Everything is Practice

みなさんお久しぶりです。新歓期が忙しく、更新が遅れてしまい申し訳ありません…💦

今回は、2月に北京で行われたBDOについてのブログを21期のとしやに書いてもらいました!1年前は初心者だったとしやがこの1年でいかに努力し、ディベートの技術を磨いてきたかがわかる内容だと思います!ラウンドの反省で参考にした資料や音源などのURLも詳しく書いてあるので、ぜひ読んでみてください(*´`)

それではどうぞ!👇👇


KDS21期、新2年生の小澤俊哉です。今回は北京で行われたBritish Parliament(BP) Styleの国際大会、Beijing Debate Open(BDO)について書かせていただきます。大したことは書いていないですが、よかったら読んでみてください。


Table  of Contents

1.自己紹介

2.出場の経緯

3.結果

4.大会まで/練習方法

5.各ラウンドの反省

6.謝辞


1. 自己紹介

 Parliament Debate(即興ディベート)は大学に入ってからはじめました。結構大会出ている方です。色々懐かしくてとてもいい経験になりました。組んでくれた方々には感謝の気持ちでいっぱいです。さて、ディベートに関する素晴らしいブログや文章がたくさんある中で、何書けばいいのかなって迷ったのですが、初心者から始めて間もなく1年の視点から、ディベートの「練習」に関して考えていることに触れつつ、大会を振り返ってみようかなと思います。多くの内容はもうすでにいろんなブログ、記事、資料に詳しく書かれていることだと思いますので、色々読んでみてください。
また新歓が近いので、触れておくと僕はいわゆる兼サーをしており、スパイラルというサークルでアイスホッケーもやっています。例えば、学校のある水曜日は授業を受けて、図書館でディベート等の勉強をして、ディベートの練習行って、アフターで楽しくご飯食べて、家帰っ
てすぐアイスホッケーの深夜練に行くという日程です(笑)。大学生じゃないとできないような充実した日を過ごしています。BDOから帰国した当日も、ホッケーの練習に行きました。芸能人みたいな生活だね、不思議な組み合わせだねってよく言われますが、どちらもとても楽しく
て周りの人に恵まれていて、両方入ってよかったと思っています。ぜひいろいろなことにチャレンジしてみてください。

2. 出場の経緯

 嶋本さんとは新歓期の時から仲が良い先輩でしたが、なんだかんだ練習ですら組んだこともなく、試合で当たったのもプレジェミニぐらいで、いつか組めたらなぁってなんとなく思っていました。今回誘っていただき、BP styleがNEAOで終わるのは悔いが残ること(1日目6点から大
失速してブレイク落ち)、ザ関西などに出ることができないこと、春休みという時間があるときにしっかり個人練して海外大会に挑みたいこと、嶋本さんが帰国していた時に何回か練習した感じ話しやすいことを考慮して出ることにしました。ロールは話し合いの末、嶋本さんが1st/Whip、僕が2nd/Memberとなりました。

3. 結果

 結果はチームとしてOpen Semi Finalで2-3で敗退で、個人としてOpen 12位、Novice 1位でした。はじめてのオープンブレイクで、全然悪くないはずですが、今大会はGF進出/オープンスピーカープライズ入りという目標を自分の中で立てていたので、とても悔しい結果という感想
です。グラファイ行きたかった、トロフィーがほしかった、オープンスピーカープライズ入りをしたかった、そして何よりもっといいスピーチをしたかったというのがあります。それでもいろんな面で成長や課題を再確認することができたので、また頑張ります。

4. 大会まで/練習方法

 今回、チームメイトの嶋本さんが香港に留学中ということもあり、直接会っての練習(ラウンド練など)は難しいので、練習や準備の仕方は特殊になったかと思います。その中で、実践した/現在も実践している練習方法や考えた/考えていることを振り返ってみたいと思います。注意点としては僕の個人的な思考の「過程」で模索中であること、そこまで結果を出していないこと、まだ完璧にできていないこと、いろいろな先輩や海外ディベーターに質問して教えてもらったのを参考にしたものであることです。

