葉は散れども梅返り咲く。Umeko Cup 2016

こんにちは!広報の2年藤井です。Tokyo NEAOが盛り上がっていたところですが、11月上旬に行われた梅子杯について、優秀な成績を残してくれた努力家のみおに書いてもらいました!(Photos credit by Umeko Cup 2016)


地味にひっそりとKDSに生息しております、19期の和田野澪です。文章力0にも関わらず当ブログを担当する機会をいただけて恐縮です。

今回は、11月5日・6日に津田塾大学で開催された、一年生最強決定戦の梅子杯について書きたいと思います。

2 things in this article:

1 大会について

2 個人的感想

1. 大会について

大会前

この大会は、とにかく予想外の連続でした。

最初の「予想外」は、弱小ディベーターを自負する自分が、トライアウトの結果、まさかの梅子への出場権を獲得できたことに始まります。

たまたま選ばれたにすぎない自分の出場とチームのブレイクの可能性がtrade offになりかねないというジレンマに悩みましたが、逆に「KDSとして死んでもブレイクしなければならない」という絶体絶命な状況に自分を追い込むことで上達を狙おうと考え、覚悟を決めて出場を決心しました。

一方、現実はそんなに甘いはずもなく。1チームしかブレイクを果たせなかった紅葉杯後に梅子での挽回への期待が高まる中、帰国生である他の梅子メンバー(柴田ももか、柳ももか、きよ)と比べて私の英語力は格段に劣り、更に自分のスピーチの内容はすべてimpactに落ちない中途半端なもので、更にこれまで銀杏・紅葉でブレイク落ちしたトラウマを引きずりっぱなしで、先輩・同期をひたすら不安にさせるばかりでした。そんな中でも先輩から特訓をうけ、最強のパートナー:しばももや同期から励まされつつ(後述)なんとか大会まで生き延びました。

予選

予選のMotionは以下4つ。

R1 THW ban anonymous writing on the Internet(Opp)

R2 THW grant the right to vote to prisoners(Gov)

R3 THBT CEOs of large corporations should be selected by employees rather than shareholders(Opp)

R4 THW ban tobacco(Gov)

バブルのR4でまさかのバンタバ。ラウンドを見てくださったOBの方に「oppのmain caseを切りきれていない以上govが負けてもおかしくない」との感想をいただき、またラウンドを振り返るほど失敗した点が次々と思い出され、ブレイク落ちを確信しました。どん底に落ちた私の気分は、その後皆で行ったピザ屋さんで喫煙席に座らされたことで、更にえぐられることとなりましたが。

R2 Sophia Bのお二人と!白熱したラウンドとは一転して、ゆるゆるのおしゃべりタイム(というか2ラウンド目にしてすでにみな疲弊ぎみ。笑)

R2 Sophia Bのお二人と!白熱したラウンドとは一転して、ゆるゆるのおしゃべりタイム(というか2ラウンド目にしてすでにみな疲弊ぎみ。笑)

ブレイクラウンド

翌日はかえって清々しいほどに開き直ってブレイクアナウンスメントに臨んだものの、いい意味で予想は裏切られました。ギリギリながらも11位で人生初ブレイク。しかし、本来なら素直に喜ぶべきところを、その日私は本気でブレイク落ちを確信していてディベートをする心算がなかったので、むしろ焦りました。

Oct final: THW discourage the movement that aim to further the acceptation of obesity in society(Gov)

Quarter final: THBT feminist movement should oppose surrogacy(Opp)

Semifinal: THBT Government of developing countries should actively introduce English as a single official language(Gov)

