Adjudicating is hard but it’s worth it
みなさんこんにちは!今回は昨年行われたWomen’s Cup 2019についてのブログを22期の上野恵里花さんに書いていただきました!今回のブログは「ジャッジ」について書いてもらったので、ジャッジに興味のある方は是非目を通してください🙂
それではどうぞ〜
初めまして、KDS22期の上野恵里花です。今回、12/14に行われたAoyama Women’s Cupのブログをトレイニーとして参加した私が書かせていただくことになりました。ジャッジに関するノウハウやtipsは他の先輩方のブログや資料を参照していただくとして、このブログは「ディベート初心者のジャッジ挑戦ブログ」として温かい目で読んでいただければ幸いです。
Table of contents
1. 自己紹介【ディベート/ジャッジ歴】
2. 大会までの練習
3. 大会当日
4. ジャッジを経験して学んだこと
5. 謝辞
1. 自己紹介【ディベート/ジャッジ歴】
大学に入ってからディベートを始めました。帰国子女でもないです。もっと英語を話せるようになりたいなぁと思ってKDSに入ったわけですが、良い意味で「単に英語を話すだけの場所」じゃなかったですね。英語に触れる機会を提供してくれるというのはもちろんですが、それだけでなく、競技としてのディベートの難しさ/楽しさ、ディベートコミュニティに属する人々の暖かさに引き込まれて今に至ります。
ジャッジは11月頃に冬Tの提供ジャッジのお話をいただいてから練習し始めました。練習をしていく中で、せっかくジャッジという自分からはなかなか挑戦しにくい事にトライする機会を頂いたのにここで終わるのはもったいない、もっと勉強してみたいと思い、AWCへのトレイニーとしての参加を決めました。ジャッジという形で大会に参加したのは今回で2回目です。
2. 大会までの練習
特別な練習をしたわけでもなんでもないですが、振り返るために一応簡単にまとめておきます。練習は主に、資料を読む、ラウンド練で先輩と一緒にジャッジをする、の繰り返しでした。
資料に関しては、先輩が田村さん作のBPジャッジに関する資料や2016年の凌霜杯の資料など色々と教えてくださいました。ジャッジとして勉強になっただけでなく、反論はどう評価されるのか、各チームのコントリビューションは何か等、ディベーターとしても大切な知識だなと思いました。ここには書ききれないですが、他にも様々な資料にお世話になりました。作ってくださってありがとうございます。
ラウンド練では、実際に先輩と同じラウンドをジャッジすることで、自分がどこを過大評価/過小評価してしまっているのか、より公平なジャッジをするには自分に何が足りていないのかなど、実践的に学べるのですごく勉強になりました。こう書くと順調に成長していったように聞こえますが、全然そんなことありません。ラウンド中は頭の中が常に疑問でいっぱい、それらを処理しきれないままディベートは進んでいく、早くディシジョンを出さなきゃと焦れば焦るほど思考は停止、なんてことばかりでした。それでも先輩方が辛抱強く教育してくださったおかげでだんだんとフローの取り方や比較の仕方に慣れていくことができました。本当にありがとうございました。
(他にも、Facebookに上がっていた他の大会の過去のジャッジテスト用動画をジャッジしてRFDを作り、同じく公表されていたAC見解と比較して勉強するという作業も2回ぐらいですがやりました。)
3. 大会当日
今回の大会では、ジャッジの育成機会として、トレイニーはディスカッションに入る前にRFDを1分程度でまとめ、それをチェアの方に評価していただけるという大変ありがたい制度がありました…!時間勝負であったため、とにかくRFDを簡潔にまとめ、どこのチームの比較を聞かれてもすぐにパパッと答えられるようにしようと意識してラウンドに臨みました。
ラウンド中は、先輩方から教わったように、ラウンドと並行してディシジョンを出していくように努めました。1つ前のスピーチや、聞いていて疑問が湧いた議論の一点だけに頭が引きずられて話についていけなくなってしまわないように、スピーチが終わるたびにディベートの流れを頭の中で整理し直し、次のスピーチに備えるように心がけていました。
ラウンドが終わると、チェアの方々はどなたも私の拙い説明を熱心に聞いてくださり、私のRFDを理解しようと質問をしてくださったことで、どこでチェアの方とのディシジョンが割れることになったのかを明確に把握することができました。また、こちらから質問をした際にも、それぞれの議論や反論をどう評価し、各チーム間をどう比較したのかについてとても丁寧に説明してくださいました。毎ラウンド学ぶことがたくさんあり、本当に勉強になりました。