(1)リサーチ/勉強

(a)ぼくは基本英語でやっています。英語でインプットしていた方がスピーチに転用しやすく、正確に説明しやすいというのもあります。専門的用語と高尚な語彙や言い回しが英語で身につきやすいし、英語力を上げるという意味もあります。リサーチの中で、あるいは日頃でも、英
語で物事を批判的に考える必要があると思います。そうしないと正確に考えたことをニュアンスまで伝えることも難しいし、英語と日本語だと性質が違うし、ズレや説得性の差が出てきます。
(b)戦略的かつターゲットを絞ったリサーチ
マターファイルなどの資料、日頃の大会や練習でのフィードバック、音源や大会で聞いたことなどを参考に、具体的なジャンルやテーマ、モーションから目的を絞ってリサーチします。
GeneralからSpecificを意識しています。最初はWikipediaなども意外と便利です。一番上のまとめの部分を読めば充分で、細かいところは目次を見たり、キーワードを検索をしてみたりして判断して役立ちそうな部分だけ読みます。もっと明確に知りたいことがあれば、実際の疑問文
を直接検索エンジン、YouTubeで検索すると答えが結構出てきます。例えば、Opinion Section,Need to knowも参考になります。テーマの基礎ができてきたら、専門的なもの読み始めます。
大学によっては図書館の本や雑誌が充実しているし、学術的記事・論文もオンラインアクセスを申請すれば読めるので、活用できます。議論を深めるために表面的な知識だけではなく、教養、歴史を培っていきたいと最近思います。
(c)幅広く知るためのリサーチ
Ted talk, Voxなどの動画を見るのもいいです。わかりやすく簡潔にまとめられているので、取り組みやすいです。またTwitterでMediaをフォローして、ディベートに関連しそうなのを隙間時間で見ます。Huffingpost, The Guardianなど比較的Liberalなもの、The Economist, BBCなど
比較的Neutralなもの、Breitbart Newsなど比較的Conservativeなもの、PinkNews, Everyday Feminism, The Rootなどマイノリティーに関係するもの、Al Jazeera Newsなど地域のものなどなど多様なMediaに触れるようにしています。

(2)分析ファイル/マターファイル/ケースファイル/英作文

(a)ぼくは英作文も兼ねて英語で作っています。英語力、スピーチ力、ストラクチャーやレトリックなどのマナー面での自分の課題を改善するために行なっています。どうしたらConciseにArgumentを出せるか、どのような言い方だとcomparativeに聞こえるか、どのように言うと説得力が上がるのか、どのようなイラストが印象に残るのかなどを追求する感じです。この練習をやっているのを初めて当たった先輩に見抜かれたので、わかりやすい表現は意識すればできるようになると思います。かなり変わります。
(b)リサーチや音源、大会、ラウンド練、プレパ練、フィードバックで得た、自分で思いついたマターや分析、レトリック(メタディベートの表現や印象に残る表現など)、ファクトなどをまとめます。何だかんだ忘れてしまうので、あるいは頭にあっても引き出せないということが起きるので、ジャンルやテーマごとにまとめています。
(c)実際のモーションでプレパ・参照し、使う・探す練習も必要だと思います。本番、見つからなくて時間を少し無駄にしました。

(3)ラウンド練

ラウンド練は一定のラインを超えてしまうと、効率が悪くなってしまいます。意味がないというわけではなく、ディベートに慣れてからはなんとなくラウンド練していても少ししか成長できないし、目的を持って最大限有効利用する、ラウンド練のユニークネスを生かすという意識
が大事だと思います。また自分に必要な練習を考えることが大事です。個人練とラウンド練併用できるので、バランスを考えるといいと思います。

