Gemini優勝魔剤?

こんにちは、広報の藤井です!6月18,19日にお茶の水大学、ICUで2年生最強決定戦であるGemini Cupが行われました。そこで、一年生にしてチームKDS Eを優勝に導き、個人でも輝かしい実績を残してくれた田村光に感想を書いてもらいました!


「来年のGeminiは出禁な」と言われたKDS一年の田村 光です。Gemini Cupの感想文執筆を依頼されたので、「魔剤?」と思いながらも魔剤を飲みながら筆を執るに至ります。
注 魔剤(まざい) 1「まじ」の町田語 2 Monster Energyのこと
魔剤(定義2)

魔剤(定義2)

目次

0この文章を書く目的
1結果報告
2当日の時系列的記述
3Gemini出場に際して設定した目標とそこまでのアプローチ
4自分が考える優勝した理由
5この優勝をどう捉えるべきかそして私が思ったこと
6謝辞

0 この文章を書く目的

私がディベートサークルのブログを見るときに求める事を自分にも求めたいと思います。即ち(a)サークル活動の記録としての役割 (b)執筆者の経験・視点の 共有、の二つです。また、自分が文章を書く際に自らに要求する (c)自己の思考・経験の文章化による思考の整理及び洗練、も意図してこの文章を執筆しま す。文章を書くのが比較的好きなタイプなので少々長い文章になることが予想されますがお付き合い願います。まあ5だけでも見てください。

 

1 結果報告

今回私はKDS2年の郷中さん、舜生さんと共にKDS Eとして出場し11位ブレイク、優勝、私個人としては10th best speakerを頂きました。つよそう(つよそう)。 因みにRoleは1st郷中さん2nd&Reply舜生さんWhip私でした。

 

2 当日の時系列的記述

別にラウンドで大したこと言っていないので具体的に自分たちがどんな論を言ったかとかは特に書きません。逆説的に言えば私が「自分たちが何を言ったか」書いたらそれは大したことだと私が思っているものである可能性が高いですね。

1日目

極度の方向音痴というか電車音痴なので途中で魔剤をドーピングしつつ親に手を引かれる小学生の如く郷中さんに会場まで連れて行って頂きました。

R1 Win Gov THBT governments of developing countries should actively invest in sex tourism

スピーチは散々かつ論のモーションへの関連性が薄く後悔しか残っていません。関連性に関して具体的に言うと、modelにより齎される利益について主に話してしまうという典型的なextra topicalでした。予選のマッチングシステム及びブレイク順位おいてスピーカースコアが大切だと分かっていたので一応は勝ったものの大会の出鼻を挫かれる思いでした。tabを見てみると76点という今大会で最低点を記録していました。

R2 Win Opp THW allow the police to implement racial profiling

郷中さんが練習の時の2万倍くらい上手くてびびりました。曰く「大会だと本気出る」だそうです。それと舜生さんが路上における職質等所謂「犯罪者予備軍扱い」が如何に辛いかという例として「hair color profiling」と称して髪の色のせいで登校中に職質された経験を話されていました。本当に登校していただけなんですかねえ…?私のWhipは普通でした。試合を纏めつつ新しい分析を大量に出すという特筆すべきことのないスピーチでしたがR1でしくじっていたので安堵しました。点数も78.67と、まあこんなものかなという感じです。

R3 Lose Opp THW allow medical professionals to opt out of performing treatments on the basis of conscience

本番2日前の駒場練お邪魔させていただいた時にほぼ同じモーションを同じサイドでやっていて進研ゼミ状態でした。それは対戦相手のUT Bも一緒だったようでで偶然が過ぎるなあと思いました。その結果議論の展開はかなり早く相手の議論も強くGWを聞いた時点でやばいと私たちの頭の中で警鐘が鳴っていました。その中で臨んだOW、今大会で一番情熱的なスピーチをしたんじゃないかと思います(因みに情熱的だった部分はすべてアドリブでした。まさに即興ディベート。)Geminiは3勝すれば大抵はブレイクできるのでここで勝って安心してR4を迎えたいという思いで臨んだこのR3、自分のOWを終えてORを聞いて「勝った」と思っていたのですがジャッジコメントで負けを告げられた時「魔剤?」って感じでした。RFDに納得できなくて質問してラウンドが終わってからも質問して納得しました。いや、今も納得してないかもしれません。まあいずれにせよ説得できなかった自分達のせいですしRFD自体は凄く細かくされていましたので自分たちに非があると納得しました。余談ですが2日目の帰りの電車でR3何点かな~80超えてるかな~とワクワクしながらtabみたら79でふぇぇ…ってなりました。納得できません。

R4 Win Gov THW provide welfare in the form of basic goods and services rather than in the form of cash payments

