IDS NEADC 2022

今回の担当は、NEADC 2022にてOpen Octo-Finalistに輝いた、24期の飯田龍喜さんです。

結果や経緯だけでなく、海外大会に興味のあるディベーターへのアドバイスなどもいただきました。


こんにちは、24期の飯田龍喜です。今回は11月12~13,19日に行われた、North East Asia Debating Championship (NEADC2022) について、大会参加に至る経緯から結果まで、簡単に書いていこうと思います。

まだ海外大会に出たことがない人、出てみたいけどなんとなく勇気がない人などに、ちょっとでも参考にして、出てくれたらな~という目的で書いています。オンラインの国際大会には国内大会とまた違った魅力があると思います。


Table of Contents

1. 参加した経緯、本番までの練習について

2. ラウンド、結果について

3. オンライン国際大会の魅力


1. 参加した経緯、本番までの練習について

2019年までの名称はNorth East Asian Open通称ニャオ(NEAO)で、その存在を知ったのは夏休みぐらいでした。日程的に厳しいことが多い国際大会ですが、慶應生は三田祭とちょうどかぶる時期に例年開催されるため、参加しやすい大会となっています。

実は、今回出場したなつみさんの前にWDOで一緒に出た太一さんや香港のノービスBP大会で一緒に出場したみはねに断られていて、当初はジャッジとしての出場を検討していました。その旨をツイッターにつぶやいたら、それを見たなつみさんがディベーターとして出ようと誘ってくれて、急遽チームを組むことになりました。なので皆さん大会出たいけどパートナーがいない人はとりあえずSNSでそれを匂わせましょう。だれか誘ってくれます。

ただ、なつみさんは、国際大会はもちろんBPの大会にも出場経験がなく、EFLカテゴリーも剥奪されそうだったので、誘ってくれて嬉しかったものの、まぁリージョナルメジャーでブレイクは厳しいだろうと2人とも薄々思っていて、19日の決勝ラウンドはそもそもスケジュールに入れていませんでした……笑(結果的にいい意味で裏切られました!)

そこからモチベを高めて練習したきっかけとして、なつみさんのEFLステータス付与があります。アプリケ当初の言語ステータス基準から緩和され、EFLブレイクなら頑張ってできるんじゃないか?⇒それだったらやれるだけ練習しよう!ってことで、暇人の僕がなつみさんをしつこく練習に誘いました。

具体的には、りくさんに2人でプレパしているところを監視してもらって、しっかり対立軸の把握ができているか、役割分担が論題発表から10分できまるか、思いついたことを適切にコミュニケーションがとれているか、確認してもらいました。そこで、一見するということが思いつかない論題に対してどうアプローチするか、ファーストでやるべきことは何なのか、今回予選ラウンドで安定して勝てたのも完全にりくさんのおかげです。

即席でも、慣れているチーミングでも、第三者の先輩にプレパを見てもらうことは効果的だなって思いました。おすすめです。

大会前日にもそれをやって、大会の週はKDS+同支社大学の練習に参加して、大会前日は23時すぎまで信濃町キャンパスに2人で残るという明らかにラウンド依存症のダブルヘッダーをこなし予選1日目に臨みました。(忙しいのに付き合ってくれたなつみさんに感謝)

正直ラウンド練習だけやり続けるのは非効率だし、スピ練やプレパ練もやるべきだと思います。ただ、ウィップとしてパートナーがどれくらいメンバースピーチで言えるのかを把握し、ラウンド中の連携を鍛えるにはラウンド練習するしかないので、時間に余裕がある人はぜひやってみてください。もちろん、今回みたいに急にチーミングした場合以外は、ほかの適当な海外大会にでて1日4ラウンド強制的に練習するっていうのも効率的だと思います。

 

2. ラウンド、結果について

結果としては6ラウンド12点で16位オープンブレイク、決勝ラウンドは勝てず最終的にオクトファイナリストとなりました。

若干難しい論題も出ましたが、2人でできるだけケースや取りえるスタンス、試合全体の流れを考え、なつみさんに丁寧に出力してもらって、僕がインパクトを盛って比較、という形でラウンド2のプラが立てにくい論題以外は全部通用しました。

正直、ポジションがかなり都合の良いものを引けたと思います。どのラウンドでも、ハードスタンスが取りやすく、相手より思いつきやすいポジションが続いたと思います。

僕にとって5回目の海外大会ですが、これを読んでいる海外大会未経験の人に言っておきたいのが、海外ディベーターの英語力についてです。「国内大会でも英語で遅れをとっているのに国際大会なんて…」とよく考えてしまいますが、結論から言うと英語力は国内でも海外でもピンキリです!

特にアジアの大会では、相手にとっても英語は母国語の言語系統から大きく外れた扱いにくい言語。圧倒的なマター量で反論しきれず負けることは予選ラウンドではほぼないです。むしろ、よくわからないケースを早口で言うより、証明責任が軽そうな立論を丁寧に言うほうがジャッジへの心象が良く、勝ちやすいです。

なので、高校未経験でEFL勢としては古典論題の対立軸とマターを覚えて、ある程度時事ネタに精通してスピーチを具体化できれば国際大会でも(アジア圏なら)ブレイクが狙えると思います。

 

3. オンライン国際大会の魅力

やっぱり国際大会に出場する部員も増えてほしいので、個人的なオンライン国際大会の魅力を書こうと思います。もちろん手軽!っていうのもありますが、一番には、

“日本勢”として盛り上がれる!

これがかなり大きいと思いました。UTの土屋さんがつくったJapan Debatersのディスコードには各大会専用のテキストチャンネルがありますが、そこではどのチームが強いとか、〇〇チームおめでとうとか、この論題は面白いだとか、ほとんどの他国からの参加者をみんな知らないがために、日本インステとしての帰属意識が生まれ予選ラウンドから敗北した続きの決勝ラウンドまで楽しめると思います。

付随して、負けても言い訳できてつらくないのがいいかなと思います。

海外ジャッジは特に日本人とそもそものディベート観が違うとしか思えないOAをしてきたり、言いたいことはわかるけど謎の評価軸が重視されたり、「これはどうしようもないな」って自分の中で一周回って納得しやすいです。

国内大会だと、参加者全員日本人でそのなかでピリピリ戦わないといけないので、自分の失敗を都合よく言い訳できずつらいです。負けたら自分の実力のせいってなります。もちろん言い訳し続けたら上達しないかもしれないですが、精神衛生上言い訳できる環境はディベートを楽しく続けるうえで大切だと思います。

最後に、これまで読んでくれてありがとうございます!海外大会のイメージがついてちょっとでも応募する動機になれば幸いです!

一緒に組んでくれたなつみさん、プレパをみてくれたりくさん、練習のジャッジを快諾してくれたたいちさん、その他練習の機会をくれた全員に感謝です。


Results

IDS NEADC 2022

Open Octo Finalists
Keio A (Yohei Horiguchi, Tsubasa Ito)
Keio B (Ryuki Iida, Natsumi Sadaoka)