2022 ブログリレー #3

折り返し地点となるブログリレー3日目は、大学に入ってから初めてディベートに触れた24期の阿讃坊元(あさんぼう・げん)さんです。

高校時代の部活はラグビー部、英語ともディベートとも無縁の生活を送ってきたそうです。それでもKDSに入ろうと思った理由、そして実際に入ってみて良かったことなど、初心者ディベーターはもちろん、経験者にも参考になる内容となっております。


こんにちは!KDS24期、理工学部物理情報工学科2年の阿讃坊元(Asambo Gen)と申します!

KDSっていうのがあるんだ~という新入生の方々に向けて、KDSにはこんな人もいるよ~というのを伝えた上で、個人的にKDSの良いと感じたことを伝えていきます!

他のブログリレーを書いている先輩たちと比べた時に自分だけが持っている特性としては、元々英語できない+ディベート未経験+理工学部+浪人+自分の意見を持つのが苦手です。


Table of contents

  1. 自己紹介〜どうして私がKDSに!?~

(a)高校時代までのこと

(b)サークル選びのとき考えたこと

  1. 入ってからの1年間

  2. 最後に新入生へ


1. 自己紹介〜どうして私がKDSに!?~

なんかうさんくさいサブタイトルですが、お付き合いください!

(a) 大学入学まで

高校のときには英語ディベートとは全く関係のない生き方をしていました。部活はラグビー部。毎年初心者しか入ってこないのに結果が出せます!というのをウリにしていたことに惹かれました。

合宿で吐くまで走らされたり、脳震盪を繰り返したり先輩殴ったり先輩に殴られたり後輩に殴られたり(?) なかなか刺激的な毎日でした。運良く花園ベスト16まで進んだ後に引退することになり、これが1月1日のことで、なんとなくの勉強しかしていなかった私は学力が足りず大学に全落ちして浪人、一年後慶應の理工学部に入学しました。

ちなみに一浪後のT大入試でも英語60点、リスニングが6/15しか合ってなかったぐらい英語が飛びぬけてできませんでした。英検受けたことなし、その他民間試験全く受けたことなし、で全く英語を話せない…という感じで、高1の英語の授業ではネイティブの先生に当てられたときにもYesかNoかしか英語が出てこず、その後は全てジェスチャーと擬音で答えていました。

I’ll show you.って言って教室のカーテンにしがみついてミンミン鳴いてセミを表現したり、電子レンジの物まねをして電子レンジを伝えた日々が思い出されます。

また、高校の時には自分の考えを絶望的に持っていませんでした。部活では監督とチームメイトの言うことに完全服従、クラスの出し物考えるときではずっと「考え中です」ばっかり言ってたタイプです。この場を借りて当時のクラスメイトに謝りたいです。

英語ディベート部は高校に一応ありましたが、帰国生が無双!勝った!やったー!みたいなノリで、初心者への敷居がとても高く感じられ、さらに私は当時言論ではなく筋肉が正義💪💪だと信じて疑わなかったので心底軽蔑していました。正直大学になってディベートを始めるとは全く思っていませんでした…

(b) 入学してサークル選びをすることになって

入学当初の自分がサークル活動に求めていたのは、

(1) 活動から得たものが将来の役に立つこと、日常に役立つこと

(2) 単に楽しいのではなく自分の成長を感じられることで楽しいと感じられそうなこと

(3) いろんな学部の人がいること

の3つでしたが、自分にとってKDSは全ての条件を満たしていました。それぞれの点に関して、入る前の自分の考えと、実際KDSはどうなのかについて解説します。

 

(1) 活動から得たものが将来の役に立つこと、日常の役に立つこと

日本語ですらできなさそうな難しいことを英語で議論!そんなんできたら将来に絶対に役立つやん!と思っていました。

理工に関わることだと、将来国際学会で堂々と議論できたらかっこいいなーとか、外部の院に進む場合は英語民間試験である程度の成績が必要なのですが、その勉強のモチベーション維持として大学の人と英語を使う時間を増やしたい!と考えていました。

実際KDSに入らなかった場合よりは、英語力も、もっともらしい文章を書く力も上がったように感じます。(1年の時、レポートで評価される一般教養科目の成績は全て最高評価でした)

 

(2) 単に楽しいのではなく自分の成長を感じられることで楽しいと感じられそうなこと

(1) とつながる部分もあるのですが、楽しかったけど後から振り返れば何も残っていない…

というようなことに時間を使うのは虚しいと思っていました。また、ある程度短い期間ごとに成長が形になって感じられるものを求めていました。ディベートが相手との相対評価で勝ち負けがつくことは否定できませんが、KDSでは試合形式の練習を毎回すること、任意参加の大会がたくさんあることから成長を実感しやすいです。