そして今回、なんと2nd Best Trainee Adjudicatorとして表彰していただきました…信じられません…!未だに頂いた点数を受け止めきれていませんし、より詳しいRFDを求められていたら逆にどんどんボロが出ていたのではないか?今回はむしろ時間制約に救われたのではないか?などと疑っている自分がいます。実際直前の日吉練ではチェアの先輩からの質問に全く上手く答えられず、大会には焦りと不安を抱えた状態で臨みました。それでもいざラウンドが始まるとこれまでにないくらいスッキリと頭が働いてジャッジすることができたので自分でもびっくりしていたのが正直なところです。今回の結果がまぐれであろうとなんであろうと、短い期間ではありましたがジャッジとして練習をしてきたことが少しでも目に見える結果として現れたこと、そしてずっと面倒を見てくださっていた美代さんや、ディベーターとしてもジャッジとしても一緒に練習してきた同期が自分のことのように喜んでくれたことがとても嬉しかったです(*´-`)♡
4. ジャッジを経験して学んだこと
AWCを終えてジャッジとしての大会参加にひと段落ついたところで、私がジャッジに挑戦するようになってから変化したり、気がついたりした2点について書きたいと思います。
1つ目に、ディベーターとして参加している時も以前に比べて冷静にラウンドを見られるようになったことです。反論が大の苦手な私はこれまで反論しようとしても1)自分のサイドの話に思考が固執しすぎて相手の話はありえない!!と直感的に思うもののどこを反論で切れば良いかわからない、2)相手の話を盲目的に信じてしまい反論できず、後になってリフレクで相手の議論のここを突けば勝てたと気づかされる、という2パターンに陥ってラウンド中はパニックになることが多かったです。ですが常に中立的な立場に立つことを求められるジャッジの練習を繰り返したことで、冷静に相手の議論を聞ける回数が段々と増えたように思います。出された議論に飛躍はないか?モーションを直接肯定/否定する理由になっているか?相手の話にしっかりエンゲージして反論しているか?などと問いかける過程の中で頭が冷静になって相手の議論に対処する姿勢に入りやすくなったということだと思います。未だに反論はまだまだ苦手ですし、冷静になれたなどという変化はあまりにも初歩的なことかもしれませんが、それでも以前の私に比べてほんの少し成長できたのではないかなと思います。これが「成長した『気がする』」程度で終わらないようにこれからの練習も頑張ります。
2つ目に、ストラクチャーの大切さを改めて感じたことです。もちろん、何を言うかが大切なのは大前提ですが、どう言うかの大切さも忘れてはいけないなと気づかされました。ジャッジを通して様々なスピーチを聞く中で、ストラクチャーの綺麗さに感動させられた瞬間がありました。ナンバリング、どういう順番で結論に持っていくかなど学ぶことがたくさんありました。自身を振り返ってみると、ディベートを始めて半年以上が経ち、難しいモーションにも挑戦していく中で、話す内容に必死になりすぎて結局ストラクチャーがぐだぐだで伝わらない、ということが多々あったのではないかなと思いました。今回ジャッジの経験を通して、一度基礎に立ち返ってストラクチャーを見直すことの大切さを実感することができました。これまた基本的なことではありますが、未だにこの基礎的なストラクチャーが綺麗にできていないので、これからもっともっと気をつけていきたいところです。
私にとってジャッジへの挑戦は、難しくも楽しいものでした。決してジャッジが簡単だったとは言いません。むしろ課題なんて山積みですし、やっとスタート地点に立てた気分です。それでも、ジャッジという新たなディベートの楽しみ方を見つけられた気がします。それと同時に、ディベーターとしても多くを得ることができました。これからはそれらをきちんと生かしていけるように、そしてディベーターとしてもジャッジとしてももっともっと成長できるように頑張ります。
5. 謝辞
最後に、AWCに参加するにあたりお世話になった方々にこの場をお借りして感謝を述べさせてください。
まずは、美代さん!BP NOVICEでペアを組んでくださった時から、事あるごとに気にかけてくださいました。ジャッジに関する資料をたくさん送ってくださったり、私の質問1つ1つに親身になって答えてくださったり、冬Tでジャッジの点数が思わしくなかった時に励ましてくださったり、ご自身も疲れているはずなのに大会中に何度も声をかけて元気をくださったり、本当に感謝してもしきれません。ありがとうございました。これからも、ディベーターとしてもジャッジとしても、色々と教えていただきたいです!
そして、日吉練で一緒にジャッジをしてくださったり、アドバイスや励ましの言葉をくださったりしたKDSの先輩方や同期の皆、ジャッジの練習をしたいという要望を快く受け入れて練習に参加させてくださったWADやお茶大の方々、大会中に直接ジャッジを学ぶ機会をくださったチェアの方々、スムーズに大会を運営してくださったコミの方々、みなさん本当にありがとうございました。まだまだ未熟な私ですがこれからもどうぞよろしくお願いいたします。
Results of Women’s cup 2019
[Best Speaker]
9th: Yui Kawaguchi
[Rookie Best Speaker]
2nd: Aoi Kubota
[Best Adjudicator]
1st: Hikari Tamura
[Trainee Best Adjudicator]
2nd: Erika Ueno
3rd: Riku Saito
✨エリカありがとうございました✨