(a)人前で英語を話す練習になると思います。7分間も異言語の英語で話すのはディベート始めるまでなかなかないし、緊張する人も多いと思います。僕もとても緊張しやすい性格で手が震えたり、話が詰まったり、一瞬に話そうと思ったことを忘れたり結構ありましたが、新歓の動画を見たり、周りの人の話を聞いたりした感じ、最近良くなっている気がします。どうやったら緊張せずにいいパフォーマンスをできるか追求できる場だと思います。ただ大会やブレイクラウンドほどの緊張感はないですが。
(b)個人やチームの課題を明らかにするためにも有効だと思います。実際ラウンドをしないとわからない部分があるので、ラウンド練をすることでこれから何を意識して個人練やチーム練をしていくのかを見つけていく上でラウンド練は有効かもしれないです。またいくつかテーマを
持ってラウンド練に望むのも大事です。例えば細かい/いろんな種類の反論を心がける、ドロップしない、話をよく聞く、直感的なイラストなど。
(c)チームの連携の確認の意味もあると思います。特にラウンド中のコミュニケーションはラウンド練ではないと試せないような気もします。タイミングはいつがいいのか。ディベーターが交代している間、しっかり聞かなくても大丈夫そうなタイミング。どう伝えるといいのか。メ
モか、口頭か。どのくらい詳しく伝えるか。今大会の場合、ラウンド練不足がだった上に僕がラウンドであまり話さないタイプだったので、クロージングで伝える時、若干苦戦しました。
また分担分けも重要なコミュニケーションです。スピーチをした後だとどうしても相手の話を聞かないいけないし、時間も限られてしまうので、スピーチする前にここまでは責任を持つから、それ以上はお願いという役割分担をそれぞれの特徴に応じてできると有効だと思います。
(d)自分の録音を聞くのも有効です。去年、ある大会の自分の音源がYoutubeに上がっているのを偶然見つけて、見て結構やばいと思いました(笑)。想像以上にイメージと結構ずれています。メンタルショックは多少あると思いますが、危機感が生まれたり、課題が見えたり、課題の優先度が変わったりするので、いいと思います。
(e)その他にも人数減らして例えば1対1、2対1にしたり、プレパの時間減らしたり、アイアンしたり、レベルの高いラウンド練に入ったりして少しでも効率を上げようと心がけています。隙間時間はリサーチ・反省・質問に使います。どういうジャッジの見方がありえるかも考えています。(ICUT前、実は練習含めてもジャッジ一回しかやっていなかったのですが、そこそこいけたのは日頃からジャッジの視点を意識していたからかもしれません。)しっかり自分でも振り返ることでフィードバックも頭に残りやすいです。

(4)プレパ練

今回論題は最初は古典で様子を見てから、AC陣の過去モーション、苦手ジャンルのモーションを扱いました。今回、できているつもりになっていて爪が甘かったです。
(a)時間配分、話す順番、言語、議論の仕方、思考法、役割の配分など自分たちに合ったものを見つけていくという意識を持つようにしたいです。また反省を今後に活かせるように一般化するといいです。本当にコミュニケーションを取れているのか確認するためにスピーチを交えるのも大事だと思います。
(b)パーラ的思考力、即興性を身につける上でリサーチなどをして上で、ある程度継続的に量をこなすことは不可欠だと思います。勝ち筋をどのように見いだすか、どのようにケースを組み立てるか、どういう見せ方をするか、どういう例/アナロジーを使うか、モーション/ワー
ディングにユニークな分析を出せるか、どういうレトリックを使うかなどは実際のケースビルディングを通してつける必要があります。リサーチしたことやマターファイルをうまく使う練習もあります。よくあるクッキーカッター・プリンシプルなど適当に当てはめるだけで厳しくて、自分で考えたり、応用したりしないとモーションから外れてしまうし、いいディベートはできないです。
(c)プレパを見てもらうのもすごい大事だと今回痛感しました。自分たちではできているつもりでも、全然できてないという事態もあります。信用できる先輩に客観的に見てもらうことで、新たな課題が見えます。今大会では、前日にIA(Invited Adjudicator)で来られていた田村さんに見ていただいて色々指摘していただきました。すぐに全てを直すのは難しかったですが、本番である程度は改善できて結果にかなり影響があったと思います。田村さん、ありがとうございました。強い先輩や同期に思考の結果であるマターを聞くことはあったのですが、思考の過程であるプレパを早い段階で見てもらうのも大事だし、普段より緊張感もあるので、色々見えてくると思います。
(d)モーションの検索に関してはフェイスブックやインターネットが有効です。今回は特に中国開催だったので、ACのモーションだけではなく、中国の規制はどのくらい厳しいのか把握するために、We Chat等で中国国内大会のモーションを調べました。

