銀杏杯報告ノート!住田淳
こんにちは、KDS1年の住田淳です。このたび8/23.24に行われた銀杏杯のレポートを担当させていただきます。銀杏杯は東京大学UTDSが主催する国内最大規模の一年生大会で、梅子杯とならび一年生最強決定戦とよばれることもあります。今年も西は京大、北は秋田の国際教養大学から88チームが参加しました。自分はKDS Cとして参加し、いろいろと面白い話もあったので、それらを織り交ぜつつ時系列順に大会を振り返っていきたいと思います。
1.大会前
大会前は夏休みでも月水金と練習がありました…とはいっても参加するか否かは完全に任意で (実際、今回一緒に組んだパートナーは大会直前まで北海道中をサイクリングしていたぐらいですし) 自由闊達な空気の中、先輩からのレクチャーや同期との試合を通して楽しく練習することができました。特にADIという海外ワークショップに行ったメンバーから発信される情報は非常に刺激的で、日ごろから一緒に練習している仲間の海外大会での活躍の様子はもちろん、UTDSのJulius CuetoやWADのMinami Kurokami、Ryo Watanabeといった他大学にいる強いディベーターの評判は国内にいたメンバーさえ賑わせ、大会への期待は高まる一方でした。
2.大会初日
初日は予選大会でした。翌日の本選に出場するには最低でも4戦中3勝しなければならず、一度負けてしまうと後がなくなる厳しいものでした。
ROUND 1
THW make voting mandatory. (Gov. ICU B – Opp.)
新歓期の練習で試合した古典モーションです。緊張のあまり、価値判断のないディベートをするという大失敗をしてしまったものの、相手の意見を逆手に取ったPOIや反論をジャッジの方にとってもらい、辛くも勝利を収めることができました。ジャッジしてくださった会長さんは凄く優しい方で、フランクに接してくださいました。
ROUND 2
THW legalize homeschooling. (Gov. – Opp. WAD A)
対戦相手を見て目を疑いました。まさかMinami Kurokami率いるWAD Aと予選序盤で当たるとは…。
これもまた練習でやったことのある古典モーションです。ガチガチにコンテクストとキャラクターを絞ったことで自分たちに有利な土俵で戦えたものの、現状の「何」が「どのように」変化するのかという説明に具体性が欠けていたことが決定打となり惜しくも1点差で負けてしまいました。負けたものの大会前に優勝確実と目されていたWAD Aと良い試合ができたことは大きな刺激となりました。また、この試合前後に多くの先輩方に激励していただき、とても嬉しかったです。
お昼休み&システムトラブル
今回の銀杏杯は深刻なシステムトラブルが起きてしまいました。(これは2008年のGemini杯以来の非常に珍しいことだそうです) システム復旧を待っている間でも、他大学の人と交流を行い、楽しく時間を過ごすことができて良かったです。(しかしこの時間、ADI組は本当に輝いていましたね。冬は絶対行きます)
ROUND 3
THW legalize the usage of all recreational drugs including but not limited to marijuana, cocaine, and MDMA. (Gov. AIU C – Opp.)
今回の大会で最も話題となったモーションだと思います。古典モーションをハードスタンスになるようにアレンジしたもので、今年のK-Cupの第四ラウンドを思い出しました。
自分たちはOpp.だった上にGov.がモデルを立てなかったため、試合を優勢に運ぶことができました。相手の意見を殆ど予想しきりeven ifを使って反論することができたのは楽しかったです。
ROUND 4
THW ban the consumption of meat. (Gov. – Opp. AIU C)
今年のADIでも、25th JPDU Tournament GFでも似たモーションが出たそうです。自分たちのチームは動物の権利といった抽象的な話をメインに据えたのですが、飢餓や食肉産業による地球温暖化という目に見える問題をどう解消するかについて話しても強いアーギュメントを立てることができるらしく、様々なアプローチを試してみたくなる面白いモーションだと思いました。対戦相手がR3と同じなのはシステムエラーの影響です。
ブレイクナイトなど
システムエラーによる遅延でブレイクナイトが短縮され、会場では予選通過チームの発表が行われませんでした。更にR3,R4がクローズとなり、殆どのチームがブレイクの可能性をもったまま結果発表を迎えた為、帰り道に結果が流れた瞬間は電車内に緊張が走りました。自分たちの結果は15位ブレイクでした!KDSは計6チームもブレイクしていて、流石KDSは強いなと思いました。(KDSが予選通過チーム数最多でした)
3.大会本選
前日にレジ落ちする夢を見て生きた心地のしないまま本選を迎えました。
PRE OCT FINAL
THW prohibit corporations from accessing the criminal records of their job applicants. (Gov. Sophia C – Opp.)
