UADC 初めてのメジャー大会
みなさん、こんにちは〜!今回は23期の太一に、UADCについてのブログを書いてもらいました!
太一にとっての初めてのメジャー大会だったということで、是非皆さんに読んでいただきたいブログになっています!
それではどうぞ〜↓↓↓
KDS23期の深見太一です。2021年10月にあったBali UADC 2021について感想を書かせていただきます。あったことを書き連ねていく感じで読みづらいかもしれませんが、ご了承ください。
Table of Contents
1 UADCとはどんな大会か・出た経緯
2 大会前・予選
3 本戦
4 感想
1 UADCとはどんな大会か・出た経緯
Bali UADC 2021は10月第一週と第二週の週末にオンラインで開催されました。UADCはAsian Parliamentary 形式のディベート大会でもかなり規模が大きめです。
UADCを含めABPやEUDC、WUDCのような大会は「メジャー」と呼ばれています。メジャーの定義は自分はあまりよくわかっていませんが、とりあえず規模が大きく国際大会での最強決定戦という位置付けになっている気がします。特徴は予選が長いことです。(UADCは予選が8試合でした。)
一度はメジャー大会に出てみたいと思ってはいたものの、時間的な拘束が大きいためチームメイトを探すのは容易ではないだろうと思っていました。ただ、UADC出てみたいという自分のつぶやきをきっかけに陽平さんと卓史さんがチームとして組んでくださることとなり、参加することができました。中々出られると思っておらず、チームが結成できたときはすごく嬉しかったです。
また(少なくとも今年の)UADCの特徴は、ジャッジ全員が7分以内でOA(Oral Adjudication)をするところです。Voteが割れた試合では、複数のジャッジの結論の異なるOAを聞くことになります。そのような試合ではラウンドを異なる視点から見ることができ、そこが利点だと感じました。
2 大会前・予選
UADC前にもいくつか大会に出ていたこともあり、UADCのチームで練習する機会はあまり多く確保できませんでした。その分、一回一回の練習に集中するようにし、加えてプレパ練、veto練をしていました。
また予選前にUADC運営主催のレクチャーがありました。もともと有料のレクチャーでしたが、匿名の寄付者の方のおかげで、無料公開になりました。僕も一部視聴させていただき、大変参考になりました。
UADC予選(以下試合ごとの自分の感想です。チーム全体の感触とは必ずしも一致しません。)
(金曜夜)R1 gov-win
This house believes that universities should primarily consider teaching ability and performance rather than research outputs when awarding tenure and allocating academic funding
モーションの対立軸がわかりやすかったこともあり、比較的うまくいった気がします。(トレイニージャッジの方二人はoppにvoteしていたことを踏まえると、この勝ちも紙一重なのかもしれないと思います。)
Kiki liewさんがチェアで、あとでいただいたフィードバックの中身がとても濃く、とても参考になりました。
(ここからは土曜)R2 opp-lose
This house regrets the glorification of women’s resilience
「これはグラミン銀行の話だ!」と自分の知っている具体例に囚われてしまいました。プレパ中には自分の中で話したいイメージ・世界観はあり、何となく上手く出来そうな気がしていました。しかし、自分の先入観に囚われるあまり、冷静に試合を見ることができませんでした。
R3 opp-win
This house regrets western institutions’ push for market liberalisation
「春Tで出たStructural Adjustment Programのモーションだ!!!」とR2以上に自分の知っている具体例とモーションがつながりました。この試合では自分のイメージ通りに話し、(少なくともチェアの方には)とってもらうことができました。
具体的にはwestern pushが必ずしも良くないことはある程度認めた上で、「Counterfuctual(pushがなかった世界)の方がより悪い」という部分を強調しました。これもスプリットでしたが、ぎりぎり勝ちました。
R4 vs NUS1 opp-lose