(5)スピ練

マナー面で発音やわかりやすさはもちろん、直感的な訴えを意識的に改善する上で短時間でできるので、有効だと思います。メモの量や紙の枚数、プレパの時間を制限するというのを最近試しています。スピーチしているその場でメカニズムやイラスト詰めたり、原稿見なくても話せたりする力はある程度必要だと思います。強いディベーターを見ていると、アイコンタクト取りながら、堂々と話しているイメージがありますし、BPでPMだとプレパ15分で話せないといけないし、後半スピーカーも直前のスピーカーが予想外のことを話してきたら対処しないといけないので。これはレアケースですが、今大会、直前のスピーカーが2分で帰ってくるという事態に合いながらも、どうにか7分話せたのもこれのおかげのような気がします。

(6)コミュニケーション

正直にパートナーへの要求や不満を話せることが大事です。そのためには練習の時から話し合いを通して調整していくことが大事です。ディベートの話だけではなく、雑談も交えつつ、信頼関係を築くことが必要です。ぼくは今まで先輩と5回組んでいますが、先輩と組むときは躊躇せずに思ったことをしっかり言うべきだと感じています。

(7)先輩

(a)一年生の前半、銀杏杯や梅子杯トライアウトで少しリードできたのは先輩と接していた時間が多かったからのような気がします。エリザベやジェミニ杯のパートナーの先輩とプレパしてみたり、先輩と試合したりするのはとてもいい経験になりました。先輩リードにはなりがちだ
とは思いますが、ある程度の基礎やディベートについて身につけたと思います。
(b)春学期は日吉練にもほぼ全て参加しました。あの時、日吉練でのレクチャー、フィードバックでいろいろな勉強になりました。マターももちろん大事ですが、それだけでなく、BOP、パラダイム、反論の仕方、1st Principle、ストラクチャー、特定のジャンルにおいて気をつけることなどをレクチャーを通して早い段階で学べたのは大きかったです。すぐには理解できないですけど、徐々にわかってきました。個人的には、ディベートを始めたばかりの段階では本格的にリサーチしたり、音源を聞いたりするのは難しいかもしれないと考えると、特に最初の方は積極的に質問して、信頼のおける先輩を通じて学ぶのがいいと思います。

(8)音源/Transcript

(a)音源はそのまま鵜呑みにするのは純粋にあまり面白くないし、役立つとは限らないので、批判的に聞きながら、参考になるものはメモし、できれば発展させるという感じです。マターだけでなく、ストラクチャーやレトリックなどのマナー、見せ方、反論も考えます。
(b)信頼の置ける人が勧めているスピーチやレクチャーの動画を聞いた方が比較的効率がいいので、ある程度取捨選択しています。それ以外の有名/好きなディベーターがいるけど、情報がない音源は通学で座れない時やご飯食べている時にリスニング練も兼ねて適当に聞く感じです。
(c)特に国際大会では色々なアクセントや発音、ストラクチャーに慣れておくことが重要です。ジャッジはもちろん、ディベーターも相手の話をよく聞いて相手以上に理解することが大事なので、リスニング対策は不可欠です。