KDSの練習でも、JPDUの練習会でも試合した”THW erase criminal record.”というモーションをベースにしたものでした。気合が空回りして、やけにアクター分析に時間をかけすぎた挙句、自分たちのメカニズムには簡単にしか触れていないという大失態を僕が犯してしまったものの、パートナーの浅野君のフォローのおかげで勝つことができました。浅野君は本選でも終始大活躍してくれ、安心してラウンドを迎えることができてとてもありがたかったです。
OCT FINAL
THW reduce welfare support on compulsive gamblers. (Gov. – Opp. Titech A)
WSDC2013 OF “THW cut welfare support on compulsive gamblers.” を参考にしてつくられたモーションだそうです。このラウンドでも自分が言い切れなかったところ、膨らましきれなかった内容をパートナーが完璧に言い切ってくれたため、スプリットになったものの勝つことができました。試合後のリフレクでジャッジの方に「チームとして役割分担がうまくできている」と褒めていただけて嬉しかったです。
QUARTER FINAL
THBT the media should NEVER report on mental illnesses/disorders as the cause of committed crimes. (Gov. ICU A – Opp.)
WUDC2015 R4 “THW prohibit the media from reporting on the mental illness of those accused of crimes.” をアレンジして作られたモーションだと思います。プレパ中に良いアーギュメントが思いつかず、また相手のパラダイムのハームを描かなかったため、水掛け論を解消できないまま負けてしまいました。相手チームのICU Aは今の自分に足りないものを体現したようなチームで、堅実なアーギュメントを丁寧に成立させていたところが非常に印象的でした。最初に教わるようなことすらしっかりとできていない事実と向き合い、基礎からしっかりと身に着けて生きたいと思います。
…このようにQFで敗退してしまったのですが、その後のSF,GFではTokyo Gや WAD Fといった強いチームのディベートを観戦し、負けた後も非常に楽しく過ごすことができました。GF出場者が100人以上の観客を前にしてスピーチを行う姿はとてもかっこよく、いつかあの舞台に立つことを目指して頑張ろうと思いました。
SF: THW force doctors to report suspected cases of domestic violence.
GF: THW legalize the buying and selling of sexual services. (I.e. prostitution)
4.大会を終えて
参加できて本当に楽しかったです!ディベートの試合自体はもちろん、数ヶ月前の練習会で知り合った他大生と再会したり、すごいジャッジの方からリフレクしていただいたり、試合後に対戦相手の方が気さくに話しかけてくれたり、アメリカに留学したメンバー(メイちゃん)が終始KDSの調子を気にかけてくれたりと、素晴らしい人達のなかで楽しくディベートをすることができてよかったです。トムさん、かすみさん、天明さんをはじめとして予選から本選まで支えてくださった先輩方、忙しいなか丁寧に改善点を指摘してくださったジャッジの方々、スムーズな大会運営に尽力してくださったコミの皆さん、本当にありがとうございました。そしてブレイク&プライズ獲得したKDSのみんなおめでとう!!!
RESULTS
QUATER FINALIST
KDSA よーだ&いあん
KDSB まさこ&さえ
KDSC あつし&こーたろう
OCT FINALIST
KDSE かえ&ゆーき
KDSI けんたろう&もりたつ
PRE-OCT FINALIST
KDSJ ゆい&えざき
INDIVIDUAL PRIZES
4th Best Speaker Kotaro Asano
5th Best Speaker Atushi Sumida
6th Best Speaker Masako Ishihara