スッピン

今回は、なんと、30回目の優勝を果たしたみつしさんにNDOのブログを書いて頂きました!お忙しい中執筆を引き受けて下さって本当にありがとうございます!!!とっても参考になるので是非最後まで読んでみて下さいね^^


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NDO 2018優勝&ベストスピーカーという嬉しい結果でした。記念すべき30回目の優勝です。慶應卒業したのが2015年なのにまだOB扱いして頂いて大変嬉しく思います。

いつも”Love Sexy”を冠につけたチーム名で大会に出ているのですが、今回はNDOでのLove Sexyの裏側をチラ見せ致します。予選2ラウンド限定でCaseを公開します。つまりすっぴんです。すっぴんがLove Sexyになるまでの過程をお楽しみください。


Table of Contents

Round 1: Opposition side

Motion選び原則
実際のモーション
Motion選び実践
プレパ
Case
主張

Round 2: Government side

以下同様


Round 1: Opposition side

Motion選び原則:基本自分は以下の基準で選びます。
1; Moral Highground取りやすいかどうか
2; シンプルで強いargumentが思いつくかどうか
3; Leaderが話しやすいかどうか
4; Contextがわかるかどうか
5; 変なcounterplan出されないかどうか

実際のMotion

THW ban porngraphy which dipicts women in submissive manner.
THW ban religious street preacher in public.
THW prohibit the media from reporting on the mental illness of those account of crimes.

Motion選び実践

Sayaka
朝からエロい話したくない!
原則3発動。リーダーの意志はかなり尊重する。よって一番上Veto.
Mitsushi
真ん中は古典だからできるし、一番下もWUDC 2015でやったからまぁ争点はわかる。
Tommy-san
どっちでも大丈夫です。
※実際にどれに1つけたか覚えてないです。でも一番下になりました。
プレパ
Burdens of proof /Issues
センサーシップの基準、いかなる場合において正当か?
アナロジーなど
なぜ全ての関連報道が規制されるべきか?部分規制vs全体規制
どのようなプロセスでニュースが作られるのか?
誰がどこで情報を得て、何を気にして、どう編集してどのような形で視聴者に届くのか?
なぜこの特定の情報が民衆にとって重要なのか?
民衆の知る権利の範囲
「知る権利」だとショボくて全然重要そうに聞こえないから「自己防衛権」と言い換える。結局ここがプリンシプルの全てのポイント。
過去に精神疾患関連の事件の報道で社会的な変化が伴った例はないか?

Case
精神疾患と犯罪の関連性に関する情報の固有的必要性
主張
人々、コミュニティが自らをを守るためにこの情報必要
且つ、社会が精神疾患の問題に的確に対応するために必要
分析1:どういう過程でニュースが作られるのか?
Context:多くの場合重大な犯罪事件、かつ精神疾患がメインの争点になる場合が多いと想定される
レッサーパンダ帽男事件
コメンテーター、精神鑑定士などは社会的な評判をきにするので不正確な発言はしない。テレビ局や新聞社などのメディアも視聴率やスポンサーの意向を機にするので過激な報道に偏らないインセンティブがある。
分析2:この情報が人々のself-defenseにとって大切な情報である。
どういう行動が精神疾患の兆候になり得るのか、家族や周りの人はどう対処できるのか、事前にどう対処できるのか
分析3:社会政策影響
不当な情報統制

主張
直接的な被害を情報が生じさせる保証がない又はその可能性が著しく低い中での情報統制は不当である。
分析1:トレードオフ
確かにある程度バイアスが報道により形成される可能性がある。しかしながら情報統制により知る権利・自己防衛権が犠牲にされるのと比較すると、弊害の方が大きい。
分析2:Mitagatability/managability of harm
バイアスはそもそも正しい報道によって抑制可能な被害である。
明らかに事実と異なる報道がなされた場合は委員会や自社による調査で訂正することができるため「事前」の規制は必要ない。

Round 2: Government side

 

Motion選び原則:基本自分は以下の基準で選びます。
1; Moral Highground取りやすいかどうか
2; シンプルで強いargumentが思いつくかどうか
3; Leaderが話しやすいかどうか
4; Contextがわかるかどうか
5; 変なcounterplan出されないかどうか

実際のMotion

THW ban private lawyers from criminal court and establish “Public attorneys office ” as counterpart of “Public prosecutors office”.
THBT sex offenders should be monitored with GPS technology.
THW prohibit criminals from profiting from the publicity of their crimes.

Motion選び実践

Sayaka
真ん中はできる。ハームなさそうだしプライバシーの権利、制限しやすそう。
Mitsushi
こういう論題はトミー先生がいれば最強。一番下は昔世界大会の決勝で見たし、あとICUTでトミーさんとトーマスト組んだ時やりましたよね?自分的には3,1,2ですね。
Tommy-san
どれもできると思います。1番上もできなくは無いと思います。
※実際にどう順位つけたか覚えてないです。でも真ん中になりました。

プレパ
ふっつーに考えると「GPSで再犯が減ります」以外のアイディア出ない。けれど、もうそれでいいじゃん。それをクッソ丁寧に説明すれば当たり前過ぎて反論できないしたぶん強い。
このシンプルな主張をあらゆる角度から深めてガチガチに強く立てればまぁ負けはしないでしょう。当たり前のことをしっかり当たり前に説明できるほどこと強いことはない!