(9)メンタリティー

相手オーソリだし負けるんじゃないか、相手実績あるし厳しいのでは、負けて当然でいい経験だ、きっと頭の構造が違うんだ、◯◯は別格だなど最初から受け身の姿勢で臨んでも、力出せないしい、勝てないし、それに見合った努力ができないのかもしれません。強いディベーター
は皆、向上心を持って献身してきたからこそ、強いと思われます。最初から自分の限界を決めないで、向上心を持ち続ける、努力し続ける、考え続けることが必要だと痛感しています。自分の現状を受け入れつつ、高めの目標のために何をすべきか追求していきたいです。結局、自
分自身、うまくいってない時はそういうメンタリティーでない時、自分に疑いを持ってしまっている時のような気がします。僕自身、元々緊張しやすいタイプだし、自信満々のスピーチがあまりできないことが多いです(これでもだいぶ良くなったのですが)。しかし、追い抜けるの
ではないか、頑張るしかないと思っていたら、少しずつ理想に近づいていると思います。

(10)自分で考える

自分で主体的に考えることが大事だと思います。いろいろなものを参考にしつつ、自分で経験して、試行錯誤していく中で自分なりに工夫を重ねていくことが大事だと思います。僕の場合、秋Tで上手くいかなったのをきっかけに練習の仕方を見直すきっかけになり、変わったと思います。ただラウンド練をするのではなく、自分に必要なのは何か、どういうバランスがいいのか、考え続けることが大事だと思います。マターだけでなく、ロールや形式、反論の仕方、課題の改善方法など自分なりに体系的に考えてみるのも大事だと思います。

5.各ラウンドの反省

 ジャッジのフィードバックや日頃から言われていることを交えつつ、自分なりに考えた個人的な反省点です。おまけのつもりが、とても長くなってしまいました。

R1: THW ban personal accolades in team sports (e.g. Most Valuable Player, Ballon d’Or)(OO・
1位)
え、いきなりSportsか。。Feminist Icon的なこと言えるのかな、Individualism VS
Cooperationismもあるのかとなんとなく考えていました。反省点は二つあります。
第一に、まとめ方、サインポストがわかりにくかったと言われました。DPMが4分で帰ってきたのもあるのですが、DebateのDynamicsにあったサインポイントは大事だと感じました。具体的には相手がInsiderがevaluateすべきっていう話をしていたので、誰がevaluateすべきかの話もIndependent Rebutalsっていうより、一応サインポストしてArgumentという形の方がよかったと思いました。
第二に、具体例が少なかったと言われました。プレパの時、中国人が知っていそうなチームスポーツのスポーツ選手の具体例を考えようとはしたのですが、メッシぐらいしか思いつかなかったし、相手の具体例も一人も知らなかったです。具体例やイラストは意外と人や国によって多様で、価値観も異なるし、主観的なものなので、わかりやすく伝えるのが難しいと思いました。そのような状況の中で、以前ある先輩に教えてもらったAnalogyの方が伝わりやすいときもあるっていうのが今回生きました。イラストや具体例は知識があるといいものが出しやすいので、日頃からいろんな記事やブログを読んでおくのが大切だと思いました。

R2: THW make it a war crime to kill child soldiers in any circumstances.(OG・1位)
War crimeについては前日に寝る前に個人練で調べていたので、なんとなくはプレパで話せました。Child Soldierについてはテレビで見たことあり、なんとなくはcontextを知っていたのですが、勉強不足でした。とはいえ、日頃からニュースを見ることで、浅い知識でも、ないよりは
やりやすかったです。幅広く教養を身につけておくことが大事だと思いました。
反省点としては勝つために何をすべきか、何が効率いいかを全く考えていないスピーチになってしまったことです。LOが2分で帰ってきたのは準備できないし、正直辛かったですが(笑)、もっとどうにかできた気がします。よく言われることですが、無理に3rd Argumentを立てるよ
りは、一番coreな話を丁寧に立てる、補強するのが重要だと思いました。ジャッジが想定していた話に時間をかけるべきでした。この試合のジャッジは点数の基準が相対的に厳しめで、73点…タブ発表直後はオープンのスピーカープライズまであと1点だったこともあり、余計に悔し
いと思っていました。しかし、今考えるとrelevancyが微妙な話もしていたので、仕方ないし、自分の力不足だという感じです。またR1で具体例に関して触れましたが、このラウンドではジャッジがフィリピン人だったので、あえてフィリピンの具体例を出してみたところ、RFDの時に他のは忘れていたのに、フィリピンのは覚えていました。ジャッジの国籍やバックグラウンドを意識してみるのも意外と有効なのかなと思いました。