This house would require social media users to verify their identities before creating an account (e.g. provide proof of identity and documentation)
僕にとっては、足元にも及ばなかった試合でした。具体的には、まず英語力不足を実感しました。相手チームのアクセントについていけず、相手の言うことがよく飲み込めませんでした。聞けなかったために自分のWhipスピーチでは相手に浅いengageしかできず負けてしまいました。
ただyoutubeで何度も見たことあるディベーターだったので、多分何かすごいことを言っているんだろうなとは思っていました。実際NUS1はオープンブレイクして勝ち進んでいました。このような自分から見てすごいチームに当たれたこと自体が貴重な経験だなと思いました。
R5 gov lose
This house regrets the culture of fearing death
こちらはモーション自体の意味はよくわかったし、相手が言っていることもとてもよくわかりました。ただgovとして勝ち筋がわかりませんでした。
論点自体がとても興味深いもので、また機会があれば考えたいです。
土曜日終了時点で2勝3敗でした。オープンブレイクへの可能性を残すには残り三試合で全勝する必要がありました。気を引き締めて日曜を迎えました。
(ここから日曜)
R6 gov-win
This house, as pride event organizers, would actively work with corporations that adopt rainbow capitalism
去年のUADCの決勝に出ていたNaveenさんがジャッジでした!(バイアスも多少あるかもしれませんがそれでもなお)すごいと思いました。OAを聞く中で、試合が整理され試合が見えるようになっていく感じがしたためです。こういうジャッジをできるようになりたいと思いました。
R7 gov-win
This house believes that the CPTPP should accept China’s application
僕はモーションがあまりわからず、すごく悔いの残るスピーチをしました。知識不足のせいかあまり刺さった反駁ができなかったためです。そのため試合が終わったときには、負けていてもおかしくないと思っていました。実際、あるパネルはoppにvoteし、そのOAを説明していました。普通にとても納得しました。ただ、もう一人のパネルの方とチェアの方はgovにvoteし、クロースながら勝つことができました。先輩方がゴリゴリ立てた立論のおかげで勝ったのだと思います。
R8 Opp-win
In states with failing adoption homes / numbers, this house would put a moratorium on IVF clinics
R7で悔いの残るスピーチをした分、ここでは悔いのないスピーチをしようと試合に臨みました。(いわゆるバブルラウンドですが、サイレントではありませんでした。)
ブレイクがかかる試合だったため、いつも以上に緊張していました。しかし、様々な助けがあり、その緊張は和らぎました。試合前、対戦相手を知っていた後田さんが、試合前に対戦相手の特徴を教えてくださいました。おかげで対戦相手をイメージでき、不安が少し和らぎました。またR8のジャッジを知っていた馬場さんは、ジャッジの特徴を試合前に教えてくださいました。スピーチではその特徴を考慮しつつ押すべきポイントを決めました。お二人のアドバイスのおかげか、かなり落ち着いてプレパができ、また自分としても(完ぺきではなくとも)悔いのないスピーチをすることができました。(スピーカースコアもR8が一番高かった気がします。)試合全体としても、それなりにクリアに勝つことができたと思います。
予選8試合が終わり5勝3敗でした。
今大会では5勝がオープンブレイクボーダーになっていました。つまり6勝以上のチーム全てと、5勝チームの内スピーカーポイントの上位がオープンブレイクすることができるという状況でした。(この時点ではEFLブレイクの可能性はよくわかっていませんでした。)
日曜日の夜にブレイクアナウンスメントがあり、ドキドキしながらズームを見ていました。結果はEFLセカンドブレイクでした。オープンにはスピーカーポイントで届かず悔しさが多少ある一方で、ブレイク自体が出来たことはとても嬉しかったです。
3 UADC 本選
予選と本選の間に平日5日がありました。その間にも同期や先輩にお願いして、練習試合をさせてもらいました。そこで先輩方からいただいたフィードバックは本戦でも(というか今でも)役立っている気がします。
2週目の土曜日
EFL QF opp win
