枇杷島八事

こんにちは!暑い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。今回は、8/22-8/24に韓国のHanyang Universityで行われたKIDA OPEN 2017に参加した田村くんにブログを書いてもらいました!「海外大会のススメ。」って感じのとても良い文章なのでぜひ皆さん読んでください!


韓国でうどんやロッテリアのクラシックチーズバーガーを食べる奇行をしていた田村です。
韓国初上陸ということなので一応チーズダッカルビとサムゲタンを食べました。新大久保に行けばいいのではと思いました(美味しかったです)。
町並みはほぼ日本と変わらずさらに人種的外見が似ている人間が町中を歩いているのに使用されている言語が全く違うというギャップが、「突然非日本語が公用語になったパラレルワールドの日本」に迷い込んだようで恐怖を覚えました。
本当は韓国は日本国内に存在していて、羽田から他の国内空港に飛んだだけと言われても信じます。きっと海外など情報だけが作り出した実体のないフィクションです。地球が丸いというのは陰謀論です。認識が存在を作るのです。
丁度韓国着いた日に米軍と韓国軍の合同軍事演習が開始したので核戦争ないし朝鮮戦争再勃発で死ぬのではないか?と思っていたのですが韓国の町並みは落ち着いていたので北朝鮮は日本でいう地震みたいな扱いを韓国から受けているのかもしれません。

丸亀うどんin 韓国

丸亀製麺 in 韓国

udon

udon

チーズダッカルビ

チーズダッカルビ

サムゲタン

サムゲタン

今回KIDA Openでディベート以外の事で楽しかったのは?と聞かれたら、大会会場のカフェテリアの炒飯が美味しかったと答えるくらい観光が苦手かつ海外を楽しめない生粋の引き籠り日本人なので、
ADI楽しかった!という一年生のキラキラとしたFBポストが皆様のニュースフィードを占める時期ですし、韓国の良さなど観光の感想は彼ら彼女らにお任せします。、
(有名なカキ氷屋さんを勧めてくれた友人の皆様すいません。激混みしてたので断念しました。)

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チャーハンってこれ?

今回は主に海外大会の話をするために筆を執る運びになりました。

KIDA OPEN2017

KIDA OPEN2017

結果報告
ジャッジスタンダードの違い
英語力について
海外大会のすすめ

結果

3年生の淳さんと組みました。ロールは試験的に私がdeputy, whipというものでした。
2位2位3位3位1位3位 10点ブレイクからのPreSemiFinalistという結果でした。

正直、もっと上位でブレイクできたはず(R6は1位取ったはずだと思います)だしPreSemiも全然勝ってたはずと思うので結果には全く満足していませんが、
韓国の中でも上手いディベーター(WUDC open breaker, ABP open breaker, NEAO Grand Finalists等)と試合したり、素晴らしいジャッジ(MDO top10 adj, WUDC DCA, ICUT 3rd best adj)からフィードバックを貰ったり、知り合いになれたのはとてもいい経験でした。
海外大会はWUDC以来かつ、ちゃんと練習してディベーターとして参加したガチ大会は春T以来と、色々久しぶりでしたが、やっぱり海外大会は楽しいなあという感想でした。
日本人は私たち2人かつ当初知り合いもDCAのSeraくらいしかいなかったのですが、海外勢がみんな優しかったのでとても快適でした。

ジャッジングの違い(何が評価されるか)

前提として、参考にした母集団が少ないこと、及びアジアスタンダードというより韓国スタンダードの話に近くなるかもしれないです。
取りあえずKIDAのジャッジに共通したことを列挙してみて、他の方から聞いたアジアスタンダードとの共通点、及び日本のジャッジとの違いを考えてみます。
(a)contextとcharacterizaion
特にR1R2PreSemiで感じたことです。今まで色々な人から「アジアはコンテクスト/キャラクター命」とは言われていたし上手いとされるアジアのスピーカーはこれらがうまい傾向があるとは知っていたのですが、実際凄く評価されます。
特にR2はPMで4つ理由つけてコンテクスト正当化しただけで2位取りました。RFDでも冒頭で「Govベンチになった理由はOOCOはOGのセットアップ無視してる」と始まり、その後のチーム間比較でも常に言及されました。
コンテクストやキャラをゴリゴリ埋めるということは、あまり日本で強調されないかつ、ジャッジもそこまで凄く評価するという傾向はないのですが、海外に行くならマストな能力だと思います。
理由はかなり簡単で、大体の論というのはコンテクストないしキャラに依存するということ、そしてそれらに依存しないprincipleの話などは、具体的な「こういう社会・国・人の状況がやばい」という論にintuitivityにで後れを取りがちだということです。

