こんにちは、KDS21期、2年の小澤俊哉です。早くもブログを書くのが3回目です。今回は台湾で行われたTaiwan Debate Open(TDO)について書かせていただきます。比較的新しい国際大会で高校生から世界チャンピオンなど有名人まで参加者層が幅広い大会です。
Table of Contents
1.自己紹介/ジャッジ歴
2. 出場の経緯/目標/結果
3. ジャッジの身につけ方
4. ジャッジで意識していること
5. 大会の感想
6. 今後/謝辞など
1. 自己紹介/ジャッジ歴
主なものはBDOのブログに書いてあります。大学からパーラメンタリー・ディベートを始めてから1年ちょっとで、ジャッジとしての経験はかなり浅いです。練習せずに資料だけ読んで臨んだICUT予選で3ラウンドは上手くいかず、それ以外の残り3ラウンドで点数をどうにか伸ばして10th Best Adjudicatorになることができましたが、Pre-QFでもいいJustificationが作れず、かなり実力不足を感じました。大会でのジャッジはそれ以来でTDOが2回目です。練習を含めても通算9試合(そのうち2試合はパネル)くらいしかジャッジしてないです…実践は少ないですけど、ジャッジとは何か、自分のジャッジの問題点と改善方法を色々考えるようにしました。参考になるかわかりませんが、今回のブログではジャッジとTDOでの経験について主に書きます。
2. 出場の経緯/目標/結果
ディベーターも考えていましたが、ジャッジで出ようと決めたのは
・ACなどを見据えた時に将来的にしっかりとしたジャッジ実績があった方がいいと思ったこと
・ICUTよりもしっかり準備して海外大会で自分のジャッジを試したかったこと(結局、あんまり練習できませんでした…)
・ジャッジの力をつけ、その視点を掴むことでディベートに活かすこと
・ABPやWUDCなどに向けて海外ディベーターに自分を知ってもらうこと
などを理由に出ることにしました。迷っている際、相談や質問に答えてくださった淳さん、れおさん、ありがとうございました。
目標は最低でブレイク、できればジャッジプライズ入りを掲げていました。とはいえ、Invited Adjudicators(IA)が10人もいて、また直前期は課題など色々と忙しく、実践的な練習も日吉練での2試合くらいしかできていなかったので、内心かなり不安でした。
しかし、結果は平均9.18点でOverall Best & Grand-Final Adjudicatorでした。本当に驚きました。いまだに信じられません。SF/GF Adjudicatorに選ばれた時点で、かなり驚いていていましたが、まさか一位だとは全く思っていませんでした。前日に「点数微妙そうだなぁ」とツイートしたら、すぐさまDCAの布施さんから珍しくいいねが来ていた理由が後になってわかりました(笑)
ただの提供ジャッジで無名の中、自分のジャッジがある程度認められ、色々な方に声をかけていただけて素直に嬉しかったし、自信につながりました。その一方で、
(a)今回はUADC方式でジャッジ間の評価やほぼ経験のないディスカッションがなかった。サイレントは誰にも評価されないため、サンプル数が4ラウンドだった。
(b)予選ではトップラウンドをみたR3を除き、比較的に下位の方のラウンドを見ていた。
(c)予選ラウンドずっとチェアで自分のペースでジャッジできた。実績のあるIAやACと直接的に同じ試合で比較されることはなかった。
(d)ラウンド自体ある程度クリアなものが多かった。
など僕にとって運が良く、有利な要素が多かったと思います。本当に僕でいいのかと思ってしまいます。この結果に見合うように頑張り、上位のラウンドやきついラウンドを多く任せられても、いい点数を保つことができるように努めていきたいです。
3. ジャッジの身につけ方
ぼくの場合、ジャッジでのラウンド練など実践的な練習が少なかったのですが、どのように国際大会のジャッジに備えたか、あるいは結果的に備えていたかを書いてみます。
(1)上手い人のジャッジを聞く/一緒にジャッジする
・海外大会
NEAOで初めて海外ジャッジに見てもらいました。特に印象に残っているのはJake Bustos(2-time-UADC GF Adjudicator, ABP GF Adjudicatorなど)で、その時まで見てきたジャッジと比べて、とても包括的で丁寧でわかりやすくて感動しました。またBDOの時にCellini Basri(ABP 2017 GFなど)にジャッジしていただいた際、反論がどう相手のニュアンスに対して有効でなかった説明の仕方もわかりやすく、参考になりました。
・春T