KDS対決の日吉練となったSemifinalでは最後ら辺もはや涙目でspeechしたほどの出来で、今度こそ負けを確信しましたが、ギリギリでまさかのGov win。そして、それが意味するところはGrand final進出だったのです。しかも相手は、これまでの全ての学年大会のグラファイでお目にかかり、紅葉の時に録音までさせていただいたほどの(勝手にすみません)華麗なspeechを繰り広げるICU A。” fluent” とは程遠い私のspeechとの圧倒的差異がvisualizeされるであろう恐怖と絶望感は、言うなれば東京湾の彼方から迫り来るゴジラを目にしたときのそれに近かったです。

しかしそのシナリオを避けられない以上、私の仕事は「我が優秀パートナーがDeputyとして暴れまくることができる土台をいかに築くことができるか」の一点に尽きると思い、わざわざ応援に駆けつけてきてくれた同期に励まされ冷静さを取り戻してMotion発表に臨みました。

Grand Final: TH prefers a world without marriage(Opp)

結果は、4対3でGov win、つまりOppであるKDSはChampionshipを逃し、ついに3度目の正直(KDSは梅子杯で3年連続Grand Finalistだったため)を果たせませんでした。

PMをガン無視したLOのセットアップをしてしまったこと、よく考えると自分が言ったのは「world without marriage」ではなく「SQの事実婚」のharmだったということ、あとで録音を聞くと予想以上のマナーのひどさだったなど、やはりGrand Finalに求められるものとは程遠いspeechをしたことは今でも猛反省です…。

マシンガンrebuttalによるDLOの見事な巻き返しで、チームとしては接戦まで漕ぎ着けたので嬉しい一方、自分に関しては“Grand finalist”の名前負け感が胸に焼き付いた苦々しい思い出となりました。

Semi FinalistのKDS B: the goddess of rhetoricの柳もも(左)・相手を瞬殺する劇強speechに劣らずhair styleも決まってるきよ(右)

Semi FinalistのKDS B: the goddess of rhetoricの柳もも(左)・相手を瞬殺する劇強speechに劣らずhair styleも決まってるきよ(右)

 

Grand FinalistのKDS A:銀杏・紅葉・梅子全てで快進撃を見せた、最強の柴もも

Grand FinalistのKDS A:銀杏・紅葉・梅子全てで快進撃を見せた、最強の柴もも

2. 個人的感想

大会全体を通して感じたことをつらつらと述べたいと思います。

ディベート 個人戦ではなく、チーム戦

単に試合での勝ちを意識するのなら、自分のスピーチよりもまずチームワークを円滑にすることが第一だと思います。1stの場合は、無理に一人で全部言おうとして爆死するより、どこまで言えば2ndが補いやすいのかにfocusしたほうが、2ndがcaseをreconstructする時間を省きつつ2ndの強みを生かせて、結果的に勝ちやすいのではないかと。

つまり、パートナーへの上手い頼り方次第で、上手いスピーチと同じくらいの強みを持ちうるということです。

「伝わる」ではなく「伝える」スピーチ

上と若干コントラしていますが(笑)、自分自身のスピーチの質向上の重要性も言わずもがなです。

結局ディベートはジャッジを説得させる競技である以上、内容そのものよりもその伝え方が一番重要であるにもかかわらず、新歓期頃からの「単語並べてとりあえず7分しゃべろう」精神から完全に抜けないままでここまで来てしまったので、GFでは公開処刑な状態に至ってしまいました。

梅子から半月経った今もまだたどたどしいスピーチのままですが(猛反省)、練習と似たテーマの音源からボキャブラリーを集めたり、JPDU動画からprincipleの立て方を真似たりなどの英語力•表現力をあげる地道な作業を量的にも質的にももっともっと積み重ねる必要性を痛感しました。

「自分にとってのディベートとは」の問いに立ち返る

今回自分にとってのもう一つの壁は、理想と現実の乖離から生じた不安定なメンタルでした。しかし、毎朝の電車で涙が止まらなくなるくらい辛かったこともあった反面、強制参加でもないのに週3回J441(日吉練の活動場所)に足を運ぶことをあえて選んでいるのは自分自身であるから、やはりディベートの辛さをoverrideするような、練習によるcrucial benefitがあるはずだ、そしてそれは最終的には「強いディベーターになりたい」という純粋なself-actualizationに行き着く、ということに気づきました。自己嫌悪のvicious cycleに嵌まって練習が単なる苦行になっている限りでは、なんの楽しさもない上に弱点の客観的分析すら妨げられて、結局上達という本来の目標すら自分で遠ざけていました。