R3: In developing nations, THBT workers should be allowed to trade off their employment
benefits(e.g. pension, health insurance protection from labor laws) for higher wages.(CO・1位)
一番印象的なラウンドなので、感想多いです。 それまでを“Whether poor in general is capable of making rational choice”という感じだったとまとめ、”Why specific context of developing nations systematically makes it difficult for people to make rational choice”という感じの路線をイントロから押し、Labor market in developing countries, Power Imbalance, MNC, Labors’ mobilityなどのcontextが中心の話とPrincipleの話(ただうまく立てられませんでした)などをメンバーから出した結果、ニュアンスもジャッジに伝わっており、1位で、個人的にも80点いただ
けました。Extensionはの一つとしてContextualizationは有効であると、オンラインのレクチャー(例:https://m.youtube.com/watch?v=Xd_8jrid_mk)や多くに先輩から教えてもらったことがありますが、そのイメージがわかりました。”General vs Specific”という見せ方も去年の夏に
参考音源とともに先輩に紹介してもらったものです。実際自分で経験したり、使って実感することも大事だと思います。
またもう一つ良かったことはClosingとして、それまでのディベートを理解した上でExtensionを出せたことです。秋TのRookie GF, BP Novice R4, 日吉練などでNAのリーダーっぽいとよく言われていたので、大会前に「メンバーのスピーチは何か」を自分なりに考えたり、いろんな
先輩に教えてもらったり、レクチャーの動画(例:https://m.youtube.com/watch?v=35QMP6wGkYw)を見たりして対策はしていました。自分のExtensionを他のチームの話に当てはめたり、OOとの違い、重要性を示しながら、初めてメンバーっぽいスピーチができたと思います。(今大会、クロージング二回のうち、両方80で成果少し出てよかったです。)ジャッジはADIでジャッジされたときにクロージングのオープニングとの差別化を重視していた記憶があったので、気をつけました。ただVertical Extensionの時は気
をつけた方がいい、もしそれで行くなら別のImpactを足した方がいいと言われ、以後気をつけようと思いました。ちなみにジャッジだったCo-CAのCellini(ABP 2017 GFなど)はADIの時にクラス分けテストや大会で励ましてくれたり、褒めてくれたりした方で懐かしかったです。部屋入ったときに”Hey, I know you!”と声をかけてもらって覚えてくれていて、SF敗退後でも励ましてくれて嬉しかったです。(他にもNEAOのR5で知り合った友達に助けてもらったり、R4でADIの時のラボメイトが対戦相手だったり、SFでレクチャラーのIzzatがジャッジだったり、ADIのラボで最後に写真撮ったり、ラウンドで知り合った人と連絡先交換したり、海外の知り合いが増えるのも海外大会の魅力の一つです。)