有本さん(2-time-UADC Top 10 Adjudicators, WUDC 2019 DCAなど)にR2とR3にジャッジしていただき、Justificationを聞けました。とても丁寧で、一つ一つの分析や反論に対する評価が明確でわかりやすかったです。JustificationのStructureやクラッシュの作り方もかなり参考になり、それをベースにしました。ICUTの時もパネルに入った時も自分が取った分析は似たようなものでも、そのまとめ方や言い方のレベルが非常に異なり、とても印象に残っています。
・大岡山練
春T前に大岡山練に参加させてもらっていた時に1ラウンドだけパネルでジャッジしました。その時はマイナーで、他のジャッジの話を聞き、納得しました。その際、もときさんに直接的なEngagementが少なめの試合の時の対処法など質問して教えていただき、イメージをつかめました。ICUTの時もPre-QFでもときさんの話を聞き、非常に説得され、ジャッジはどういう見方をすべきか考える上でかなり参考になりました。最近もPre-GeminiのR3でジャッジしていただき、Justificationがとてもかっこよかったです。
(2)資料を読んで実践する
田村さんがSNSに載せているBPジャッジに関する資料、AKさんのブログのジャッジに関する記事、タイテックのJPDUブログに載っている藤田さんの資料などをICUT前日などに読みました。これらの資料は多方面から詳しく解説されており、ここで学んだ理論・ポイントを実際、自分が直面したディベートのラウンドで具体的に適用して振り返ってみる、書いてあることの意味を考えてみる、実践することでジャッジを効率よく学べたと思います。作っていただきありがとうございます。
(3)聞くトレーニング
当たり前ですが、ジャッジする上で全ての前提はリスニングです。海外大会では特に大事な気がします。色々なアクセント、くせ、速さ、ストラクチャー、アイディア、マター、量などに対応できないといけません。今回は特にSFでリスニングの重要性を感じました。リスニングといっても、大学入試のように単に聞き取るだけではなく、ディベートではその意味や妥当性を理解し、ラウンド全体の中でどういう意味を持つのかをできる限り瞬時に判断できながら聞ける力が必要です。
アクセントはもともとリスニングが得意なのもありますが、ABPやWUDCなどに向けて音源でいろんなアクセントの対策していたおかげで大丈夫でした。例えば、今大会だと香港、フィリピン、マレーシア、オーストラリア、中国、韓国などいろんなアクセントのディベーターをジャッジしました。その大会の過去の音源を聞くのもありだと思います。
話すのが速い時やマター量が多い時に関しては、日頃から音源などで慣れておくこと必要があります。僕の場合は音源を初めて聞く時、効率よくその質を見極めるために1.5倍〜3倍くらいで聞く習慣もあるので、それも結果的に役立ったかもしれないです。Australsなどの音源で情報量が多い場合、ラウンド中からどのように整理してみせるのかという意識もつけておいた方がいいかなと思います。
(4)自分で考えて探求する
(a)ジャッジではない時も考える
自分がディベートする時、音源を聞く時、ジャッジを聞く時などの場面において、常に客観的に試合を見る意識が大事だと思います。自分だったら、どのようなJustificationを出すか、両方のサイドを踏まえたまとめ方はどのような感じなのか、ジャッジは本当にfairな見方をしているのか、自分の話は本当に立っているのか、反論は刺さっているのか、どのようなInteractionがあったのかなどを批判的にみるようにしています。そのような習慣が結果的にジャッジの練習になっていたと思います。
(b)ディベートを追求する
ディベーターとして強くなるためにしていたことが結果的にジャッジにつながったと思います。強いケースや分析は何か、いい反論は何か、パラダイム間の比較/Exclusivityとはどういうことかなどについて考えることはジャッジする上でも大切です。またある程度の知識・一般教養も持っていないと、論題によってはきついこともあるかと思います。僕がディベーターとしてどのような練習をしているかはBDOのブログに書いてあるので、よかったら読んでみてください。
(c)自己分析
過去の自分のジャッジを振り返り、分析してみました。
・Argumentがどの程度強いのか、反論がどのくらい有効でArgumentがどのように残っているかなどの分析がかなり甘い。
・それぞれのArgumentや分析をなぜ、どのくらい取ったかわかりにくい、UnfairにBurdenをかけているようにみえる。