R3で意気消沈して次は絶対に勝とうと意気込む中発表されたその対戦相手_________KDS A  「は?」って感じでした。端的に言って絶望です。veto決定からプレパまで完全に負けムードでした。仮に勝ったとしてもKDS Aという同じ大学内最強チームをブレイク落ちさせるという大変後味の悪い結末が待っており誰も幸せになるシナリオが見えませんでした。そんな中臨んだR4、どうせ負けるなら兎に角楽しくディベートをしようと思いながらPOIとスピーチしてたら何故か勝ちました。具体的にはoppの「政府は市民個人の最低限の基本的な生活だけでなく幸福な生活を担保するべきである」という原則論に対してPOIで「恋人いなくて不幸なんで政府は私に彼女ください」とかGWで「私は50億円ないと幸せじゃないんで50億円税金から払ってください」などと煽りをいれつつバブルラウンドにおける部内戦という陰鬱なラウンドで笑いを引き起こしました。tabを見てみると82点もらってて凄く嬉しかったです。多分POIが80点くらい占めてると思います。

2日目

1日目に同じ

ブレイクアナウンスメント

上の書き方だとR4楽勝だったみたいに見えますが、勝ったという確証などなくブレイクアナウンスメントまでは心拍数が102くらいになってました(実測)。KDS Eという名前が表示された瞬間心拍数130くらいになったと思います(推測)

Oct final Win 2-1 Opp THW not require real estate agencies to disclose information concerning past incidents of suicide and crime that happened in their properties

Veto決める段階で勝ち筋が見えてました。Whipも個人的にはかなり良かったです。イントロで「I’m going to require myself to disclose information concerning their failure that happened in this property」と言ってスピーチ始めたらジャッジの方が笑ってくださりました。大量に色々な新しい分析をOWで出したのですが、一番面白いなと自分で思った分析は「人間にとって部屋がどういった意味合いを持つのか」というものでした。社会からの束縛や義務から逃れて安息を得られる唯一の場所であるみたいな分析をモーションに絡めながら話した記憶があります。次点で面白かった分析(これは舜生さんに2ndで言っていただいた)は「逆にニッチな需要によって事故物件価格あがるんじゃね?(適当)」というものです。

Quarter final Win 4-1 Opp THBT western states should stop interventions(such as tied aid and sanctions) to enforce democracy in developing nations

大会3日前と前日にIRで壊滅的ディベートをした反省を生かして郷中さんがIRのマター大量に集めてくださってたので、とりあえず大量に事例だしてそれっぽく理由つけるというまあレベルの低い戦いをしてしまいました。ブレイクラウンドで一番勝てるかどうか不安だったラウンドです。IRちゃんと練習しないとこうなるんだなあと思ったのでこれからは嫌がらず他のモーション同様に練習します。余談ですがこのラウンドから一気にブレイクラウンド感が出てきました。ジャッジが5人になり聴衆も沢山、しかも私たちを応援してくださっていた方々が、私たちの発言にいちいち頷いてくださっていて楽しかったです。

Semi final Win 6-1 Gov THW ban racist and extremist political parties

対戦相手がKDS BということでR4の再来です。会場広すぎ且つ観客多すぎて楽しすぎました(語彙力0)。自分のwhipもある程度上手くいったもののOW,ORも強く、勝敗はどっちにも転ぶかなあと思いました。舜生さんがGRで登場しました。爆笑しながら勝ちを確信しました。

Grand final 8-1 Gov THBT states should not instill nationalism through education

郷中さんと舜生さんは今大会で一番とも言えるくらいのスピーチでした。私に関しては、(a)私がプレパで二人に渡したマターが全て1st2ndで出きった(b)相手のケースがモーションから外れていて逆に焦った(c)(b)によりほぼ勝利を確信した という3つの理由からなんとスピーチ時間が2分余り、挙句の果てに「多分勝ったと思うんですけど(名推理)」「これ以上言うことないです」「POI下さい(懇願)」と言い出す(英語で)始末でした。本当はもっと細かく綺麗に反論できたしするべきだったのでしょうけど動転してたので相手の論が論題に関係なくない?とかBOP果たしてなくない?って只管強調してました。多分68点スピーチくらいだと思います。私も決勝でカッコいいスピーチしたかったです。でもチームとして会場全体を盛り上げられてよかったです。
魔剤だった

魔剤だった

 

3 Gemini出場に際して設定した目標とそこまでのアプローチ

 まず成績に関して、当初は郷中さんと舜生さんのお二人が「Semi finalまで行きたいなあ」と仰っていました。ところが春T終わった瞬間に郷中さんが「Semi finalとかいう目標立てたのくだらな過ぎた。絶対優勝するぞ」みたいなことを言い出して「(気でも狂ったのかな)」って思ってました。後日お二人にその話をしたら誰も本気で優勝できるとは思ってなかったみたいです。
 その成績を達成する為のディベートスタイルに関して、3人とも海外経験がなく英語もあまり得意ではないので、特に突飛なことはしないけど絶対に決定的な間違いをせずに正論を言い大量の分析を分担して出すというスタイルを意図せず目指していたみたいです。完全に結果論ですけどね。
 そしてそのディベートスタイルを達成する為に私が設定した目標が「お互いをお互いに率直に批判できる関係を作る」ということでした。ディベートが団体競技である以上チーム内の協力は不可欠です。それ故にチーム内での不和といったものは起こりやすく、その不和がパフォーマンスを落としまた不和の原因となるといった最悪のサイクルは防がねばなりませんでした。
 具体的にこの関係づくりに際してしたことといえば、ディベート一般について話し合ったりよく一緒にご飯行ったりお互いに年齢関係なく煽りあったり下らない内輪ネタで爆笑するとかいうディベート関係ないことばかりですね。でもそのおかげで私たちのチームは何の問題もなく常に爆笑してましたね。いやー楽しかった。全く苦はありませんでした。
 因みに私たちのチームは郷中さんが行政、舜生さんが司法、私が立法みたいな感じでした。私が只管延々とマター出して舜生さんが間違いを見つけ次第指摘して郷中さんがそれらをもとにケースを出力する。