R4: You are an African-American feminist actress. A famous director offers you a leading role in
a movie with many scenes that explicitly sexualize women. TH, as the actress, would accept the
role. (OG・2位)
秋学期の英語の授業でfilm studiesを取っており、フェミニズムがテーマの映画を批評したり、苦手意識があったジャンルなので、特に力を入れ、プレパ・リサーチしたり、レクチャーを聞いたりするなどしており、Intersectionalityや最近の映画界のcontext(metoomovementなど)、
glass ceilingなどを崩すためにdiscussionの必要性などを話したと思います。Even if Caseも立て、オポベンチには勝ったのですが、きれいにCGに抜かれました。 “Sexualize”という部分をしっかり示せなかったのが、大きな理由だと思います。論題にユニークな分析にたどり着けていなかったです。課題としてはいわゆるSpirit of Motionの把握が不安定でアイディアに飛びつくことがよくあることです。特にOGや重要な試合では焦ってしまってやりがちです。どういった議論がこの論題で求められているのか、コアな議論が何か、その上でどういう戦略取るべきか。難しいけれど、それをどのジャンルでも、どの論題でも、どの試合でも安定してできるのが強いディベーターだと思います。またCGのチームはPublic speaking面でとても聞きやすく、自信を持ってスピーチをしていました。最近、直感的に説得させるためにもマナーが大事だと思います。ジャッジは人間だし、印象を残すこと、感情的に説得すること、相手を引き込むことがLogicやMatter
に負けないくらい重要なのかもしれないと思います。例えば、レトリック、わかりやすい構成・プレゼンの仕方・ナンバリング、流暢さ、感情など。特に最後のMinorityの気持ちになって話す、そのモーションのstakeholderの立場から話すことをAmeera(WUDC 2019 CA)にADIで教
えてもらいましたが、難しいです。今後の課題の一つだと思います。

R5: THW subsidize youths that opt into entrepreneurship instead of pursuing university degrees.
※entrepreneurship process of designing, launching, and running a new business (i.e. start-ups)
(CG・3位)
OGからありがちの話が出てきたので、youthsに補助する必要性や最近の労働市場や機械化やAI化の流れの中でのentrepreneurshipの必要性といったContextを出そうとしました。結果的には
OPPベンチwinで、OGは上回っていました。この試合の反省としては前提、論題のBOPをしっかり果たすことです。そもそもyouthsがなぜ大学行かずに成功するのか、優秀なyouthsがいるのかなどの前提の話がジャッジからすると、GOVの方で足りなかったみたいです。

QF: THW set a cap (USD 5-10 million) on the personal wealth that an individual is allowed to
own (this includes values of shares that individuals hold in companies)(OO・2位)
Opening winに持っていくことができましたが、反省点としては2つあります。
第一に、Principleです。Private propertyというよく出てくる話の対立だったのですが、あまりうまくいきませんでした。Principleをいかにモーションに近づけるか、どのように理由づけするか、Analogy, Counter Analogy出せるか。相手の話に直接的に反論しないといけないと言われました。
第二に、パラダイム比較、相手の話のExclusivityを削ることです。アイディア自体では出ていたのですが、そういう風にきれいに見せることができませんでした。明示的にComparisonを示していくことが大事だと感じました。