・勝敗をある程度決めた後、Justificationする際、それに都合よく話を取る傾向がある。
・どこを重視して勝ち負けをつけたのか不明瞭で抑揚がない。
・論理を重視しすぎている。
僕の場合はこのような課題が自分の中で浮かび上がったので、これをどのように改善していくか考えてきました。問いや課題を絞って、今の自分に何が必要なのかを見出さないと改善するのは難しいと思います。僕の場合、どのような言い方だといいのか、分析/反論はどう取ればいいのか、どうしたらfairに取れるのか、論理以外どのような説明の仕方があってどう評価するべきなのかなどの細かい問いを自分なりに追求するように心がけました。自分がどのようなバイアスを持っているか把握しておくといいです。
(d)点数取れないジャッジを分析
あと逆にジャッジに低い点数をつける時はどういう時なのだろうというのを自分の経験やディベすすのtabbrのフィードバックを見て考えてみました。
・ディシジョンに納得がいかない時
・自分の分析や反論がどう取られたか言及がない、あるいはわからない時
・一部の話しかピックアップされておらず、包括的でない時
・ミスレプされた時
・一つの反論で一つの話を完全に無効にする
・不公平に分析や反論を取っているあるいは取っているようにみえる時
・抑揚がなくて結論がわからない時
・ディベーターの言葉を繰り返しているだけの時
などがあると思いました。自分のジャッジの弱点とかぶるところが大いにありますが、どのようにこれらを克服していくかを考えるようにして、それを念頭にジャッジやJustificationを追求するようにしました。
(4)メンタル/マインドセット
ICUTに関しては実践的な練習ゼロで(2)の過程のみで臨み、(ただジャッジテストがおそらくまあまあだったため、)人生初のAsianジャッジ(BP含めても2試合目)が国際大会単チェアでした。R1、2、6は良かったものの、R3, 4, 5は上手くいかなかったです。ディシジョンに関しては間違っていなかったと思いますが、自分の判断を説得的な形で伝える力がいろんな面で足りていなかったです。R3、4に関しては僕にとって非常にJustificationするのが難しい試合の展開で力が足りず、うまく説明できず、質問も多く、噛み付かれてしまい萎えました。R2に関してはInterventionだと断言され(たぶん評価しなかった理由が伝わっていなかったためか)、かなり切れられてしまいました…イラジャすることや噛み付かれるのが怖いという気持ちもすごくわかります。でも、誰だって最初は下手で成長のために失敗は必要ですし、真摯に一生懸命にやっているのならば、そんなに切れる人はいないし、優しいはずです。万が一切れる人に遭遇したり、質問責めにあったりしても、周りが優しくアドバイスやフォローをしてくれます。僕も実際それで助かりました。また多くの場合、ディベーターになんらかの責任があることも多いと思うので、堂々と自分なりに説明しましょう。大事なのは自分の課題をどのように改善していくかだと思います。ジャッジ自体とても魅力的なものだと思うので、やらないのはもったいないです。今回の大会でジャッジの面白さみたいなものに少し気づけた気がします。
4. ジャッジで意識していること
普通のことや他の資料にも書かれていそうなことしか多分書けていないですが、ジャッジで意識していることやTDOでできていたと思われることを書いてみます。
(1)Argumentの評価
ケースバイケースで一般化するのが非常に難しいですが、ロジック、具体例とその適用の仕方、イラスト、直感性、見せ方、レトリックなどの観点からバイアスを捨てて評価するように心がけています。都合よく分析を取ったり、解釈したり、バーデンかけたりは絶対しないように気をつけています。そのポイント内において、片方が全ての面において勝っているとは限らないので、全体の展開の中でどういう位置づけにいるか、他のArgumentとの比較もするようにしています。上手い人の具体例を見ると、勉強になると思います。
(2)反論に関して
Debateは反論によって議論が深まって発展していくものだと思うので、その変遷をしっかり追い、Justificationでもそれをできる限り、それとともに自分の印象・評価がどのように変遷したのかも示すように心がけています。Argumentのどこの部分にどのように反論をしたか、その反論の問題点/取れなかった理由、反論の対象がどのようなニュアンスがどうして、どのように刺さった/残ったかを言うようにします。それに対する再反論も同様に説明し、必要に応じて、微妙な反論になっているかよくわからない分析でも、反論がなかったとは言わず、なぜだめだったのかを明確にしています。「Even if I take A」などという枠組みで別の理由を説明できるとより説得力が増すと思います。