 

(3)いろんな学部の人と交流できること

大学では色んな人と話がしたかったので、学部が偏りすぎていないサークルが良いと思っていました。KDSはほぼすべての学科の人がいて、さらに大学に入るまでの経歴も多彩です(経験してきたことが違いすぎて、高校あるあるとか、ギャグが通じなかったりすることはあるのはちょっと悲しいですが、それもまた面白い!)。

2. 入ってからの体験

4月に入会して、1年生用の練習として企画してくださった週3回のスピーチ練習を5月まで繰り返しました。

スピ練は論題を決めていただき、20分準備して、英語で話せるだけ話した後先輩からひとりずつ丁寧なフィードバックがもらえる、というものでした。先輩と他の一年生と自分の3人で1部屋にいて、他2人しか自分のスピーチを聞いていないのにも関わらず、英語を人前で全く話したことがない自分は毎回手汗がやばいし、スポーツテストの1500m走前並みに緊張するしで体が持つか不安でしたが(手汗のやばさを誰かと共有したかったけどオンラインだったのでムリでした…今年の1年生は共有できますね。羨ましい)。

4月初めには30秒ほどしか話せなかったのにも関わらず、1か月後には7分なんとか話せるようになりました(手汗も落ち着いてきました)。先輩からのフィードバックが素晴らしく、さらに何が足されれば強い立論になるか、というのを毎回教えてくださったので、言われたようなこと(主張したいこと全てにちゃんと理由と具体例がついているか?その理由を説明する内容がさらに必要ではないか?その具体例はどのような点で主張したいことを現実的に見せているのか?など)を足していくようにしていけば7分は自然と話せるようになり、むしろそのうちもっと時間が欲しい!と思うようになるはずです。

同期のディベート未経験者の方々は、人によっては2回目の練習でも7分話せるようになっていました!

それからは1年生同士でのNAのラウンド練(2vs2)などもなんとか入っていけるようになり、6月に1年生だけの大会に出させてもらい、ペアの活躍もありいい試合ができました。春~夏の1年生大会は、周りの一年生も初心者ばかりなので安心です!

大会のいつもとは違う緊張感や他校の人との楽しい交流に惹かれて、その後何回も大会に出場させていただきました。12月と2月の大会ではRookie breakやRookie speaker prizeも経験できました!

比較的忙しい学部にいて、しかも兼サーしたい!バイトもやりたい!と思っていたので、事前の準備が必要ない即興型で拘束時間が比較的短いことと、練習が任意参加であるため日によっては課題を優先することができたりすることに助けられました。

1年間続けてみて,KDSの活動は「自分の考えを持つ」という部分に関して2点有益なことがあるように思います。

1点目としては、まずディベートをやらなければかしこまって教わることのないような頭の働かせ方の基礎を学べることです。例えば何らかの社会問題を考えるときにも、それに関わるどのような人が現状いるのか?を深く分析した後に、それがどのような影響を受けるのかを考えたり、相手側では守れないが自分側では守れることは何かを常に考えるなど、ある程度体系化された 言い分の考えつき方 を習得することができます。もともと意見を持てる人は自然とできているようなことなのかもしれませんが、だからこそ元々できる人とできない人の差を埋めるのに役立つと思いました。

2点目としては、「社会的に問題になっているけども自分が考えたところでしょうがない」と今まで逃げ続けていた事柄が、論題という形で与えられることによって、片方の立場の意見を嫌でも考えさせられることになるということです。ネット書き込みの匿名性の是非や、マリファナを合法とするかなど、よく言われているけど結局何が問題なのか分からない、またはたとえ考えたとしても自分は政治家じゃないしデモに参加するつもりもないから考えたところで無駄、と思っていることありませんか?ディベートが終わった後に個人的にはどちら側を支持したいと思うか、ラウンドで出た主張をより現実的な視点から比較して決めれば、それが あなたの意見 になります。その根拠自体は自分が考えたものでなくても、もっともな理由だと自分で納得できればそれでいいはずです(どちらの意見もよくわからない≒「考え中です」であるより何倍もマシ)。

3. 最後に新入生へ

大学生活は自由な時間が長い分、その時間を使って関わる人間、属するコミュニティーなどに影響されて生活の質が大きく変わります。しっかりと考えてサークル選びなどしてください。

慶應は様々な人が入学する大学であるので、中には慶應が一番の理想ではなかった人もいると思います。まだ傷は癒えてないかもしれませんが、それでも慶應で頑張ろうと決めたならば、「理想の環境にいたら形成されたであろう自分」よりも良い自分を慶應で作ることが、過去の失敗と進学を決めた自分自身を100%正当化する唯一の方法だと思います。

KDSはあなたの力になります!練習で待ってます!