Case
証明責任の調整
この政策で再犯を完全に防止することを証明するわけではない。他の政策とこの政策のコンビネーションで再犯を防ぐ。反対側が代替案を提示したところで相互排他性がないのでこのディベートには関係ない。

Argument1: GPSにより性犯罪の再犯を防ぐことができる。
主張:現状の問題は性犯罪の再犯率が高いことであり、それはGPSの導入により劇的に減少させることができる。
分析1:どういう人が再犯を犯すのか(現状の問題分析)
ペドフィリア
再犯率が一般的に高いと言われている
ペドフィリアに限らず、自分より力の弱い人を狙うことが多い。
同じ人を狙う
ストーカーと同じ心理で執着心ゆえに繰り返す
分析2:GPSの導入でどう防げるのか(プランの解決性)
抑止力
そもそも監視されていると思う為怪しい行動は控える。
自分で自分の行動を律する生活習慣が長期的に身につき、性犯罪以外の反社会的行為一般を控えるようになる。
その結果コミュニティへのreintegrationが可能となる。
事前の介入
明らかに同じ場所に頻繁に立ち寄っているなどの行動パターンが見受けられたら、捜査員が接近
仮に犯罪行為(例えば住居侵入や盗撮など)があれば現行犯逮捕が可能
証拠としてのデータの使用
仮に事件が起きたとしても、監視データを裁判において証拠として使用できる。
同じ場所に頻繁に立ち寄っているなどの行動パターンが認識できたら、意図や計画性が推測され量刑をより正当に決定することができる。
もし冤罪であれば、位置情報、時刻データからアリバイが証明される。つまりConvictionの正確性が監視データにより担保される。
分析3:重要性、深刻性
性犯罪の被害は相当に深刻で人の人生一生を奪う。すでに様々な方法で二次被害を防ぐ政策がとられていて、多少のコストを払ってでも防ぐべき優先度と緊急性の高い利害である。
すでにアメリカでは性犯罪者のリストがネットで公開されたり、住所が住民に通知されたりしている。そしてそれらの政策は再犯率を劇的に下げ、社会的な規範としてもプライバシーより安全性が優先されるという規範は受け入れられている。
メインストリームの刑事政策規範のトレンドは安全性>プライバシーなので反対側が逆の比較を提示するのであればそれは現実からかけ離れているのでそれ相応の証明責任を負うことになることに留意!

Argument2: プライバシーの権利より安全の方が優先順位が高い
位置情報の特性
そもそも誰がどこにいるかという情報はある程度把握可能な情報であり、公共性があるため特殊な個人的・私的な情報ではない。
例えば誰がどこに住んでいるかなどは現状簡単にわかる情報であり、人の位置情報に内在的な保持価値は無い。
弱者の生活を脅かす性犯罪の深刻性と比較すると、制限されるプライバシーの権利は価値が少ないと想定される。
犯罪歴が無い人でさえ安全のためにプライバシーの権利を停止されるため、統計的に再犯率の高いとされる性犯罪者に対しては尚更正当な措置である。
職務質問、空港での荷物検査、家宅捜索(裁判所で逮捕状が認められた際のみではあるが)
たとえ本人が監視されていることを脅威だと感じていたとしても、むしろそれが正しい反応であり、それを意図している。
脅威に感じるから再犯をやめるインセンティブが働く
罪を償うべきなので多少の息苦しさを感じるべき

細かい説明の仕方は覚えていませんが、まぁこのような感じです。
ここまで説明できればリーダーとしては合格だと思います。
ここまで予選2ラウンド見ていただいたと思いますが、何も特殊なことは言っていないと思います。主張はいたってシンプルです。ただ深めるための分析が若干カラフルかな、という程度です。ただ表現の切れ味がないと刺さらないので、そこには時間をたっぷりかけます。

センスとか必要なくて修行でケースが立てられるようになるので、誰でも真似できると思います。

May the force be with you.

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Result of NDO

Results of Nagoya Debate Open

Team prize
Champion ; Love Sexy Do you know Kakuei Tanaka(Mitsushi Ono, Sayaka Nakano joint )
Grand finalist ; Aukat Abab(Takua Baba joint )

Speaker Prize
Best speaker : Mitsushi Ono
5th Best speaker : Sayaka Nakano

Rookie 2nd;  Takua Baba

Adjudicator prize
Best adjudicator :Hikari Tamura

Breaking adjudicator : Kaito Suzuki


みつしさんすごく分かりやすく詳細に説明して下さってありがとうございました!!