This house regrets the rise of shows/films which involve mental suffering and self-harm (e.g. Bojack Horseman, Black Swan, 13 Reasons Why)
比較的オードソックスなモーションで、比較的落ち着いてプレパ出来ました。ただ、試合では相手の押したいポイントが何か今一つわからず、少しスピーチをまとめづらかったです。
それでもなお、スプリットで勝つことができました。勝ったと確信できるものではなかった分、嬉しかったです。
2週目の日曜日
EFL SF gov lose
This house prefers a world where Islam has its own central authority (e.g. The Pope or the Magisterium in Catholicism)
これは自分の感触としては完敗でした。宗教自体があまりよくわからない上に、どんな世界をpreferしているのかもイメージ出来ませんでした。
またGov Whipとして悔やまれるのはDLOの新しい話に反論しきれなかったことです。優先順位を見極めて大切な話から対応していくことが(当たり前といえば当たり前のことかもしれませんが)改めて難しいと感じました。
4 感想
UADC自体の感想
初めてメジャーの大会で、予選の長さが印象的でした。予選が長い分、最初の方のラウンドで連敗しても、後でがんばればブレイク出来る可能性があります。途中であきらめない、メンブレしない粘り強さが大事だなと思います。またyoutubeでよく見るつよつよディベーターと当たることがある/少なくとも同じ大会にいることを実感できるのもメジャー大会の良さだと思いました。
(UADCにかぎらず一般に)オンライン大会のよしあし
もしコロナ禍がなかったら自分はどのようにディベートに関わっていたんだろう、ということを時節思います。オンラインでなかったら、もっと他大の人とのつながりは広がったかもしれないし、ブレイクアナウンスメントや試合での盛り上がりももっと楽しめたかもしれない、あるいは開催地の近くのおいしいごはんや観光地を楽しんでいたのかもしれない。コロナで大会のオンライン化が進んで、失ったものは多少なりとも確かにあると思います。
ただオンライン大会だからこそ得られたものもまた、すごく大きい気がします。まず経済的負担が圧倒的に少ないです。(特に海外大会。) 今年の夏休みは海外大会に多分4つくらい出ていました。オフライン開催だったら、海外大会に出るハードルはぐっと上がると思います。お金のことをあまり気にせず大会に出られる環境はすごくありがたいです。またオンラインだからこそ開催できた大会もあると思います。例えばパキスタンの大会にアメリカのACを呼べるのは、もしかしたらオンラインならではなのかもしれません。
また使う体力も少なく、ディベートそのものに100%集中できるところも国際大会の利点だと感じます。(その分のトレードオフもありますが、、)
対面大会とオンライン大会のどちらにもよいところがあり、中々決着のつかない論点だなと思います。
最後に謝辞を書かせてください。
陽平さん、卓史さん、組んでくださり改めてありがとうございました。プレパ練やラウンド練をリードして下さり、心強かったです。また大会中も気さくに話しかけてくださり、リラックスして試合に臨むことができました。また何かで組めたら大変嬉しいです!
また馬場さん、五老さん、あいこ、遼介さんを始め、練習相手・ジャッジをして下さった方々には大変助けられました。練習試合での経験やフィードバックは当日にも活きていている気がします。
そしてDCAの俊哉さんをはじめ(直接知らない方の方がほとんどですが)運営の方々にお礼申し上げます。あれだけの数の見たことない&興味深いモーションを作るAC陣や膨大な部屋数のディベートをスケジュール通りに進める運営は、(自分が言うのもあれですが)ただただすごいと思いました。
また申し込み、会計、広報と様々な手続きを進めてくれた執行部の人たちのおかけで大会に出ることができました。
さらに普段から一緒に練習してくれる人たち、さまざまな面で助けて下さる人たちのおかげで大会を楽しめたと思います。
改めてありがとうございました。
これからも自分のペースでディベートに関わっていければと思います。
太一、ありがとうございました!
Results of UADC 2021
EFL Semifinalist Keio 2(Takushi Kobayashi, Yohei Horiguchi, Taichi Fukami)
EFL Best Speakers
5th Taichi Fukami
9th Yohei Horiguchi
DCA Toshiya Ozawa