(3)試合中の動き
ジャッジは常に 批判的にディベーターの話を聞いて考える。本当なのか、しっかり説明していて説得力があるのか、Exclusiveに起きるのか、Relevantなのか、重要なのかなどディシジョンを出す上で必要な準備を先にしておきます。全体をまとめる紙に展開をメモしながら、メタも意識しています。
(4)Decision/Justificationを出す過程
今回の予選を振り返ると、全て2分以内でBallot出していて比較的迷わず、自信持ってDecisionは出せていたような気がします。その上ディスカッションがないので、とても入念にAdjudication Speechの準備ができました。言う主な内容は8、9割型決まっていたので、細かいところのメモと構成や見せ方を練るようにしました。
逆の見方を考えてみたり、負けにするチームを勝ちにしたりするとしたら、どのような感じになるかを最初から踏まえて、Justificationで他の見方より優位な理由を説明できないか考えています。ディベーターからありうる反論や疑問を予め答えるように心がけています。
(5)Justificationの説明方法について
自分の判断を説得的な形で説明できるかが特に重要だと思います。ディベーターは相手のチームの話を全部聞いてないし、バイアスがかかっているので、細かい分析や言葉遣い、具体例までカバーしつつ、できるだけディベートで使われた言葉で説明しています。(ジャッジでArgumentが美化している時もありますが、それは上手く行くときもあるけれど、個人的にリスクが高いかなと思います。) ただそれだけではなく、必要な場合、印象やニュアンスまでの言語化し、どのロールの人がどう言う名目で言っていたのかも出来る限り言及します。
負けたチームに時間を割くのは確かに重要だが、それをしすぎるとバランスが悪く、負けたチームにだけにバーデンをかけているように見えてしまう場合があります。そうならないように勝ったチームもどこが足りなくてどこまで証明できていたかを明確にし、両方のチームに対して同じ見方、バーデンをかけているとアピールするようにしています。今回は4ラウンド中2ラウンドで負けたチームからの点数の方が良かったので、ある程度効いたと思います。
(6)まとめ方/整理方法
ディベーターが掲示したものを参考にしつつ、クラッシュ・ポイントは出来るだけはディベート同様、具体的で包括的で両方を踏まえたサインポストにするようにしています。クラッシュ・ポイントをどんくらい重視したか明確にしつつ、勝負を決めたと思った分析・論点は丁寧に説明し、なぜその基準にしたのか説明するようにしています。また簡潔な結論を最初に示し(Conclusion comes first)、詳しく説明してから、観点の最後にArgumentが最終的にどのように残り、Decisionに影響したかを示すようにしています。
(7)プレパ時間
ありえる議論、大まかな対立軸や展開、ケースを把握しておくと、議論の展開を整理し、追いやすくなると思います。解釈などわからなかったら質問したり、調べたりします。ただ自分が正しいとは限らないのと、正しくてもそれ通りにいかない場合があるので、バイアスにならないようにしています。
(8)態度
印象は大事だと思います。ジャッジの点数はどうしても明確な基準がないため、境目の時など重要だと思います。試合の始まりやスピーチの間の司会を丁寧にし、拍手もしっかりして慣れている感を出してIAのフリをするようにしました(笑)また聞く時や話す時も思っていることを表情に出さずに少し頷いたり、表情に気をつけたり、親切な態度や言葉遣いも心がけました。話している時に怖い顔やつまらなさそうな顔していると、僕は苦手なので…ただ表情に出した方がわかりやすくていいという考え方もあるので、どっちもありだと思います。
僕はタイムキーパーが苦手ですぐ忘れてしまうので(笑)、単チェアじゃない時は他の人に任せて、単チェアの時はiDebate Timerというのを使ってみました。スピーチの最初に押し忘れさえしなければ大丈夫なので、だいぶ楽になりました。
Justificationを話す時は噛まずに自信を持って堂々と話すことを心がけました。噛むと相手に考える隙を与えてしまいますし、印象が下がります。先輩に自信なさそうにみえるとよく言われるので、威厳やオーソリ感を出そうと思いましたが、それは無理だと思い、せめて曖昧の言葉も使わず、明確に自分の考えを伝えるようにしました。またディベーター同様、Structure, Clearness, Fluency, Speed, Rhetoric, Eye Contactなどのマナーが重要で、「伝える」という意識を大事にしています。
