan Clubのチームワーク

三人が全力で戦い抜いたジェミニを終えた今振り返ると、TDOで得た中で一番大きなものは、「勝つためには何が最善なのか」をそれぞれが意識できる建設的なチームワークだったと思います。

プレパで不明瞭な日本語・結論の見えない断片的な分析を散らかす、という悪癖の私は、それをまとめ直してファーストに渡すという甚大な負担をセカンドのやなぎももかに強いていました。R5後耐えきれなくなった彼女は、口をきかないくらい感情的になってもいいのに、決してそうはせずどこをどう直して欲しいかを具体的に要求してくれました。はっきり言われるまで自力で改善できない私の無能さを我慢し、「わだのみおの、この分析は良い」と現状での私の活用法を考えてくれたももかの人間の大きさに、私は本当に助けられました。

また、ファーストという更なるプレッシャーを抱えるみおこも、私のdisruptiveなプレパを一度たりとも責めず、かつラウンド中・後にチームの反省点を冷静に分析してくれました。視点の的確さも見事で、RFDのあと「みおこの言ってた通りの負け方だったね」と言うことがしばしばでした。彼女のもう一つの凄いところは、強烈なプレッシャー・不安定なメンタルの下でも決して歩みを止めないことです。メンタルが弱ると強制終了・再起動が必要な私は、「もう死にそう」と言いつつ地道な努力を続ける彼女の姿に背中を押されていました。

このようなお互いを高め合う関係も、3人が「TDOブレイク・ジェミニSF進出」の目標に同じだけの熱意をもっていたからこそ築けました。Veto練用のモーションセット・その日のラウンドのモーションに関するdiscourseで埋め尽くされたグループLINEのトークを遡ると、こんなに仲間とがむしゃらに頑張る経験なんてもう滅多にないだろうな、と寂しくなります。

浅野皓太郎ファンクラブ。またの名をKotaro Asano Fan club。あるいはKDS K。

浅野皓太郎ファンクラブ。またの名をKotaro Asano Fan club。あるいはKDS K。

②どうにもならないことに固執しないメンタリティ
建設的であるためにもう一点、「欠点の克服方法」という答えの見えない問いにとらわれすぎないのも大事なことです。
もちろん最大限の努力をした上での話ですが、それでも現状ではどうにもならないことは沢山ある。その時に、現状打破のための努力からあえて一旦意識を離すのも賢明なことだと気づきました。

やなぎももかは、たまにORで彼女の生きがいのK-POPの動画を見せて布教してくれます。直前の試合で負けてもその時のももかは本当に生き生きしてます。練習からの吸収力が凄まじい彼女ですが、それはこの、エネルギーの注ぎ方の絶妙なバランスの上に成り立っているんだと思います。

私も、台湾という非日常空間に身を置くことで、ディベートにおける課題に縛られすぎない心の余裕を徐々に得ました。

桃園空港へ向かう帰りの地下鉄の駅。大会の反省を考えるにつれ自己嫌悪とジェミニへの不安で気疲れする中、列車接近を告げるノクターンの上品な旋律にのせて静かにホームに到着する列車の優雅さに、何故か思わずほろりとなりました。単に涙腺弱ってただけかもですが、身の回りに散りばめられた小さな感動に気付けるくらいには人間らしさを取り戻せた気がします。やなぎももかの冒頭の言葉通り、ジェミニに向けて私はディベート以外の幸せを得る必要があったのでしょう。
どんなディベート好きでも、反省点を抱える時は少なからず苦行的要素を感じているはず。今まで私は、反省を活かすための果てない苦行のみにエネルギーを集中させていました。でもよほどの人間でない限り、それは長続きしません。とりあえず言いたいのは、メンタル的な長期戦でもあるディベートにおいて、“ディベキチ”を一瞬やめてみるのも有効な手段で、国際大会というのはその絶好の機会だということです。
最後に、私たちをサポートしてくださった方々への感謝で締めくくりたいと思います。4年生の忙しさにも関わらず朝っぱらから新宿のガストまでCJSレクチャーしにきてくださったしょうさん。積極的に声をかけてくださって、この期に及んでvetoの方法レベルの基礎を聞いても1から説明してくださった淳さん。名前をチーム名に掲げさせてくださった皓太郎さん。直前に何度も練習に参加させてくださったWADとICU。そして、ディベート人生そのものであるマターノートを惜しげもなく共有してくださり、私たちのプレパに付きっきりで指導してくださり、単なるマターダンプではなく私たちの質問に対しちゃんと考えて答えてくださる…など、もはやかかりつけ医並みに頼らせてくださった駿介さん。というか、やなぎももかを通じて昨年のBPノービスでの駿介さんマターを活用させていただいたので、その時点にさかのぼって感謝です。

感謝の気持ちはこれではまだ10%も表せていませんが、そろそろ4000字超えそうなのでこの辺で。


 

わだのん、素敵な文章ありがとうございましたー!💕思った以上に元気そうでよかったです。台湾いいなあ、羨ましいなあと思いながら投稿してました。幸せになれたかな?笑

以下が、KDSの実績となります。

Breaking Adjudicator
Kiyonobu Tamai

✨Congratulations!!!✨

次の更新もお楽しみに〜Tshüss~