ディベートを楽しむためにも、そして何より上達するためにも、自分は何のためにディベートをしているのか、という原点に戻って自分を客観視することの大切さを学びました。

I owe what I am totally to…

今回得たものの中で一番大きかったのは、自分が恵まれた環境にいることへの気づきです。

まずディベート面でも人間的にも素晴らしいパートナーのしばもも。

コバンザメし続けた私の貢献度の低さに寛容でいてくれた優しさはもちろん、勝敗にいちいち浮き沈みするうっとうしい私に苛立つことなく、私がメンタルブレイクした時も「せっかくの大会だから気負わず楽しもう」とLINEしてくれる等、メンタル的にサポートし続けてくれました。

もはやエリザベス杯で先輩と組んでもらっているレベルに全面的に頼らせてもらえたからこそ勝ち進めたのであり、このような素晴らしいパートナーと組めたことに2016年の運気を全て使い果たした気がします。笑

共にSemiまで切磋琢磨したKDS Bのきよと柳もも。私よりもずっとずっとGrand Finalの舞台にdeserveするのにも関わらず、Grand Finalに温かく送り出してくれてありがとう。土筆杯1st&4th best speakersと何回も日吉練で対戦してたとか、今考えると贅沢な練習環境だったわ…笑

そして、どう考えてもKDS代表として出したらあかんレベルの私を、責めずに最後まで応援してくれた同期。自主練でも真剣にアドバイスくれたり、GFのあの事故スピーチを聞いてもなお、私の個人比での成長を褒めてくれて嬉しかったです。また、夏休みの日吉練からの成長を評価してくださった先輩や、現状ではなくpotentialを信じてずっと応援してくれた人からの励ましにも本当に救われてきました。

最後に、わざわざ空きコマ練を開いて練習を見てくださった先輩方、特に貴重な午後の空きコマや映画『怒り』を観ることをも犠牲にしてスピ練からBOPの見分け方まで何回もエジュケしてくださったあつしさん、土曜にわざわざスピ練やレクチャーのために日吉まで来てくださったこーたろーさん、ごーけんさん、(あと19期ですがミスド練で2回もspeech見てくださった田村くん)、本当に感謝です。

GFで事故ったとはいえ、これらのサポートがなければ、そもそもブレイクさえ怪しかった大会前の状態から結果を残すに至ることなど不可能でした。こんなに周囲に恵まれているからこそ、今度からはネガティヴを撒き散らして周りを不安に陥れるのを控えなければ…と反省中です。

とにかく、見事に散った雪辱の紅葉杯の名誉挽回のごとく、KDSが梅子杯で返り咲くことに自分が貢献できたことは、光栄の限りです。

今後のBP、AsianシーズンでもKDSの活躍に貢献できるよう、地道に努力を続けたいと思います。(いつかはドヤれるディベーターに…!)

ここまで、音源やマター集めの時間を犠牲にしてまで読んでくださり本当にありがとうございました(*^^*)

Breaking Adjudicatorのごうけんさん+で集合写真♪( ´▽`)

Breaking Adjudicatorのごうけんさん+で集合写真♪( ´▽`)


ありがとうございました!みおの日々の努力はKDS全員がよく知っているところ。これからも自信を持って頑張っていってほしいです!

改めまして結果報告です。

Grand Finalist KDS A (Momoka Shibata, Mio Wadano)
Semi Finalist KDS B (Momoka Yanagi, Kiyonobu Tamai)
Breaking Adjudicator Kentaro Gonaka