(9)ジェネラル・コメントやフィードバック
ジェネラル・コメントでどこが差を広げるか、議論がひっくり返る可能性があった点であったかを挙げるようにしています。微妙だった場合はこのラウンドは良かったと嘘をつくのではなく、具体的にそのラウンドでよかったところを見つけて指摘するようにしています。
フィードバックに関してはまず重大な問題点を指摘し、それをどう改善できるか、例えばどういう分析を出せるか、他にどういうケースがあったかなどそのラウンド特有の話をまずします。その後、一般化して今後に意識すべきことを伝えるようにしています。せっかく自分がジャッジしたからには出来るだけ丁寧にフィードバックにするようにしていました。(あと本当はAdjudication直後に出さないといけないFeedbackを後から出すチームもいるので、そういう意味で影響があるかもしれません。)
(10)メモの仕方
これは人それぞれだと思いますが、ぼくの場合を一応紹介しておきます。消せるようにフリクションで複数の色を使っています。青はディベーター、水色は自分が思ったこと、位置付けをするように使っています。b)(because), ex)(example), ei)(even if), an)(analogy), Q(question)など省略記号や①, 1), a)などナンバリングをして効率よく整理できるようにしています。紙に関しては、僕の場合、B5のルーズリーフを縦に2分割したものを3-5枚とジェネラル・コメントとVote, Justificationを書く用に1枚を使います。「めっちゃ紙使うね」ってGF中に先輩に言われるほど僕はかなり細く紙に書いてメモする派です。理由としては
(a)記憶力に自信がない。あとで見返せるし、書いた方が頭に入るため。
(b)包括的なJustificationをする上で細かい分析もMisrepresentationせずに正確に取るため。
(c)その瞬間にIrrelevantに聞こえても、自分が間違っていて、あとで変わるかもしれない。そこまで見分ける自信がない。ディベーターが大事だと思い込んでいる場合(何度も繰り返している時など)があるので、聞いていたけれど、有効ではなかったと説明するため。
(d)パソコンもいいなぁと思うけれど、残念ながら僕はタイピングが不正確で遅いため。
※ただ気をつけないといけないのは書くのに集中しすぎるのは良くなくて、常に考えながら話を聞くのを忘れないようにする必要があります。ある程度のバランスは必要ですね。
(11)その他
質問とディスカッションは今回なかったのと経験が少なくて新たに書けることがないので、割愛します。海外大会をジャッジしていて思ったのはJustificationやPrincipleの割合が多いArgumentがかなり少なかったり、ナンバリングをしないストラクチャーのタイプの人がいたり、ディベート観やジャッジ観の違いを音源や先輩の話などを通して理解してジャッジする際に念頭に置いておくことが大事だと思いました。あと点数割と辛めかもしれなくて、全体的に10点が出る頻度が少ないような気がしました。
5. 大会の感想
・前日
前日は田村さんとましゅうとスピ練をしました。ジャッジで来ているのにLOスピーチ5つというしっかりとした練習を行いました(笑)結果的に英語のいい練習になって初戦からスムーズに英語が出たような気がします。
・R1: THW make all news outlets non-profit. (単チェア)
いきなり単チェアでびっくりしました。実績もたいしてない提供ジャッジですが、強豪同士の対決があってそこにいいジャッジがアロケされた結果、偶然空いた枠に入れた感じだと思います。高校生の身内の対決を見たのですが、礼儀正しくとてもいい子達でした。初戦からいい感じにジャッジできてコメントもよく、伝わっていて良かったです。ちなみに今回はTabbrがタブとして使われており、フィードバックのコメントや点数などを詳しく見ることができて面白かったです。
・R2: THW shut down schools with high incidence of mental illnesses among their student population. (単チェア)
若干ジャッジ雑だったかなという感じです。負けをつけたチームがイマイチ納得していなさそうで不安でしたが、9点でよかったです(笑)