4 自分が考える優勝した理由

・人間関係が良すぎた
・毎試合毎に何が出来たか出来なかったかを確認した
・プレパの進め方を完璧にシステム化した
・1st,2nd,whipの段階で出す論や反論及びそれらの分析の種類を全て決定した
・ブレイクラウンドで当たりたくないチームに当たらなかった
・ユーモアやPOIなど聴衆へのアピールに長けていた
・練習や試合を常に楽しんでいた
・魔剤でドーピングした
Gemini2

5 この優勝をどう捉えるべきかそして私が思ったこと

 正直優勝は運が大きく絡んでいるので優勝したからと言って私たちが一番強いわけでもなんでもありません。優勝したこと自体は嬉しいですけどディベートにおいて終わりなんてないし全試合で85点取ってないし慢心せずに頑張りたいと思います。因みにブレイクラウンド見ていただいたジャッジの方全員にフィードバックを貰ってる最中なのですが自分がズタボロに批評されてて本当に自分は優勝したのか?と疑問を持ち始めてます。
 何はともあれ「優勝した」という事実が、以下の私見に対してある程度の説得力を与えてくれるのではないかと思います。
・弱いスピーカーが3人集まって協力すれば強いスピーカー3人のチームに勝てる
・帰国子女・ネイティブじゃなくても勝てる
・学年なんて関係ない
・POI一つで相手の論全て殺せる
・リプライは超大切
・リプライとウィップは積極的に区別する
・大会前の優勝予想やどのディベーターが強いといった下馬評は覆せる
・自分で常に頭を動かして考えて考えて考えるべき
“”It’s an absolute pleasure for KDS E which is labelled as the fifth team in KDS to stand on the Grand Final as a Dark Horse in this tournament””
言いたいことはまだまだありますが、とりあえずKDS “””E”””というチームで色々と波乱を起こせたのではないかと思います。
geminic

6 謝辞

練習及び大会で対戦・ジャッジして下さった方々、運営の方々、応援してくださった方々全員に感謝します。
スペシャルサンクスとしては
KDS A、KDS Bの皆さん。KDS AはR4でブレイク権を、KDS BはGF進出権を私たちに奪われたという形だったのに応援してくださり、本当に嬉しかったです。彼ら彼女らこそ私たちよりもスポットライトを当てられるべき存在です。優勝できて本当によかったです。
ますしょうさんとチンニーさん。本番まで何回も何回もジャッジしていただきました。お二人の熱意と期待というものに少しでも応えられたのならば幸いです。
郷中さん いつも電車移動の時に同行してくださりありがとうございます。でも普段から本気出して下さい。

舜生さん いつも私が紙とペンを忘れたときに貸してくださりありがとうございます。でもマターは出してください。


ありがとうございました!

筆者自身、ブレイク落ちして意気消沈していたのですが、彼らのスピーチを見てすごくパワーをもらったような気がします。これからも、上級生大会、1年生学年大会ともにがんばっていきましょう!
以下、1週間前に行われていたPre-Gemini Cupと合わせて結果報告です。

Pre-Gemini Cup 2016 (12 June)

Best Adjudicator Sho Masuda
5th Best Speaker Kotaro Asano
3rd Best Team KDS A (Shunsuke Kanda, Kotaro Asano, Masako Ishihara)
5th Best Team KDS B (Sae Kobayashi, Atsushi Sumida, Kae Natsume)

Gemini Cup 2016 (18-19 June)

3rd Best Adjudicator Sho Masuda
5th Best Adjudicator Mitsushi Ono
Breaking Adjudicator Chin Yi Chow, Masahiro Michigami, Nanami Hara, Kasumi Nogawa, Ryo Hayakawa, Kentaro Hoshiba (DCA)
3rd Best Speaker Kotaro Asano
7th Best Speaker Masako Ishihara
10th Best Speaker Hikari Tamura
Champion KDS E (Kentaro Gonaka, Shinki Nakamura, Hikari Tamura)
Semi Finalist KDS B (Sae Kobayashi, Atsushi Sumida, Kae Natsume)
Reserved Breaking Team KDS A (Kotaro Asano, Shunsuke Kanda, Masako Ishihara)
DCA Kentaro Hoshiba