(b)具体性
R4R5で主に感じたことです。北東アジアないし日本ではロジックさえあれば取ってくれる傾向にあります。
ただ東南アジアでは絶対にvisualization of logicつまり、「どうそのロジックが現実世界で動いている/動くのか」というのが不可欠です。
ある方の言葉を借りるならば「分析を有機化する」というもので、時系列含めて一貫したストーリーを描くのが要求されます。
R4ではロジックはどこのチームよりもあったしインパクトもどのチームよりもあったはずで、initial decisionではチェアとパネルの一人は私たちを一位にしてくれていたのですが、ディスカッション後3位になってて「正気か?」と思いました。
なんでOOに負けたのかはわからないですが、少なくともCOに負けた理由としてチェアから言われたのは「COのほうが具体性があった。君たちCOはtheoriticalだった」というコメントでした。
R5はOOで只管色々喋って勝ったのですが、Chairのヘイウォンから「論理的には全部わかるんだけど、結局どういう風に貧困者の生活が制限されるの?」とイラストの欠如を指摘されました。
彼女自身イラストお化けで活躍していたディベーターですし、やっぱりEUDCやWUDCの音源よりもUADCやABPの音源のほうが具体的というかスピーチを聞くと絵が浮かびやすい傾向にあります。

(c)harm reductionのための反論/モデル
R3R5で特に感じました。R5は環境問題のモーションだったのですが、DLOで3つくらい理由をつけてオルタナあるよ、って言ったらなんか一位取りました。
R3では逆に、govが話していたSQの問題を解決できず死にました。面白かったのが、私たちCOのエクステンションが一言でいうとcounterproductiveというものだったのですが、「SQの問題悪化するよっていうときも一応、オルタナを話したほうがいいよ」と言われました。
特にAsianでは両サイド問題解決がとても大切なポイントになるのはわかりますが、BPではどうなのか正直わかりません。ただし、一応こういう風に見るジャッジもいるのだなあと思ったので、念のため愚直に反論することも大切だなあと思った次第です。

(d)Whipのロールについて
R1R3R4R6PreSemiでWhipをやった時に感じたのですが、日本と少しWhipの見方が違うなと思いました。
1エクステンションをごり押しすることがかなり推奨される。
正直日本でのBP Whipは、私も含めて、結構Asian Whipに近いです。相手を倒すことにfocusし過ぎです。
なので日本でラウンドしている限り、ジャッジから「エクステンション強調して」というコメントを貰うことは少ないですが、KIDAではWhipをやるたびに言われてへこみました。
エクステンションを伸ばすことだったり、メタ的重要性を言ったり、フレーミングを試合にかみ合わせたりなどやることはありますが、明確にWhipのロールフルフィルメントは見られているような気がしました。
実際にR6ではエクステンションを最初から協調したらパートナーより点数が2点高かったりしました(2位以上にしてくれていたジャッジもいたのですがロールされたようです)
2ワーディングの共有/new material
チームコンシステンシーとして、同じ言葉を使うことがとても強調されていて、エクステンションを違う言葉で露骨に言い換えたりすると、「ニューだった」と言われてしまいました。
日本ではワーディングレベルでのフィードバックを貰うことはほぼないので、自分で気を付けるしかないのかな、と思いました。
3反論もちゃんと伸ばす
R3は、COでエクステンションのチーム内での聞き間違いという悲劇によりほぼエクステンションなかったのですが、OWの反論で何とか3位取りました。PreSemiではDCAの一人から「この反論をちゃんと伸ばしてエクステンションにしてたら普通に勝ってた」と言われました。
日本で一つの反論を深く伸ばすということはあまりやっている人はいないですが、それをやるとおそらく海外で点数上がるんだろうなあと思います。
というかいい反論をしたときは、「それエクステンションにすれば?」とリフレクで言われたので、Whipにおける反論はかなりstartegicに選ばれたものだけになるのかなと思いました。