・R3: THW make the adoption of ethical farming a prerequisite to receiving farming subsidy. (チェア)
トップラウンドに入れられました。今回の大会はジャッジ同士の評価がないので、強いディベーターからのチェックの意味合いだと思います。個人的には予選ラウンドでは一番うまくジャッジできたような気もします。マレーシアの有名ディベーターMaxx(ABP, UADC, Australs Open Breakなど)に”Excellent judging, the best we have had so far.”と褒めてもらい、(後でタブを確認したら評価も10で)自信がつきました。ディベート自体もとても面白い試合で、PM/DPM/GRがうまかったです。特にReplyはゆっくりと簡潔にラウンドでの重要な箇所が示されていて、思っていたことを言っていたので、同意しながら聞いていました。ただ負けたチームからは今大会最低の7点だったので、もう少し細かく相手の話の評価を示せばよかったと思います。
・R4: THBT pride events (e.g. entertainment, parades) should only accept sponsorship offers from MNCs with a strong history of LGBT+ policies. (単チェア)
General CommentとJustificationをつなげるのが一番うまく言ったような気もします。負けをつけたチームがなぜかジャッジ後、拍手をしてくれたのですが、緊張感の中で人間不信になっていた僕はどういう意図なのか半信半疑でしたが、幸い9.9でした(笑)あと0.1点何だろうって感じですが…
・R5: THBT it is morally ethical for developing countries to heavily invest in sin tourism. (単チェア)
近いけれど、クリアだったので、1分でBallot出して帰りました。
・Break Night
AC、IAだけでなく、提供ジャッジも結構呼ばれる中、なかなか呼ばれず、焦りました。最後の方にやっと呼ばれてほっとしました。結果的に19/22にブレイクするという事態でびっくりしました。日本人ジャッジみんなブレイクして良かったです!
・QF: Assuming the technology exists, THW operationalize the entire Criminal Justice System using artificial intelligence. (観客)
アロケされませんでした。これはEFL GFかJunior GFをジャッジして終わりのパターンだと思い込んでいました。OPPのEvan Chan(WUDC 2019 Open Breakなど)とSamuel Chan(WUDC 2015 ESL Championなど)が速めでアクセントが強めだなぁと思いました。具体例の説明の仕方が上手かったです。論題的にPrinciple argumentをもう少し聞きたかったような気もしますが。。ここでフローを取って自分でジャッジの練習をしたおかげで、いいウォームアップになりました。まさか同じチームをジャッジすることになるとは…
・SF: THR premium placed on forgiveness. (パネル)
EFL GFかJunior GFにアロケされるかなと思っていたら、SF3人ずつだけのアロケの中、自分の名前があり、とてもびっくりしました。1 voteの重みを感じ、とても責任感を感じて緊張しましたが、信用して入れてもらったからには悔いのないようにがんばろうと思いました。
途中まで相変わらず速く、最初は分析量や情報量が多くて、ついていくので精一杯でした。今までジャッジでは経験したことのないレベルでしたが、途中から適応して全体の展開を踏まえてArgument、細かい分析やニュアンスを整理して、自信を持って投票できました。ジャッジ全員がマージン1点台でとてもクロースのいい試合であった中、チェアのDCAのPatrick Cheang(ABP 2019 DCAなど)と同じGOVにVoteして2-1のスプリットでマジョリティでした。
・GF: THBT it is not in the interest of the Republican Party to support Trump’s reelection campaign in the 2020 presidential elections. (パネル)