SF: TH, as the U.S. Democrats, would agree to fund Donald Trump’s border wall in exchange
for increased gun control measures. (OO・3位、2-3 split)
正直、GF行けたかなと直後は思っていました。問題だったのは何を言うかというよりどのように言うか、わかりやすく確実に伝えることができるか、だっと思います。後から考えると負けていました。
第一に、チームの方向性やスタンスが不明瞭だったことです。なぜそのモーションを肯定するのか、否定するのかをうまく伝えることができていなかったです。結果的に自分たちが出したかったニュアンスとはずれた取れ方がされてしまったっていうよりはさせてしまいました。原
因は明示的に細かくゴールを整理せず(例えば、stakeholderごとに分ける)、次の選挙で支持を得るという広いゴールの下、Liberals, Hispanics, Laborsなどの支持を得られるという話やTrade-offしなくても選挙に勝てるという話などをぐちゃぐちゃ話してしまいました。一方、Consensusで1位だったCOは話は僕らと被っていた部分が結構あったものの、Liberalsという方針を明確にしてそのスタンスを支えるためにargumentを構成しており、一貫性がありました。CGもGun controlやSecurityはgeneralに大事という方向性を明確にしていました。わかっていたつもりだったのですが、基礎がまだできてないです。Caseを安定して組み立てる力を春Tまでにつけていかないといけないと思います。(CaseやStance、Argumentの組み立て方についての詳細はみつしさんや田村さんの資料などが参考になるので、読んでみるといいと思います。)第二に、言葉足らずで言いたかったことが伝えることができていなかったです。フィードバックで言ったつもりの分析のいくつかをこれいうと良かったと言われてしまいました。伝わっていなかった場合はジャッジではなく、伝えることができなかったディベーターの責任です。英語力が足りなかったというのもありますが、大事な分析はもう少し丁寧にどう伝えるか考えるべきだったと思います。具体的な描写が必要なOutcomeは、直感的なインパクトを伝えるためにイラストは意識的に時間をかけるべきでした。例えば、国境の壁がどのようにトランプ大統領によって使われるかをジャッジの頭に浮かぶように説明できればよかったのかなと思いました。練習して力を付ければ、即興でもできるかもしれないのですが、意識的に時間をかける、頭の中でリハーサルする、日本語にしてみて伝わるか考えてみるなどが必要でした。
第三に、政治の説明をわかりやすくできなかった、ディベートに当てはめることができなかったです。実際、このモーションは最近の時事ニュースを踏まえたものでニュースは見ていたので、それなりには知っており、Co-CAのLeeroy(UADC 2019 DCAなど)にも4チームの中で現状
を一番知っていたと思うと言われました。問題は、モーション作成側のLeeroyにはなんとなく言おうとしていたことが伝わったが、他のジャッジに伝えることができなかったということです。例えば、トランプ大統領が国境の壁建設費用の確保のために国家非常事態宣言を発布する方針であるなどの話からいくつか分析を出そうとしました。あまりその話題を知らない人にわかりやすいように説明するのは日本語でも難しいです。英語になるとさらに難しいです。英語でわかりやすく書かれている記事や動画をみることで、難しめな話をどう説明しているか分析したり、そもそも政治用語や難しめな用語を英語で言えたり、順番や構成を意識しながら話したりするなどが大事だと思いました。時事ニュースはできれば最初から英語だといいですが、現実的なことを考えると、日本語でまず理解し、英語でインプットするのもありだと思います。また常にどういう議論があり得るのか、どうディベートに使うのかを考えながら、読むことが必要だと感じました。こうしてみてみると、課題はたくさんありますし、かなり基礎的なことが多いです。基礎≠簡単、強いディベーターは安定して基礎を徹底してできている、そのための努力ができている、そのための強い気持ちがあると最近思います。発展的な内容も基礎ができて初めてできるものなので、基礎を磨いていきたいです。

6.謝辞

 練習やリサーチにつきあってくださり、またいつもpatientにぼくの話を聞いてくださったパートナーの嶋本さん、飛行機や延泊等の手続きをしてくださり、また建設的なアドバイスやレクチャーを日頃からしてくださる田村さん、日頃から技術面でもディベートの選択面でも相談に乗ってくださる淳さん、始めたての時に組んでからいつも温かく励ましてくださる海斗さん・馬場さん、その他練習や大会で教えてくださった先輩方、切磋琢磨してくれる同期のみんな、大会運営の方々、本当にありがとうございました。
僕自身は現在、春T以降の長期的な目標の設定に迷っていますが、いずれにせよ今回の経験を糧にして頑張っていきますので、今後ともお願いします。


Results of BDO

Semi Finalist: KDS(Hiroki Shimamoto, Toshiya Ozawa)

Quater Finalist:  Katsuo Generation(Arai Miyo joint)

Rookie Best Speaker

1st Miyo Arai, Toshiya Ozawa


としやありがとうございました!21期イチの努力家といっても過言ではないとしやのこれからの活躍に期待です✨