英語力について

割と韓国でも上位勢が集まってたので流石に一般化できないですが、英語力は日本人と比べて段違いでした。というかサムギョプサル屋の店員やコンビニ店員が英語で対応してくれたのが驚きでした。
日本では英語をあまり重要視してないようですが、英語は前提能力なので一年生のエジュケに積極的に取り入れるべきだと思います。かつ個人的にジャッジのディスカッションないしRFDも英語でやることを推奨します。
正直日本は練習といえば「ラウンド練」という傾向があるようですが、非効率だと思います。ディベートに必要な能力、英語力プレゼン力思考力知識力などを個別に鍛えるほうがよっぽど効率的だと思いますし、英語もしかりです。
特に帰国子女の方やネイティブですら表現やレトリックを勉強するのですからEFLが英語勉強するのは当然です。
ただ、日本人アクセントでも普通に聞き取ってもらえます。私も淳さんも海外経験皆無のEFLですが、ちゃんと内容は全部ジャッジに取られてました。勿論英語もっとできたら点数上がっただろうなとは思います。

海外大会のすすめ

海外大会行くことの一番の意味はやはりレベルの違いでしょう。強いディベーターと試合したり、ジャッジから色々constructiveなコメントないしマターを貰ったり、本当に凄いディベーターのスピーチをみて感動したり。
特に最近だとSeoul Open, HKDO, TDO, SIDOなど韓国香港台湾中国の国際大会に豪華なディベータージャッジがどんどん来るので、東南アジア等に比べると手軽に参加できるかつレベルの高い大会が増えています。
日本の上位層にいる人(オープンでコンスタントにブレイクできるくらい)は特にどんどん海外大会にでましょう。意外と競えます。今回勝てないなと思ったのは上位4チームくらいです。多分ジャッジに慣れればもっと勝てます。継続的に出れば「アジアスタンダード」に段々なれると思うので更に勝てるようになります。
今日本で勝てなくても、1年生でも、一回は海外大会に出ましょう。感動します。ディベートを続けようと思えます。実際ディベート強くなる人ないし長く残る人は若い時に海外大会積極的に出てる傾向があるように思います(卵と鶏の議論は放置しておきます)
WUDC Open breakerと友達になれたり、スピーチを目の前で見たり、WUDC DCAのジャッジコメントを貰えたりします。
こういった感動や、ハイレベルな試合はやはり国内では経験できないものであり、日本のガラパゴス化から逃れるために必要なプロセスでもあります。
国内でいくら「アジアのスタンダードはこうだよ」と言われてもいまいち理解できません。経験しましょう。
まずは色々考える前に海外大会でましょう。きっと視野が広がります。明確な目標や憧れというものが生まれるはずです。そのあと計画的に自分のディベートプランを練りましょう。

Hanyang University

Hanyang University

謝辞

そもそも大会の存在を教えてくださった笠原さん、大会の渡航から帰航のほぼすべてのプランを練って実行してくださったかつ共にディベートしてくださった淳さん、大岡山練に参加してくださりフィードバックを下さった皆様(特に溝上さんと世永さん)、本当にありがとうございました。
これからもまだ他の大会があったりと道のりは長いのですが、KIDAで学んだことを日々実行していこうと思います。このポストが一人でも多くの海外大会参加者及び海外で勝つ人を増やすことを祈っています。

mit 淳さん

with 淳さん


田村くんめっちゃ良い文章をどうもありがとう!このブログを読んだ一人でも多くが海外大会にチャレンジしてみようかな〜とか思ったり、これからも海外大会で活躍するKDS民が増えたら嬉しいです。
以下がKDSの実績となります。

Pre semi-finalist: Keio (Hikari Tamura, Atsushi Sumida)

おめでとうございます!8888