7人のうち提供ジャッジの中で唯一選ばれ、光栄でした。初めてのGFジャッジで、周りのジャッジも僕よりもはるかにすごい人で緊張しました。このテーマに関しては本格的なリサーチはしたことがなかったけれど、ニュースを見たり、浅くリサーチはしていたりしていたので、知識面で支障は出ませんでした。DLOのBostan Nurlanov(WUDC 2019 Championなど)のスピーチを直接みるのは初めてでしたが、やっぱりうまいなぁって思いました。マターもそうですが、マナーがすごくいいです。声のトーン・抑揚・大小、アイコンタクト、レトリック、ユーモアなどあまり日本だと見ないもので、ああいうタイプのスピーチをしてみたいなぁって思いました。(実は予選前日に世界チャンピオンと気付かず、結構おしゃべりしました。とてもいい人でした。) 僕の中ではそれなりにクリアである程度自信持って、ディシジョンを出しました。みんなのVoteを確認する時に緊張しましたが、結果的に6-1のスプリットでマジョリティで、OPPのCapstone Pro-am Aが優勝しました。Vote後、田村さんや布施さんと話していて、自分のJustificationが間違っていなかったと安心しました。
6. 今後/謝辞など
(1)ジャッジに関して
まずBPのジャッジを全くできていないので、BPの理解を深めるために秋Tなどオープン大会か国際大会あたり出ようかなと思っています。Asianのジャッジに関しては実力が正直まだ結果に見合っていなく、まだ力不足だと思うので、もっとジャッジ力を磨いて安定感を付け、理想のジャッジを追及していきたいです。またプレッシャーがある中でも、トップラウンドやクロースの試合にも対応できるようにしていきたいです。来年のUADC、AustralsやMDOなど主要な海外大会に日程が合えば、挑んでみたいと考えています。またもし機会がいただけたら、AC(Adjudication Core)も経験してみたいです。大会中に布施さんと色々お話ししていて、大変そうだと思いつつ、面白そうで興味を持ちました。
(2)ディベートに関して
たったの数ヶ月、二大会でジャッジのCV(実績)がディベーターのCVを上回ってしまったので、ディベーターでも大きな大会で結果を残したいです。今のところ、ABP、NEAOやWUDCに出る予定でいるので、そこで目標を達成できるようにしたいです。ジャッジの経験はディベートに活かせますし、気付けることも多いです。柔軟なサインポスト、メタディベート、Framing、勝筋/戦略の掲示などは、ジャッジをしたおかげで以前より理解が深まりました。具体的にはプレジェミニでの自己最高のスピーチにつながったと思います。ディベーターの時もジャッジと同じ視点で冷静に正確にラウンドの展開や相手の話を理解するのが大事だと感じたので、気をつけたいと思います。また自分がよく言われるイラスト、Picture、直感性やモーションへのLinkageの重要性も痛感しました。
(3)海外大会に関して
4回目の海外大会でしたが、やはり刺激が強く、ディベートの世界観も変わります。今回もトップクラスのディベーターに触れ、とても勉強になり、モチベーションも上がり、新たな気づきもありました。海外の知り合いも増えます。お金は少しかかりますが、国内の遠征と大差ないですし、得るものが大きいです。食事や観光もできるし、充実した旅になると思います。個人的にはまだ東アジア外の海外大会に出ていないので、東南アジアやヨーロッパのディベートに直接触れてみたいです。ABPやWUDCも楽しみですし、そのうち東南アジアなどの大会に出てみたいと思います。
(4)謝辞
大会中にお世話になった方々、特に田村さんと布施さんとましゅう、台湾を案内してくれたChris、また日頃から練習や大会で丁寧に熱心に教えてくださる先輩方、切磋琢磨してくれる同期のみんな、大会運営の方々、本当にありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いします。
タピオカ。安くて(約170円)、サイズ大きくて、おいしかった!毎日買っていました。
小籠包。めっちゃおいしくて感動した。
GFアロケ。7人中KDSが3人。本番も3人並んでジャッジしました。
発表の瞬間は今までのディベート人生で最も印象的な瞬間の一つでした。
Results of TDO 2019
Best Adjudicator: Toshiya Ozawa
3rd Best Adjudicator: Hikari Tamura
DCA: Yuseke Fuse
としや、素晴らしいブログをありがとうございました!とても説得力のあるブログだったと思います!👏😆
次回はGeminiブログです(^^)/~~~